ローズマリー精油 | forestwalkingのブログ

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2013年の暮れに、突然この世を去られた、理学博士 藤田忠男先生の研究を掲載していくブログです。

ローズマリーによる伝統医療と化学成分
■ローズマリーの歴史

ローズマリーという植物は人類の歴史とともにあります。今でもガーデンに栽培されています。 力強い植物でどこの土壌や天候のもとに栽培できます。1年中楽しめるハーブとして人気があるローズマリーは、シソ科の常緑性低木です。 ローズマリーは乾燥して伝統医療に用いていました。ローズマリーの精油は水蒸気蒸留法で大量に製造されるようになりました。 この精油は医療に使われています。伝統医療と呼ばれるものです。 ローズマリーの葉や枝は昔から香料に用いられ、乾燥させてから保存すれば、香りを長持ちさせることができます。

ローズマリーが記憶によいというエビデンスがあり、被験者の15% は改善するという。



■ローズマリーの葉に含まれる化学成分

ローズマリー (Rosmarinus officinalis) にはケモタイプがあります。それは、カンファーとシネオールです。ベルベノンもあります。 それで、カンファー (1) とシネオール (2) は特徴成分と呼ばれます。カンファーは脳の覚醒作用があることは知られています。 カンファーとシネオールは抗微生物効果をもつ。食品の保存剤として使われてきました。 微量成分も含めて実際は数百に上る化学成分が含まれているといわれています。 ローズマリー酸 (3) カルノシン酸 (4) は、抗酸化能物質です。肉類が変色しないようにローズマリーが使われています。 ウルソール酸 Ursolic acid (5) (3beta-Hydroxy-12-ursen-28-oic Acid) は記憶改善によいという。皮膚がん予防によいという。 カルノシン酸が細胞死を抑える遺伝子を活性化することも解明されており、 認知症など脳神経細胞の細胞死に関連する病気の予防や治療に応用できる可能性があるという。



■ローズマリー化学成分とアルツハイマー型認知症改善効果

鳥取大学医学部の臨床試験で精油のローズマリーがアルツハイマー型認知症患者の症状改善に有効であることがわかりました。 脳内のアセチルコリンの加水分解を阻害する作用はウルソール酸が受け持ちます。脳内神経伝達の改善を計ります。 臨床試験では柑橘系の精油のブレンドも使われています。 夜間はラベンダーで心が落ち着いて患者は徘徊することがなくなったともいわれます。 認知症は医薬品で治療できないので、精油の効果に興味がもたれています。 既に全国の介護施設で試されています。精油で嗅覚を刺激することで患者さんの顔が明るくなったといわれています。

認知症という病気に本格的に入る前に、軽度認知障害になりかかっているひとも多いのは事実です。 このようなケースでも、たとえばローズマリー精油はうまくはたらくといいます。 古くはイタリアでは精神科領域で柑橘系の精油が使われていました。 病気にかかった患者は病院で治療を受けるのですが、病気にならないような体質づくりも必要です。 それで健康を守ることが期待される精油を嗅ぐというアロマコロジーが広まっています。 アロマコロジーにより生活の質を豊かにすることで精神的に高揚感が得られてきます。 毎日を楽しく生活することを考えて、認知症に陥る崖から一歩下がり身を守りましょう。



■ローズマリー精油 CAS# 8000-25-7

スペインの高地高原にあるハーブ農場で、ローズマリーの花と地上部から水蒸気蒸留して精油(エッセンシャルオイル)が得られます。 このローズマリー精油にはピネン、カンフェン、リモネン、シネオール、リナロール、テルピネオール、オクタノンなどの多種類の成分が含まれています。 ローズマリーの細かい葉に触れるとウッディノートの香りが移るほどです。 ローズマリーは、古代ギリシャの神殿で燃やされて、中世では悪霊を追い払い、疫病から守るのに使われました。 ウッディ調の森林浴の香りは、頭脳明晰、記憶や思考力にシャキッとした元気を与えてくれます。 ローズマリー精油は、仕事場や勉強部屋などですっきりした雰囲気をつくるのにおすすめです。 疲れているときやボケが心配なときや森林浴の香りを楽しめます。



Chemical Composition of Rosemary ct. cineole
植物 Rosmarinus officinalis ct. cineole の地上部を水蒸気蒸留法で抽出した精油の成分です。
Monoterpenes camphene 4%
Monoterpenes limonene 2-5
Monoterpenes Alpha-pinene 10
Monoterpenols borneol 7
Ketones camphor 3-8
Esters bornyl acetate verbenone 1
Cyclic ethers 1,8-cineole 50

■ローズマリーの植物抽出部位

水蒸気蒸留による Rosmarinus officinalis の抽出部位には、葉、葉と花、地上部全部の精油があります。化学成分が異なってきます。 植物名のほかに抽出部位にも注意して購入しましょう。


■ローズマリーケモタイプ

Rosmarinus officinalis のケモタイプは、1,8-cineole, camphor, bornyl acetate verbenone が知られている。特徴成分の濃度が違う。 上の成分表では、1,8-cineole ケモタイプなので濃度が50%も含まれる。下の例は葉から抽出したものです。 Rosemary Spanish Essential Oil CAS# 8000-25-7 100% Pure の製品の成分表です。


Chemical Composition of Rosemary Spanish Oil | Leaf
Monoterpenes camphene & 1,8-cineole 23.0%
Monoterpenes limonene 5.00
Monoterpenes Alpha,beta-pinene 37.30
Monoterpenols borneol 7.20
Ketones camphor 15.50
Esters bornyl acetate verbenone 0.27
Monoterpene alcohols linalool 2.30
Monoterpenes gamma-Terpinene 2.20
Bicyclic sesquiterpene beta-Caryophyllene 2.10

■1,8-cineole のボールスティック図

ローズマリーなどの 1,8-cineole は複雑な立体構造をなしている。このような構造を植物が作り出したわけを知りたい。 赤いボールで示す酸素が架橋をつくりリジッドに動きは少ない。これ以外は炭化水素だけだ。立体的にかさ高い。毒性が強いといわれるがコアラが好んで食べている。 コアラの肝臓は特殊な機能があるようです。

環状エーテルが基本骨格になっている。エーテル性の酸素原子の非結合電子対は反応性が低い。

1,8-epoxy-p-menthane, 1,3,3-trimethyl-2-oxabicyclo[2.2.2]octane, cineole, eucalyptol, CAS 470-82-6

■camphor のボールスティック図

ローズマリーなどの camphor は複雑な立体構造をなしている。このような構造を植物が作り出したわけを知りたい。 赤いボールで示す酸素はカルボニル酸素といい酸素の非結合電子対の存在は特徴的だ。 これ以外は炭化水素だけだ。立体的にかさ高い。1,8-cineole のエーテル性酸素とは構造的に異なる。

環状カルボニル基が基本骨格になっている。環状ケトンと呼んでもよい。


■ローズマリー抽出物と精油との識別

ローズマリー抽出物の産地は今では中国です。 中国では植物油に希釈して出荷しているということです。また、抽出物を精油のローズマリーに混入して販売することがあります。 抽出物は見分けつくように粉末で流通されています。液体に溶解されている場合もあります。 このように、抽出物と精油は異なる物質なので区別する必要があります。CAS# でも異なる番号が割りふられているのです。