「世界とは、自分の内側につくられたビジョンにすぎないんである」というのが多くの現代科学(と古来哲学)の見解です。
われ思う、ゆえに世界あり。
じゃ、外に見えてる世界はなに?
いや、そこに世界はないようだ。
じゃ、内側ってどこにあるの?
それもまた、どこにもないようだ。
じゃ、内側と外側の境目は?
それこそが、「生きてる」という意味らしい。
「時間も空間も物質もなく、ただ波があるとしようではないか」というのが量子力学の意見です。
波・・・ね、うそくさ。
だけど結局、これですべての説明がつきそうなのですよ、観念的には。
ギリシャの昔から人類が考え抜いてきた哲学、つまり世界の構造と、現象の奥にあるカラクリが、ついにこの現代に至って、矛盾のない科学の形に落ち着きそうなわけです。
例えば、音って空気が振動する波ですよね。
空間と物質というものがあるのなら、というワンステージをつくってからの議論となりますが、ひとまずはここからはじめましょ。
音が聞こえる際になにが起こってるのか、というとこんな具合い。
ある衝撃によって空気の疎密波が発生し、大気の震えの一部がたまたまあなたの耳に届いて鼓膜を揺らし、それがカタツムリみたいな器官で増幅されて、神経末端に伝わります。
その先の神経系で、なぜか波は、唐突に電気信号に変換されます。
これが「音」の正体。
そしてここから先が、あなたの「内側」ってことになりましょうか。
この時点で、あなたの外側で起きた変化のサインが、あなたの感覚によって独特な解釈に投影されるわけです。
こうして、世界は築かれます、あなたの内側に。
そんなあなたの築いた世界というのが、実にここまで説明してきた「空気が震えて」「耳の中の鼓膜が揺れて」「器官で増幅されて」の部分なのですね。
もともとそれらはどこにも存在してなかったのですが、あなたが電気信号を解釈した瞬間に、それらは外界のイメージに還元される形で生じたわけです、あなたの中に。
あなたが現象を解釈することによって、存在が開始されたのですよ、世界が・・・逆説的ですが。
なんだかプラトンさんの「イデア」って考え方を連想しちゃいますね。
人類はせまい洞窟の中で世界の実相の影を見てるに過ぎない、みたいなやつです。
あなたの頭の中は洞窟で、世界の実相とは実は湧き立つ波で、それを感知した脳内に立ち上がるビジョン(つまりあなたの見てる世界)はただの幻影に過ぎないのかも?