著作権がなくなった古い映画のDVDは500円とか1000円という破格の値段で売っています。北鎌倉を舞台にした小津安二郎の有名な作品「麦秋」を買い、早速観てみました。
適齢期をやや過ぎた原節子の 結婚話を中心にした家族の物語です。モノクロでテンポはスローです。すでにこの映画についてはいろいろなところで紹介されていますので、ストーリーは省略しますが、いくつか驚いたことがあります。
この家族及び登場する人たちの豊かさです。映画は1951年に作られています。敗戦からまだ6年しか経っていないのに、こんなに物質的にも文化的にも豊かに暮らしていた人たちが本当にいたんですか、やや疑問です。笠知衆の二人の子供だけがあの時代の雰囲気を一番伝えているようにも思いました。腕白で着ているものも庶民的で、自分の過去を想像してしまいます。
医者である兄の笠知衆と妹の原節子の職場はなぜかともに丸の内で、銀座も頻繁に出てきます。終戦後の焼け跡闇市の時代に、北鎌倉に住んで丸の内に通勤すというハイソなスタイルがすでにあったのでしょうか。今では鎌倉と東京は1時間ほどですが、当時は1時間半とか2時間ぐらいかかったのではないでしょうか。
淡々とした中にも味わいのあるいい映画でした。スリルと感動と興奮がいっぱい詰まったアメリカ映画と比べると、全然違うテイストの映画です。それにしても、現代の基準からすると伝説の美人原節子はそれ程ではないと思います。失礼しました。