
有名大学の講義収録ものによくある、対談形式のにわかづくりものか、初心者向けの寄せ集め概論ものかと思ったら、とんでもなかったよ。
知りたかったことが全部おさまってて、びっくりした。
ここんとこ、「場の量子論」の本ばかりを読み込んでんだけど、テーマを散らかした状態で手に取るんで、一点一点は深く理解できても、全部を総合的につなげて理解できた、って実感がなかった。
逆に、総合的に書かれてるものを手に取ると、各論をざっくりと箇条書きに説明されるんで物足りなかったり。
だけどこの本は、要点を簡潔にまとめながら、全体を完全に一体化させてて、実にわかりやすかった。
シンプルなのに濃密。
噛み砕いてるのに高度。
要するに、クリアなんだ、ごまかしがない。
この手の本って、難しい内容を難解な専門用語で説明したり、理論を極度にモデル化(数学寄りの文体で)したりしてくれるんで、読む側があらかじめある程度の知識を持ってないとわかりづらかった。
易しいものもあるけど、例えば「素粒子は粒子であると同時に波として振る舞う」とか「世界は11次元でできててそこからヒモが生えてる」なんて言われても、キョトンとさせられるばかりだ。
だけど、とにかくそういうふうに考えれば世界の構造が矛盾なく説明できるよ、って机上で抽象化された考え方を示されるわけだ。
素粒子の世界では、通常世界の常識が通用しないんで、絵づらがイメージできないんだな。
そんな「自分的に曖昧だった点」に、この本はきちんと答えてくれてる。
つまり、かしこいひとが頭の悪いひとに向けて、ついに易しい言葉でそれを説明してくれた、ってわけ。
それをできる人物こそが賢人でしょ。
もやもやにとどめを刺してくれた感じだよ。
難解な本を何冊も読んで、わけのわからない「量子」ってオバケの世界をさまよってきたけど、それらの各理論をまとめると、実はこんなにもシンプルなものだったんだ。
なるほど、これだとこの世のすべての現象に説明がつく。
いや、この世の存在ってもの自体に説明が。
本当に蒙を啓かれたような気分だ。
世界の構造がわかっちゃったんだよ、オレ。
なるほど、こいつはものすごい講義だ。
東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園