6. 報酬に関する基準
• 所要時間による区分: 報酬は通所介護計画に位置付けられた時間で算定します。気象状況の悪化等で短縮された場合でも計画上の単位数を算定して差し支えありませんが、大幅に短縮した場合は計画変更が必要です。送迎時間はサービス提供時間に含まれませんが、居宅内介助等に要する時間は1日30分以内を限度として含めることができます。
◦ 急な気象状況の悪化には、豪雨、雷、竜巻、ひょうなども含まれます。
◦ サービス提供中に医療保険で診療を受けることはできません。その間サービスは中断され、以降のサービスは算定できません。
◦ 特定の保険外サービス(理美容、健康診断、外出同行支援、物販、買い物代行など)を提供する場合は、通所介護を中断し、保険外サービス提供時間を除外して算定することが可能です。
• 事業所規模による区分: 前年度(4月~3月)の1月当たり平均利用延人員数に基づいて区分されます。750人以内が通常規模型、750人超~900人以内が大規模型(I)、900人超が大規模型(II)です。ただし、地域密着型通所介護事業所(利用定員18人以下)は実績によらず地域密着型通所介護費に区分されます。
• 定員超過利用・人員基準欠如による減算: いずれも原則として所定単位数の100分の70に減算されます。
• 高齢者虐待防止措置未実施減算: 虐待防止委員会、指針整備、定期的な研修、担当者配置のいずれかの措置を講じていない場合、所定単位数の100分の1を減算。事実が生じた月の翌月から改善が認められる月までの期間に適用されます。
• 業務継続計画未策定減算: 業務継続計画が未策定である、または計画に従った必要な措置を講じていない場合、所定単位数の100分の1を減算。基準を満たさない事実が生じた月の翌月(月の初日の場合は当該月)から解消される月まで適用されます。
• 2時間以上3時間未満の通所介護: 心身状況等で長時間利用が困難な利用者に対し、所要時間4時間以上5時間未満の所定単位数の100分の70を算定します。
• 延長加算: 8時間以上9時間未満の通所介護の前後に連続して日常生活上の世話を行う場合に、9時間以上の部分について5時間を限度として算定されます。
• 生活相談員配置等加算: 地域に貢献する活動を行っている場合などに13単位/日加算されます。
• 中山間地域等加算(5%加算): 運営規程で定める通常の事業実施地域を越えて、中山間地域等に居住する利用者にサービスを提供した場合に加算されます。
• 入浴介助加算:
◦ 入浴介助加算(I) (40単位/日): 適切な人員・設備による入浴介助が行われ、入浴介助に関する研修等が行われている場合に算定。利用者の自立支援のための見守り的援助も対象です。
▪ 入浴介助に関する研修には、脱衣、洗髪、洗体、移乗、着衣など入浴に係る一連の動作に必要な介助技術や転倒・入浴事故防止のためのリスク管理・安全管理などが想定されます。
◦ 入浴介助加算(II) (55単位/日): (I)の基準に加え、医師等が利用者の居宅を訪問し浴室の動作・環境を評価し、浴室環境整備に係る助言を行い、多職種連携で個別の入浴計画を作成し、個浴または居宅環境に近い環境で入浴介助を行う場合に算定されます。
▪ 情報通信機器を活用した訪問は、医師等の指示の下、介護職員が動画・写真等で状況を把握し、医師等が評価・助言する方法でも要件を満たします。
▪ 「居宅」には利用者の自宅(高齢者住宅含む)や親族の自宅が想定されます。入浴設備がない等のやむを得ない事情がある場合は、通所介護事業所での入浴自立を当面の目標として算定することも可能です。
▪ 「住宅改修に関する専門的知識及び経験を有する者」としては、福祉・住環境コーディネーター2級以上の者等が想定されます。
