粗忽な上に、粗暴です、うちのよめはん。
わが家のバスルームのドアは、二つ折り式のスライド構造なのだ。
引き戸のようにスライドさせると、ドアがまん中から折りたたまる仕組み。
高いレールを深々とした車輪がサイドからはさんでなめらかに動く「絶対に外れるわけがない」モノレールのような噛み合わせになっている。
これが、よめはんが扱うとしょっちゅう外れる。
折りたたまるドアと壁のすき間にバスタブのフタをはさんだまま、無理やりにこじ開けようとするからなのだが、いったいどんなすさまじい負荷をかけたらこの美しい噛み合わせ構造が脱輪するのか、力学的に理解できない。
直すのが深刻に大変で、ほんっとにメーワクきわまる。
さらにいつだったかは、外の駐輪場から「がんっ、がんっ、ががんが、がんがんががん」ととてつもない大響音が聞こえる。
なななんだ?と思って駆けつけると、よめはんが一生懸命にチャリのスタンドを蹴っている。
「なんでかな?ちっとも上がらないんだよ~」
そして、渾身の力を込めてスタンドを後ろ蹴にし、跳ね上げようとするのだ。
「まてい、そのスタンドにはロックがかかっている」
オレが指摘すると、はたと気づいたよめはん、
「あ、忘れてた」
とすっとぼけたことを言う。
「スタンドって、左に来てるときがロックだっけ?いつから変わったのかな?」
どアホか、昭和初期のチャリスタンドができた当時からその構造は変わっとらんわ(たぶん)。
また、真新しいスーツケースをコロコロコーロコロとスムースに引っぱって海外出張に行ったかと思えば、一週間後、ゴンララゴンゴンガンガラガンガンととてつもない異音をまき散らして帰ってくる。
うっるさいなー、何事か・・・と話を聞けば、
「キャスターのブレーキロックをいっこ解除し忘れて引きずり回してたら、そのタイヤだけすり減っちゃった」
と言う。
スーツケースをひっくり返して見てみると、タイヤがいっこだけ十七夜(たちまち)の月のように欠け(きれいな表現つかうね、オレも)、バーストしている。
こんなになるまでか?おかしい、車輪が動かへん、なんかヘンかも、と思わんか?
まったく、このかしこい女がなぜ「なぜ?」と考えないで、すべての難儀ごとを力ずくでもって解決しようとするのか、オレには理解できないのだった。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園