毎年 旦那の誕生日には
ケーキを焼き
 
そこで 悲惨な失敗をしてきた私
(私は 夕飯のおかず系は 何とか作れるのだが デザート類は 一切作れない)
 
お馴染みの読者さんの中には
 
 
この企画 毎年楽しみです
超受けなんですけど
実は ギャグですか?
 
と言うコメントもあったくらい酷い
 
で その酷さの1番の原因は
 
スポンジが膨らまない事だった
 
 
どうやっても
何時間泡立てても
卵の温度を変えようが
別立てでも
共立てでも
 
絶対に 茶碗蒸し液の様な しゃぶしゃぶの
状態から脱っする事能わずで
 
結果 膨らまないケーキが出来る
 
 
もういっそ
ホットケーキ2枚焼いて
重ねたら?
 
と提案された事も。(それも 一つのアイディア)
 
ところが この積年の問題
 
泡立て器の種類を変えたら
瞬時に解決した。
 
 
まさか 道具のせいで
こんなに結果が違うとは、、
 
と言うわけで
 
最近は
 
普通に不味いスポンジなら焼ける
様になった
 
あとは
カスタードがダマになりやすい
 
とか 難を言えば 切りがないが
 
ガナッシュも
テンパリングよりは遥かに簡単ゆえ
なんとか 形になる。
 
もちろん 日本にありがちな
 
実はプロ級のくせして
 
私 全然下手なの〜
あ、これも失敗
あれも 実はしくじったけど
ま、ご愛嬌で
 
とか言いながら
お店クオリティーを見せる
(私に言わせると)嫌味レベルの謙遜派とは
 
比べ物にならない
 
本物の低レベルながら
 
いちおうは
旦那の好きな
 
 
ボストンクリームパイ
 
が作れて
 
これまで 一応
病人死人も出してない
 
それが 私のケーキ作りレベル。
 
今年は義母が居て。
 
 
義母はかつて
 
ウェディングケーキ作りの
監修を生業にしていた
 
と言う人ゆえ
 
嫌味無しに
 
是非 御教授願いたい
 
と お願いしてみたら
 
喜んで
 
と言う返事だったのだが、、
 
何かがオカシイ気がする(気のせい?)
 
 
まず
 
のんびり派ゆえ
 
作業開始が遅く
 
痺れを切らした 苛ちの私(大阪人の悪い癖)が
 
日頃の予定と
旦那の誕生日から逆算して
 
第一日目に 勝手に
 
カスタードを作って
冷やし固めておき
 
翌日に
 
スポンジを焼き
チョコガナッシュもやる事にしたのだが
 
二日目からは 義母も希望して
 
ケーキ作りに参加してもらう事になった
 
 
が、かなり文化の違いを感じた。(いや 私のケーキ作りの知識が浅すぎるだけで
義母のやり方が プロなら 万国共通なのかもしれないが)
 
 
 
まず
 
ケーキ スポンジの 材料が
 
およそ18センチ型で
日本人の感覚なら 卵3個と 粉、砂糖、バター(30グラム) これくらいなのだが
 
義母が言う これが 一番美味しい
 
と言うレシピは
 
卵6,粉、バター20テーブルスプン分(スティック2本) クリームチーズ一箱、バターミルク、塩
が必要で
 
かなり量が違う
 
残念ながら あちこち走り回って 夕方から 始めたケーキ作りで

その時点で我が家には クリームチーズや バターミルクを常備していなかったので

今回は 私のレシピで 行く事になったのだが
 
初っ端
 
手伝う
 
と言う義母に
 
じゃあ バター30グラム 計って貰えますか?
 
と聞いたら いきなり 問題が生じた。
 
義母曰く
 
それは 固形の30グラムか 液体にした30グラムなのか?
そこを はっきりして貰わんと 困る
 
と言う。
 
 
当然 バターは 冷蔵庫から出した際 固形の事が多いゆえ
 
いや、、固形やと思いますけどね
 
と答えたら
 
いい加減な人ね。困るわ、、
バターは 同じ30グラムでも 液体と固体では 全然量が違うのよ
 
と言う。
 
それって もしかして、、
鉄100グラムと 綿100グラム どっちが重い?
 
と聞かれて 
 
 
と 答える ミス解答(実は どっちも 同じ。なぜなら どっちも100グラムだから
ただ 体積は違う)
 
と似て
 
カン違いしてないか?
 
