
「ルーシー・リー展」「オルセー美術館展」「小堀宗慶展」と、三つの美術展をハシゴしました。
そのレビューを。
まず「ルーシー」ですが、なんだか趣味陶芸のおばあちゃんの展覧会を観てる気分でした。
いい意味でも悪い意味でも、このひとは素人さんなのです。
成形も、施釉も、表現も、とてもゆるい。
ろくろ成形時にゆがんだり、焼成時にへたったり、釉薬も融けきってなかったり、掻き落としの線もよろめいてたり・・・だけど、これでいいんだもん、と開き直ってるフシがあります。
日本の職人さんから見たら、苦笑いがこぼれそうな出来です。
中にはハッとするような造形や色彩もありますが、大半は「見事!プロフェッショナルの仕事なり、アッパレ~!」とはとてもいきません。
いや、悪口じゃなくて、それがこのひとの魅力なのです。
観る側にも、ほのぼのとそのことを許容する用意があります。
ただ、作意を見せすぎてたり、自己模倣に落ち入ってコマーシャルにつくられてるものはいただけませんでした。
ルーシーの価値は、最初にそのエレガントなスタイルを社会に提示してみせた、という一点にあります。
当時、だれも見たことがなかったであろうその現代性は、センセーショナルかつエポックメイキングでした。
その後の作品を見ると、スタイルの熟成、あるいは更新に悩んだものと推察しますが、生涯一貫して、このひとは陶芸を心から楽しんだのだと思います。
そここそが、陶芸をかじる誰もが「ひとりのこらず」このひとのことを好き、という信じがたい人気を得てる理由にちがいありません。
「ゆがんでる」「失敗した」・・・そういうところにとらわれない達観。
「どう?面白いでしょ?」的楽観。
その心持ちをうらやましいなー、と感じつつ、ぼくもまたほのぼのと展覧会場をめぐりました。
・・・あるいはまさかとは思うけど、本気で、真剣に、血のにじむような思いで精進し、苦しみ抜いて、その結果としてこのゆるい作品群を残したのだとしたら・・・ちょっと困りますが・・・
東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園