- この本をパラパラめくっていて、ふと目にとまったのは 「草木染めで緑色に染めるのは難しい?!」
という、意外な一文でした。
草木は様々な緑に満ちているのに、いざ染めようとすると、伝統的に「これぞ緑色!」という発色をする
草や木は「ない」とされ、技法もなかったらしい・・・
- 続 草木染 染料植物図鑑/美術出版社
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じゃあ、染物屋さんたちはどうしていたかというと・・・
たとえば、まず黄色に染めて、それから青色の染液で重ねて染める、というような技法が一般的だった
らしい。
そうした中、この著者は、「偶然」、メハジキという野草を使って染めてみたときに、緑色を染めるヒント
を得た、と書いている。 化学染料で緑色の調合が確立し、自然の色の難しさが忘れ去られかけている
この時代にも、古来の草木染めの技法に新たな創意工夫を加え、技術を発展させていく継承者が居る
ことに、ちょっと感動を覚えた。
☆ ☆ ☆
本書の中には、さまざまな植物の解説と染色見本が掲載されている。
いわゆる染色図鑑としての体裁で、第一巻の続編にあたる新たな植物を収録する形をとっているが、
その中に、上述したような新たな試みについても盛り込まれている。
私が本書を手にしたきっかけは、丹波の里山に増えつつある香木、クロモジ を染料として用いる例が
掲載されていたことだった。 おなじひとつの植物を、香茶として喫したり、早春の花を愛でたり、お香と
して焚いたり、爪楊枝のような材料にしたり、はたまた染料にしたり、・・・と、多彩に活用できることが、
里山文化 なのであろうと思う。
そして、今も、新たな活用方法を探索する人たちがいてこそ、里山文化が生き生きする のだ、
とも感じる。