と思うのだが
 
そう言い張る
 
もちろん 化学として 厳密な事を言えば
液体に溶かしたバターからは 幾分水分が蒸発するゆえ 個体時より 重量が減るのは 事実だろうし
個体と液体では 微妙に体積が違う物質が多い。
が 重さが一緒なら クッキングへの影響はない(と思う)
しかも 水分が抜けると言っても 沸騰するくらい沸かした際は別として
ちょっと 溶かしたくらいでは ほとんど 体積も重さも変わらんだろう
 
しかも 普通のクッキングレシピで
 
バター何グラムと言われたら
 
まず 全てのバターを 一旦液体化してから はかりにかけ 要る分だけ 取って
残りの液化バターをまた 冷蔵庫に戻したりするだろうか?
そんな人は きっと 少数ゆえ
 
大抵のレシピ本は
 
バター 何グラムと言えば 固形を想定しているのではないか
 
以上が 私の勝手な思い込みなのだが
私も 菓子作りのプロではないゆえ
何とも言えぬ。
 
で、まあ とりあえず
この時は
 
ちゃらんぽらんな 私に 従う形で
 
固形で30グラムバターを計って貰う事に、、。
ただし、容器にくっつく分もあるし
義母が言うように、水分蒸発量もあると思い 気持ち オーバー気味の 30グラムにして貰った
 
で、
 
卵と砂糖で生地を作った後
粉を入れ
仕上げに そのバターを入れるゆえ
 
バターは 溶かした状態になっていないと 困るので
 
「溶かしておいて くださいませんか」
 
と頼んだら
 
オッケーと言って
 
これまで バタースティックが 入っていた タッパー容器に
計った30グラムを 入れ(と言う事は 残りのバターは 流し台に放り出したまま)
 
フォークで 納豆をかき混ぜるような作業を始めて
それを延々やっているので
 
私のチンタラスピードでも とうとう卵の生地が出来上がりそうになってきて
 
「えっと、、、もう そろそろ レンジとか コンロで湯煎して溶か(メルト)しても良い頃かと」
 
と言うと
 
「え? (メルト)溶かしバターよね? 溶かしてるわよ」
 
いや 流れる状態にならんと、、」
 
それ あなたの言ってるのは (メルト)溶かしバターじゃなくて (リクィファイド、リキッド) 液体化バターですよ!」
 
 
メルト(溶ける、) 液体(リキッド)の違いが 私の 糞英語のせいで 伝わらんかったらしい)
 
 
ただ ロブスターとかを 食べる際についてくる 黄色に液体化した バターを
 
アメリカでも
 
メルトバターと 呼ぶ事はあっても
リクィファイド バター とは あまり 呼ばん気がするのだが、、
これも 私の英語レベルが 糞だからだろう
30年住んでも 私の英語なんてこの程度なのである
 
 
すいませんでした
じゃあ 改めて メルとじゃなくて レンチンで 液状に
 
 
とお願いし、何とか スポンジは 普通に不味いありきたりのが 出来たのだが
 
ここで
 
義母曰く
 
型から 外すには 最低数時間、理想は1日置け
 
と言う事なのだが
 
私が持ってる本には
 
すぐ 型から出して 敷いてあるパウチメント紙だけは 暫くつけたままにせよ
 
となっている
 
 
どうします?
 
と聞くと
 
断然 置くべき
 
と言うので
 
数時間放置
 
結局
 
義母が ナイフを持ってはがしたら
型に スポンジが 酷くくっついて 円形をとどめない程に欠けた状態で 型から出て来た
 
「あなた 油を周囲に塗ってないでしょう」
 
と言うので
 
「サラダオイル 一通り塗ったんですけどね」
 
と言うと
 
植物油は ダメ。塗っても効果がないの
ラードを塗ると良いのよ
でも 日頃 家にラードは置いてないかもしれないから
そう言う際は ベーコンで 代用するの
ベーコンを 型に 一通り なすりつけると 良いのよ」
 
と教わった
 
初耳である。目から鱗。
 
 
 
