ローズマリー精油と抽出物 | forestwalkingのブログ

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2013年の暮れに、突然この世を去られた、理学博士 藤田忠男先生の研究を掲載していくブログです。

ローズマリー抽出物と精油の違い
■ローズマリー・エキストラクトまたはローズマリー抽出物

ローズマリーは、肉料理・ハーブティー・アロマ・化粧品など、大変幅広く使われているハーブです。 肉料理は赤色を保つ役割で、化粧品は天然の防腐剤の役割で利用されています。 ローズマリーエキスは、その葉から抽出した微芳香性の水溶性エキスで、褐色の液体、ハーブ由来の清々しい香りが特徴的です。 水分を蒸発させると粉末になります。更に、この粉末を植物油で希釈して販売されています。 天然ハーブの収れん作用により、肌を引き締め、毛穴を見えなくなります。 テカリ・ベタつきが気になる額も、心地良いサラサラの手触りに変ります。

ローズマリー抽出物は、エッセンシャルオイル、精油ではありません。 精油は芳香成分のある油成分のみを取り出したものですが、ローズマリーエキスは、 ローズマリーの葉から抽出した微芳香性の水溶性エキスです。溶解している化学成分は水溶性のものです。 精油では油にとける化学成分が含まれています。 このようにエキスと精油では含まれている化学成分が異なるのです。 歴史的にはローズマリーエキスは、胃腸のトラブルや消化不良、駆虫目的に使用していました。 反面、精油は植物油に薄めてトリートメント、または嗅覚刺激で使われ、今では認知症の治療に使われています。 このように抽出物と精油は異なる物質なので見極めましょう。



■ローズマリー精油と抽出物との違い

ローズマリー抽出物は食品添加物として使われていました。 最近では抗酸化能物質が含まれているというので認知症の治療に応用されようとしています。 抗がん効果も知られてきました。 ローズマリー精油は生理的効果をもつということでアロマテラピー施術に用いられてきました。抽出物と精油は全くことなる物質です。 抽出物にはオイルはほとんど含まれていません。抽出物はメディカルハーブとして用いられています。多くの効能が知られています。 精油は抗微生物効果があることは知られています。シャンプーにローズマリーをいれておくと髪が黒っぽくなるという。 記憶力改善にも役立ち高揚させる効果もあるという。

植物から化学成分を抽出するのに、抽出法と水蒸気蒸留法があります。抽出法で採れるものを抽出物といい、 水蒸気蒸留法で採れるものを精油と呼んでいます。だいぶ慣用的な呼び方で科学的ではないので混同されます。 植物成分の抽出は科学が発展する以前からあったので慣用的な命名法になっているのです。 しかし、その慣用にしたがわないと理解できなくなるので慣れてください。

有機溶剤抽出法というものがあり植物から精油を採る方法です。 このとき、抽出法といっても抽出物とは言わずに精油と呼んでいます。 これは独特な精油の一連の作り方なので有機溶剤抽出法と呼び、生産物はアブソリュートと呼んでいます。 精油は揮発性のオイルです。それを精油と呼んでいます。 ローズマリー抽出物は粉末です。植物油で希釈して食品添加物で利用されています。 使用時に液体にすることがあり精油と混同されがちになります。 製造時は粉末なので精油と呼ばずに抽出物と呼んでいるのです。



■中国産のローズマリー抽出物

中国産のローズマリー抽出物は10%濃度で植物油に希釈されて国際的に出荷されています。 成分分析しないとローズマリー精油と区別つかないかもしれません。 エキスは食品添加物用途で使われているようです。ローズマリーはいずれ植物油に希釈され使われるが、 ローズマリー抽出物は精油とは化学成分が違うので、ローズマリー抽出物は精油に変換することはできない。



■ローズマリー抽出物と精油のCAS番号

アメリカのCAS番号では次のように区別されています。化学物質として異なるものとの扱いです。 抽出物を精油と偽って売ることは出来ないのです。精油の取り引きのときは、CAS番号を確認してください。 ローズマリー抽出物は通常粉末で取り引きされます。植物油で溶解されて販売されることもあります。 そのときに抽出物であることはMSDSのCAS番号で確認してください。

ローズマリー抽出物 Rosemary Extract CAS# 84604-14-8
ローズマリー精油 Rosemary Oil CAS# 8000-25-7



■ローズマリー抽出物と精油の使用上の注意

ローズマリー抽出物は1日用量以上は摂取しないこと。有害事象が報告されています。またアレルギー反応のリスクもあります。 医師の治療を受けるときは、ローズマリー抽出物を摂取していることを告げ、医薬品との相互作用を避けること。 ローズマリー精油は毒性が強いので摂取しないこと。いずれにしても注意されていることです。



