『彩色絵はがき・古地図から眺める 東京今昔散歩」原島広至著、中経の文庫、690円。


この本によると、東京の景観を変える大きな出来事が歴史上5つ あった。江戸幕府開闢、明治維新、関東大震災、東京大空襲、東京オリンピックである。丸の内、東京、湾岸エリアに限って言えば最近の都心バブル期を6つ目として挙げたくなるがそれはさておき、隅田川下流に架かる橋のほとんどは、関東大震災直後に架けられ、空襲を生き延びて今日に至っているという。


今日我々が目にする言問橋、駒形橋、蔵前橋、吾妻橋、白鬚橋などは1920年代の末期から1930年の始めに作られた鉄の橋で、架橋から約80年が経過しているが、いまなお現役でがんばっている。きちんと作ってメンテナンスしていけばそのくらい持つのだろう。


それに比べると、日本の住宅の寿命は木造で約30年、歴史の浅いRCのマンションで50年ぐらいとずいぶん短命である。地震が多いというような特殊事情もあるが、どうも国策として次々に新しい住宅を作らせて、それを人々に買わせようとしてきた政策サイドの思惑があるように思う。


30年のローンが終わりやっと自分のものになった戸建住宅は、老朽化が進み転売しようとしても建物の担保価値はゼロで、建て直すためには再びローンを組み直さなければならない。なんとも悲しい現実である。


木造家屋でも100年くらい持つように建てられるし、メンテナンスして長く住むことも可能なはずだ。これからは低成長が当たり前という時代だろうから、住宅を売る方も買う方も新築偏重は考え直したほうがいいように思う。