悲惨に欠けた状態の スポンジ台
粗熱が取れた所で 
 
こちとら 素人は 
 
半分にスライスして 
乾燥防止に
 
砂糖とリキュールやジャムを溶いた液体を さっと 刷毛で塗るのが 良いと思っていたのだが
 
義母によると
 
「そんな事をしたら
後で 塗る チョコフロストに 微妙にシロップの味が 加わって 不味くなる。
しかも シロップがべたついたら チョコが塗布できないよ」
 
と言うので
 
じゃあ 何も塗りません
 
と言うたものの、、
そんなに 繊細な味付けの物に
 
今さっき ケーキ型の内側に ベーコン塗れと 言ったのは
あれは チョコの味に影響せんのか
 
と ちと不思議だったが
 
アメリカ人は ベーコン好きが多くて
現に たまに ドーナッツにもベーコンが 乗って居たりするゆえ そこは 気にならないのだろう
 
いろいろ 学ぶ事が多い
私は 知らない事が 一杯だ
 
 
ここで 義母が
 
今日は 思い切り働いたし
スポンジも 蒸気が出るから チョコ塗布は 明日にします
 
冷蔵庫に そのまま スポンジを入れておく
 
と言うので
 
乾燥するし 冷蔵庫の臭いも吸いかねないので
 
円形の皿と ドーム型の蓋がセットになった ケーキ専用の容器を用意したら
 
温室効果で ドーム内に熱がこもって ケーキがダメになるから
そのまま 放置が良いという
 
いやいや それで 一日置いたら シロップも塗ってないし 乾燥して
軽石になるで
 
と思ったが 何も言わずそのままにした。
が 寝る前 冷蔵庫を開けたら すでに パサパサだったので
内緒で そっと ラップだけ かけておいた
 
翌日
 
その 干からびた スポンジを
 
半分にスライスする事になったのだが
 
 
義母曰く
 
プロは両人指し指に サランラップを巻いた後 その上からデンタルフロスを巻きつけて
指の爪を 流し台から 浮かす事なく 並行移動して ケーキを切る
 
と言うので
 

ミント味ですが

 

と 家にある デンタルフロスを 渡したが

 

これ 乾燥してボロボロだから 通常のパターンでは 切れないわ

崩れてしまう

 

予定を変えましょう、、、

 

そうだ ちょうど ここに スポンジの厚さの 半分の高さに匹敵するケーキ台の皿があるから

これを ケーキの周囲に絶えず 回転させながら置いて

この高さを見ながら ナイフをあてて ぐるりと カットしたら

 

均一に 綺麗に スライスできるわ

 

見てなさいよ

 

と言うので 見ていたが

 

 

其の前に まずは

 

乾燥して ボロボロになった ケーキ表面の屑を

指で 綺麗に落とします

でないと 後でチョコ塗る際に 汚くなるから 表面綺麗にするわよ

 

 

 

 

ケーキ全体を素手で 触り回って

屑を落としては その指を舐め

舐めて綺麗になった指をまた ケーキの回りに走らせて 表面をスムーズにしていた

 

舐めるように 綺麗にする

 

と言うが 文字通りである、、

 

しかも

まだ 風邪が治ってないゆえ

途中何度も 鼻を噛んで その紙を リサイクルの プラスチックゴミの 所に捨てていたが

まあ 他人の家ゆえ 良く解ってないのだろう

 

が せっかく 文字通り 舐めるように綺麗にした ケーキなのに

 

乾燥し過ぎたのか

ナイフを 皿の高さに固定して せっせとカットしたのに

 

 
 
 
 
 
 
 
最終的には こんな事になっていた
 
 
 
 
もしかしたら まだ 私がやった方が マシとちゃうか
 
と言う気もしたが それは プロに失礼であろう
 
とにかく ここで
 
昨日作った カスタードを 乗せて
 
真ん中あたりに 集中してクリームを置いて
上から 押したら 端にもクリームが行くと 想定して
端っこは あまり塗らなかったのだが
 
それはアカンと もっと 端まで きっちりたっぷり塗れと言うので
そうやったら
 
その結果 こんな事になって
 
それを義母が押したら
 
ケーキの上半分が ずれて落ちそうに、、
 
 
 
 
 
ピサの斜塔みたいになっとるがな
 
 
と懸念していたら
 
 
プロのコツ
 
と言って
 
爪楊枝を貸せ
 
と言うから 渡したら
 
ケーキのあちこちに 爪楊枝を ぶすぶす刺して 抑えつける
と言う 荒業に出た
 
これも 初めて見た技法である
 
 
 

 

 

 

 

 

 

 

何と言うか、、

アメリカのケーキ作りも 奥が深い

 

 

次は ガナッシュと言う事で

 

生クリームを 沸騰させますね

 

と言う私に

 

 

それ 賞味期限が近いわけ?

 

と聞く義母

 

いいえ まっさら未開封で 2月末まで オッケーですよ

 

と言うと

 

じゃあ なぜ 煮沸する必要があるの?