■植物抽出物の製造法

特許情報を垣間見ると植物抽出物製法が詳細に書かれている。製造工場ではそれぞれ特殊な製法をとっていると思われる。 有機溶媒系で抽出して濃縮して乾燥する工程があることがわかる。このように精油の水蒸気蒸留法とは工程が異なる。

有効成分を含有する植物体、例えばユーカリ(Eucalyptus globulus)はヒスタミン遊離抑制作用を有し、 その50%エタノール抽出液を花粉症等の予防に使用することなどが提案されている。 しかしながら、ユーカリの抽出液は、そのままでは取扱いが不便であり、またその製剤化も簡単ではなかった。 すなわち、ユーカリの有効成分を抽出するには10~99%(W/W)のエタノール水溶液による抽出が一般的であるが、 これを濃縮した場合は、濃縮中に飴状の固形物が析出しその後の乾燥粉末化を困難にさせることが多かった。 エタノールを含有する抽出液を粉末化する方法としては、例えば抽出液のアルコール濃度が10~95%(W/W)となるように抽出を行い、 次いで粉末化基材を添加した後低温で噴霧乾燥し、エタノールを6~40%含有するエキス粉末を製造する方法が提案されている。 しかしながら、この方法では防爆仕様の特殊な噴霧乾燥設備が必要であった。

エタノールを含有する抽出液を一旦濃縮し、次いで乾燥する方法としては、 例えば有効成分を含有する植物体からエタノールで有効成分を含有する抽出液を調製する工程、 植物体粉末の存在下で該抽出液を濃縮して植物体粉末含有植物抽出液を調製する工程、 および該植物体粉末含有植物抽出液を乾燥する工程を含む、植物体粉末含有植物抽出物の製造方法が提案されている。 しかしながら、この方法も均一な植物エキス粉末を製造することは困難であった。



■家庭でのローズマリー抽出物の製法

ローズマリーの枝を取っておく。詮が閉まるジャーにローズマリーの枝を入れる。 ローズマリーの2倍ぐらいの分量の目安で80%プルーフのウォッカを注ぐ。 詮をきっちり閉めて暗所にて、ジャーを4-6週間放置する。小枝を取り出して液体をガラス容器に注ぐとローズマリー抽出物が出来ている。 1日用量は1-4ml程度。それ以上は副作用が見られる。痙攣、足の浮腫、昏睡が見られることがある。妊娠中、授乳中の婦人は避けること。 ローズマリー抽出物はウォッカに溶解している。ラベルに製造年月日を表示しておくこと。 たとえば、1mlの抽出液をコップいっぱいのグレープフルーツジュースに溶解して摂取するのもよいだろう。



■ローズマリー抽出物と精油の成分比較

主成分は全く異なる。明らかに異なる物質と考えて良い。 下の成分で見ると抽出物は水溶性成分が溶け出している。 しかし、精油は水蒸気蒸留法で製造するが、抽出物製造における抽出方法により内容成分は異なる。 製造方法を確認しないと成分の違いについてコメントできない。

    ★ローズマリー抽出物には次の強い抗酸化能物質が含まれている

    carnosol, carnosic acid, caffeic acid, rosmarinic acid
    カルノシン酸が水溶液内ではカルネソールになっている。溶液のpHに依存して酸塩基化学平衡で共存する。

    ★ローズマリー精油の成分

    alpha-pinene, borneol, (-) camphene, camphor, verbenone, bornyl-acetate
    ボルニル酢酸はバルネオールが蒸留する過程で精製する酢酸エステル。特徴的な芳香をもつ。 ケモタイプにより、verbenone が大量に含まれるものがある。 α-ピネンはモノテルペン炭化水素類といわれ、マツ、ヒノキ、スギなど多くの針葉樹の精油に含まれ、 特有の香りを持ち香料や医薬品の原料としても使用されている。



■精油と抽出物との混同

ローズマリー抽出物は食品添加物として使われていて、有機溶媒を用いて常温で抽出されます。これを抽出物 extraction と呼んでいます。 ローズマリー精油はアロマテラピー施術に用いられ、水蒸気蒸留法 steam distillation で抽出されます。 これも抽出物なのですが、古くから精油と呼ばれているのです。 化学的には抽出物なのですが、蒸留法で採取しているので精油と呼んでいるのです。 抽出物と精油は全くことなる物質です。 歴史的に精油という用語があるために、混同させています。化学、錬金術の折り重なった時代背景があります。 精油はアロマテラピーで必須の用語なので、水蒸気蒸留抽出物と呼べない経緯があります。