• 中重度者ケア体制加算 (45単位/日): 要介護3~5の利用者が30%以上を占め、かつ看護職員または介護職員を常勤換算で2名以上追加配置し、指定通所介護を行う時間帯を通じて専ら提供にあたる看護職員を1名以上配置している場合に、利用者全員に算定可能です。管理者が専ら提供にあたる看護職員を兼務することはできません。
• 生活機能向上連携加算: 外部の理学療法士等の助言に基づき、機能訓練指導員等が連携して利用者の評価や個別機能訓練計画作成を行う場合に算定。(I)は100単位/月(3ヶ月に1回限度)、(II)は200単位/月(個別機能訓練加算算定時は100単位/月)。(II)は理学療法士等が事業所を訪問して共同で評価・計画作成を行う必要があります。
◦ 個別機能訓練加算 (I) イおよびロの機能訓練指導員は、事業所への配置が必要であり、外部連携では認められません。
• 個別機能訓練加算: 専ら機能訓練を実施する理学療法士等を配置し、個別機能訓練計画に基づき機能訓練を行った場合に算定。(I)イは56単位/日、(I)ロは76単位/日、(II)は20単位/月。(I)イは専ら従事する理学療法士等1名以上配置、(I)ロはさらに1名以上追加配置が必要です。(II)はLIFEへの情報提出と活用が要件です。
◦ (I)イおよびロの機能訓練指導員には具体的な配置時間の定めはありませんが、計画策定、訓練実施、効果評価に必要な時間を踏まえて配置する必要があります。
◦ (I)ロでは、合計で同時に2名以上の理学療法士等を配置している時間帯に実施した利用者のみ算定可能です。配置人数が1名のみの日には(I)イを算定できますが、事前に利用者への説明が必要です。
◦ 通所介護事業所に配置が義務付けられている機能訓練指導員が「専ら機能訓練指導員の職務に従事する理学療法士等」である場合、個別機能訓練加算(I)の要件を満たすものとして差し支えありません。
• ADL維持等加算 (30単位/月 または 60単位/月): 評価対象者10人以上で、ADL値の評価・提出を行い、ADL利得の平均値が一定基準((I)は1以上、(II)は3以上)を満たす場合に算定されます。ADL評価はBarthel Indexを使用します。
◦ 令和5年4月以降が評価対象期間の始期となっている場合、ADL利得3以上でADL維持等加算(II)を算定できます。
• 認知症加算 (60単位/日): 日常生活自立度ランクIII、IV、Mの認知症利用者に対し、看護職員または介護職員を常勤換算で2名以上追加配置し、専ら提供にあたる認知症介護研修修了者を1名以上配置し、認知症ケアに関する会議を定期的に開催している場合に、当該利用者に対し算定されます。
◦ 「認知症介護の指導に係る専門的な研修」には、日本看護協会の認定看護師教育課程「認知症看護」などが該当します。
◦ 認知症高齢者の日常生活自立度は、医師の判定結果や主治医意見書、または認定調査票の記載を用いて確認します。
◦ 研修修了者の配置は常勤要件はありませんが、事業所内での業務実施が必要であり、加算対象事業所の職員である必要があります。
◦ 認知症介護指導者養成研修修了者は、認知症介護実践リーダー研修が未受講であっても、当該研修を修了したものとみなされます。
◦ 認知症ケアの技術的指導に係る会議は、他の会議と同時期に開催され、検討内容の一つが認知症ケアの技術的指導に関する事項であり、全ての従業者が参加した場合、両会議を開催したものとみなすことができます。
• 若年性認知症利用者受入加算 (60単位/日): 40歳以上65歳未満の若年性認知症利用者に対し、個別に担当者を定めてサービス提供を行う場合に算定されます。認知症加算とは重複算定できません。
• 栄養アセスメント加算 (50単位/月): 管理栄養士が多職種と共同して栄養アセスメントを行い、結果説明・相談対応を行う場合に算定されます。LIFEへの情報提出と活用が要件です。栄養改善加算を算定している間は原則算定できません。