 

と言う。

 

でも チョコを溶かすには

クリームは レンチンか 鍋で沸かすしかないと思うのだが

 

 

本によると

 

沸騰させた(焦げたり 泡立つのは NG)生クリームを

同量のチョコ(固形)に 注いで

或る程度自然に溶けたのを 見届けてから

 

しっかり混ぜて 分離を防ぐと

白の不細工な塊りが浮いたり

艶が出ない

と言う事が少ない

 

となっている(以上 日本の文献より)

 

 

義母は

 

それは違う

 

と言うので

 

じゃあ そちらのやり方で 

 

 

と言ったら

 

しばらく固まって悩んでいたが

 

まあ 今日は 貴女のやり方で良いわ

 

と言うので

 

私が ギリギリ許せる範囲の下手なチョコガナッシュを作って

 

義母に渡して

 

そこからは 義母に 塗って貰ったのだが

 

 

アメリカでは

 

ボストンパイ

 

チョコを側面には塗らず

上から カスタードと一緒に 垂らすそうで

 

先に中に サンドイッチ的に カスタードを 挟みこんで

外一面に チョコを塗るのは 邪道だそうな

 

と言っても

やってもーた 後なので

 

じゃあ

上からも チョコとカスタード ダラーと垂らします?

 

と言うと

 

今回はチョコだけにする

 

と言う事だった

 

 

で お任せしたのだが

 

実は 私が 生クリームを沸かしている間も

 

盛んに ケーキから 漏れた カスタードを 指ですくっては 舐め

鼻をかんで、また 指ですくっては 舐めるを繰り返して

ケーキを 整えていた

(だから クリームが垂れまくりのケーキ 最初よりは 綺麗になっていた)

 

 いざ チョコ塗り作業開始したのだが

 

私の思い込みだと

 

センターのトップから 塗って

台を回しながら 外に向かって 拡げるのかと ばかり思っていたが

 

側面から スタート

 

 

で しばらく せっせと 塗っていたが

 

穴だらけで

 

そこは 私が そっと埋めたりしたが

 

 

 

義母曰く

 

今日は一旦ここで 中断して

冷蔵庫で チョコを一旦固めてから

改めて 明日

チョコの穴を 埋めましょう

 

 

 

と言う事だった

 

ガナッシュも 一回作ったのを 暖め直すと

艶がなく ボソボソになる事があるので

 

私みたいな 素人は 一回で 塗り終えるのが 楽で 誤魔化しが効くのだが

プロは 違うらしい

 

で 現在

ラップも蓋もなしで 月面みたいな ケーキが 冷蔵庫に鎮座している

ガナッシュの残りも その隣で ボールに入ったまま 睨みを聞かせている(場所取って困る)

 

 

ちなみに

 

爪楊枝は いつ抜くんですか?

 

と聞いてみたが

 

未だだ

 

と言う事だった

 

 

それと

ずっと 気になっているのだが

 

ケーキを回転する飾り台に直に載せているので

 

これを いざ ケーキ保存容器に 移す際

 

どうやるか?

 

チョコを塗ると 側面を触りにくいゆえ

 

予め

 

紙かラップを敷いておいて

 

最後は それごと 台から 持ち上げて 皿に移すかな

 

と思っていたが

 

「それやったら 紙やラップのせいで ケーキが 台から滑って

チョコ塗ってる際に ケーキが 飛んでいってしまうわよ」

 

と言う事だったので

 

直に台乗ってるわけだが

 

チョコがかなりこぼれているので

これが 台と癒着して 固まったり

スポンジが 湿ってくっつくと 結構剥がすの大変じゃないかと

 

素人は 今から ビビっている

 

 

 

もっとも恐れているのは

ここだけの 話

 

あれだけ

 

素手で 触り倒して

指で舐め回して 鼻水ズルズルで

数日かけて ちょっとずつ 作ったケーキ、、

乳製品も大量に使ってるし

 

明日あたりから ちょうど 菌がええ具合に繁殖して 当たり頃るのではないかと思う

 

旦那に こそっと 警告がてら それとなく 話したら(旦那は 我々が ケーキ作ってるのをすでに知っている)

 

「俺は あのおふくろの元で 育った人間で

これまで 病気にもなってないし 死んでないから 大丈夫やと思うで」

 

と言う事だった

 

誕生日を迎える当人が 気にしてないなら こちら 何も言う事はない

 

でも こっそり 白状すると

 

自分は 姑息でケツの穴も小さいゆえ 仮病を使って 食うのを止そうかと思っていた(爆)

そういう 自分を恥じようと思う。