本屋で見つけて早速買いました。帰りの電車の中で半分程読み、寝る前にほぼ読み終えました。松本清張関連の本はたくさん出ていますが、結構読んでいます。生誕100年とありますが、清張の書いたものは時代が変わっても中身は色あせません。昭和の大作家です。


大家になって晩年は鎌倉で優雅に暮らそう


自身も推理作家である阿刀田高氏が、敬愛する清張の創作の舞台裏を推理した本です。清張は苦労人でコンプレックスが強く、物事を上からでなく下のほうからいつも見ていました。そこが清張の魅力です。


清張は小倉にある朝日新聞の広告部に嘱託社員として勤務していました。忘年会の時に一流大出の上司が文学談義を始め末席の清張がそれに口を挟んだが無視され悔しい思いをしたというたという話を昔読んだことがあります。進歩的文化人の総本山的な会社であった当時の朝日新聞でも正社員と嘱託社員との差別は歴然としていて、嘱託社員には市民権がなかったも同然のようでした。


戦後間もない頃の朝日新聞の役員や敏腕記者で今でも世間に名前が記憶されている人はほとんどいません。ところが嘱託社員として広告部で版下の図案を描いていた松本清張に関する本が、生誕100年記念として朝日新聞社から出版されているんです。不思議なものです。