今回の米国発の金融危機の直接的な原因は、サブプライムローンと呼ばれる低所得者層向けに売られた不動産ローンの破綻です。なぜサブプライムローンが破綻したかというと、貸す方も借りる方も住宅価格は今後も上がっていくと想定していたのに、逆に下がってしまったことにあります。価格上昇が続いているときはそれによって生まれる含み益がすべての問題を解決してくれたのですが、06年の夏頃から歯車は逆まわりをはじめ、価格の下落とともに不良債権は増え続けています。
ですから政府の政策も重要ですが、肝心の米国不動産価格が下げ止まることがより重要です。「S&Pケース・シラー住宅価格指数」というデータを見るとこの20年間で米国主要都市の不動産価格がどう変化してきたかが良くわかります。このデータでは2000年の価格を100としてそれ以降や以前の毎月の価格を都市毎に指数化しています。
米国住宅価格は1990年から2000年までの10年間は平均で約20%という緩やかな上昇でした。ところが2000年から2006年夏までの6年半にとんでもない上昇が起こりました。マイアミ、ロスアンジェルスでは約2.8倍、ワシントン、サンディエゴは2.5倍、タンパ、ラスベガス、フェニックス、サンフランシスコ、ニューヨークも2倍を超えています。まさにバブルそのものです。上昇率の最も低かったダラスやクリーブランドでも約20%の上昇です。
2006年夏に20都市の平均指数は206でピークを付け、2008年8月時点では160ぐらいまで下げてきています。かなりいい水準まで下がってきているようにも思います。しかし120とか130ぐらいが妥当な水準ならもう一段の下落がありそうです。今後の米国住宅価格の動向は注目しておく必要があるでしょう。「S&Pケース・シラー住宅価格指数」は検索で「S&P Case-Shiller Home Price Indices」と検索すれば出てきます。