| ■オイゲノール フェニルプロパノイド 芳香属系
チョウジ油の主成分である。口腔内殺菌薬などに用いられるほか、アイスクリームの賦香剤であるバニリン(Vanilin)の製造原料となる。 薬理作用として鎮静作用、鎮痙作用、局所麻酔作用、抗炎症作用などが報告されている。 オイゲノールを含むメトキシフェノールの誘導体は、香料や医薬品のほか、 昆虫の誘引剤、紫外線吸収剤、殺生物剤、消毒薬、さらには合成樹脂やゴムの安定化剤・抗酸化剤の製造に利用される。 |
| ■インドール indole
インドール化合物は高濃度では大便の臭いがするが、 低濃度の場合は花のような香りがあり、オレンジやジャスミンなど多くの精油の成分でもあって、 天然ジャスミン油は約 2.5% のインドールを含むまれる。 インドール構造はいろいろな有機化合物、特に生薬成分のトリプトファンやインドールアルカロイドに含まれる。 インドールアルカロイドはインドール骨格を持ったアルカロイドの総称で、 化学構造は多様で、分布も広く生理活性の強いものが多い。 |
| ■ラクトンは環状エステル
精油にはエステルが多くみられます。どくとくな芳香をかもし出すのはエステルが原因なのです。 ラクトンはジャスミンラクトンが知られている。ジャスミンの特徴成分です。エステルはアルコールの水酸基とカルボキシル基から脱水反応で得られる。 分子内で反応が起きたときにラクトン -O-C=O になる。エステルは一般的には芳香化学成分だ。エステル基は一般的に安定な化合物で反応性は弱い。 化粧品の芳香剤で使われている。 |
| ■アレルギー性接触皮膚炎を引き起こす精油化学成分
化粧品・非食品製品に関するEC科学委員会によると、アレルギー性接触皮膚炎の原因として明らかにされた26の芳香成分について、 精油にみられる14の成分およびスキンケアに使用されるアブソリュート。 化学成分名と皮膚刺激作用のある精油例として、ベンジルアルコール:イランイラン、ジャスミン、 安息香酸ベンジル:イランイラン、シナモン、 桂皮酸シンナミル:ベンゾイン、 サリチル酸ベンジル:イランイラン、 シンナミルアルコール:、 ケイ皮アルデヒド:シナモン、 シトラール:レモングラス、メイチャン、メリッサ、 シトロネロール:シトロネラ、 オイゲノール:シナモン、ツリーバジル、クローブ、 ファネソル:ネロリ、ローズ、 ゲラニオール:パルマローザ、ゼラニウム、 イソオイゲノール:イランイラン、 d-リモネン:シトラス系、パイン、ミントの精油、 リナロール:ローズウッド、カンファー、コリアンダー、ラベンダーなどの例が報告されています。 すべてのひとにこのような皮膚炎症状がでるわけではない。パッチテストを実施して、アレルギーの感受性の高いひとには、 アロマトリートメントは控えるべきです。 |
| ■幾何異性体
炭素・炭素の結合が2重結合のときに幾何異性体構造が発生します。 炭素・炭素結合が1重結合のときは異性体はありません。同じ分子になります。 置換基の結合の仕方でシス(Z)・トランス(E) 異性体が存在します。 官能基が同じサイドにあるのがシス体、逆のサイドのものがトランス体です。 |
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| ■オシメンの幾何異性体
Ocimene オシメンはモノテルペン化合物です。異性体があるので説明に使われます。 アルファー(II)、ベータ (I) の異性体があり、天然には混合物で存在します。 そのベータ異性体にはシス・トランス異性体が存在します。 精油の化学成分には異性体が存在していて、記号で区別しています。異性体は同じ分子式をもちますが物性は異なります。 植物は特異的に異性体を含まない化学成分を含んでいることもあります。 |
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| ■テルピネンの異性体
テルピネンには三つの幾何異性体があります。 下の左右の図で示すように、アルファー、ガンマの異性体がよく見られ、2重結合の位置が異なります。ベータは側鎖に2重結合があります。 自然には見られないので省略しています。 異性体のCAS#は異なります (γ 体は、CAS#: 99-85-4) 。物性値も異なります。生体では異なった物質としてはたらいています。 |
| ■光学異性体 optical isomers
鏡像体といわれ、鏡に映っている構造のことを光学異性体という。炭素には4本の単結合があり異なる置換基をもつと光学異性体になる。 この不斉炭素の構造は四面体構造という。自然界を不思議に面白くしている要因なのです。 合成油を添加すると、自然に存在していない光学異性体が入るので発見されてしまいます。 |
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| ■リモネンの光学異性体の命名
精油の化学成分ぶリモネンの光学異性体が説明に使われている。 リモネンの光学異性体は、(+), (-) 体があります。物性は異なりますが同じ分子式をもっています。 (+), (-) 表記は物質の旋光度の回転の向きで光学異性体を表記しています。 右図はリモネンです。(+), (-) の異性体表記とは別の表記を使うと左側はR体、右側はS体です。 詳細な説明は省きますがキラル炭素に結合している原子の原子番号による区別で簡略的なものですが、便利な異性体命名法です。 これは、★印のキラル炭素に関して、炭素原子などが3つ結合しています。 命名規則があるのですが、キラル原子を中心に右まわり (R)、左まわり (S) で決めます。 この点は参考書を見てください。実験的に旋光度を右回転すると (+)、左回転すると (-) とする。また、d, l 体の命名もある。 真中に鏡を置いたとき重なりを示さないので鏡像体と呼びます。 (+)-リモネンは防虫剤の働きがありオレンジの匂いをもちます。 (-)-リモネンはレモンの匂いがあり、光学異性体は物性が異なって用途も違います。分子式は同じですが異なる物質と考えられています。 化学の初心者には光学異性体はわかりずらいところです。 |
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| ■精油のMSDS
精油は化学物質です。 欧米では精油の安全性のために MSDS (Material Safety Data Sheet) が作成され公開されています。 精油のような化学物質を製造している会社には提供を義務付けています。 精油は長い間人々の生体に吸収されているので、いまさら毒性試験は必要ないのでしょうか。 毒性のある代謝物も生成していないと考えられています。 それで裏目になって精油の化学は発展しなかったのです。 米国の FDA でも安全性の高い精油はリストアップされています。 すでに臨床試験を行っていて安全性は確保されていると考えられています。 ただ、製造途中で不純物や残留溶媒が混入することもあり、作業員のミスで不良品が出荷されることもあります。 しかし、日本では精油が人体に塗布されたり経口摂取されています。雑貨製品が品質管理のないまま流通することは危険です。 アロマテラピストの精油の化学への関心を高める必要があります。 精油の品質確認は差し迫っています。 |