• 栄養改善加算 (200単位/回): 低栄養状態またはそのおそれのある利用者に対し、個別的に栄養改善サービス(栄養食事相談等)を行った場合に、3ヶ月以内の期間で1ヶ月に2回を限度として算定されます。管理栄養士の配置と栄養ケア計画の作成・評価が必要です。
◦ 算定対象利用者は、BMI18.5未満、6ヶ月で3%以上の体重減少、血清アルブミン値3.5g/dl以下、食事摂取量不良(75%以下)、その他低栄養状態にある者などです。
• 口腔・栄養スクリーニング加算 (I: 20単位/回, II: 5単位/回): 利用開始時および6ヶ月ごとに口腔の健康状態と栄養状態のスクリーニングを行い、介護支援専門員に情報提供した場合に算定されます。原則一体的に実施しますが、(II)は一方のみでも可能です。LIFEへの情報提出と活用が要件です。
• 口腔機能向上加算 (I: 150単位/回, II: 160単位/回): 口腔機能が低下しているまたはそのおそれのある利用者に対し、個別的に口腔機能向上サービス(口腔清掃指導、摂食・嚥下機能訓練等)を行った場合に、3ヶ月以内の期間で1ヶ月に2回を限度として算定されます。言語聴覚士、歯科衛生士または看護職員の配置と口腔機能改善管理指導計画の作成・評価が必要です。(II)はLIFEへの情報提出と活用が要件です。
◦ 「摂食・嚥下機能に関する訓練の指導若しくは実施」を行っていない場合は算定できません。
• 科学的介護推進体制加算 (40単位/月): 利用者ごとのADL値、栄養状態、口腔機能、認知症の状況等の基本的な情報を厚生労働省(LIFE)に提出し、その情報を活用して通所介護計画を見直すなど、サービスの質の向上を図るPDCAサイクルを推進している場合に算定されます。
◦ 原則として利用者全員のデータ提出が求められますが、月末にサービス利用を開始した利用者など、やむを得ない事情で提出が困難な場合は、当該利用者を除いて他の利用者のデータ提出があれば算定可能です。
◦ やむを得ない事情には、利用者の緊急入院、全身状態の悪化で体重測定ができない、システムトラブル、介護ソフトのバージョンアップが間に合わないなどが含まれます。
◦ データ提出頻度は、令和6年4月または6月以降、少なくとも3ヶ月に1回が必要です。
• 同一建物減算 (▲94単位/日): 事業所と同一建物に居住する利用者、または同一建物から通う利用者にサービスを提供した場合に適用されます。ただし、傷病等のやむを得ない事情で送迎が必要と認められる場合は例外的に減算を行いません。
• 送迎減算 (▲47単位/片道): 事業所の従業者が送迎を実施していない場合に適用されます。利用者の居宅以外(親族の家等)への送迎も、居住実態があり、運営上支障がなく、利用者・家族の同意がある場合は送迎減算を適用しないことが可能です。
◦ 送迎業務を第三者に委託した場合や、複数の事業所で共同委託し利用者同士を同乗させた場合でも、適切な取り決め(費用負担、責任の所在等)があれば送迎減算は適用されません。
• サービス提供体制強化加算: 介護福祉士の割合や勤続年数の長い介護職員の割合に応じて、(I)22単位/回、(II)18単位/回、(III)6単位/回が算定されます。
7. 療養通所介護に関する基準
難病、認知症、脳血管疾患後遺症等の重度要介護者やがん末期患者で常時看護師による観察が必要な者を対象とした地域密着型通所介護です。
• 人員: 看護職員または介護職員は利用者1.5人に対し1人以上(提供時間を通じて専従)、うち1人以上は常勤看護師で専従。管理者は事業所ごとに専ら職務に従事する常勤者で、訪問看護経験のある看護師である必要があります。
• 設備: 利用定員18人以下。専用部屋は利用者1人につき6.4㎡以上で、明確に区分され完全に遮蔽されていること。
• 運営: 緊急時対応医療機関の事前選定(事業所に近接)、安全・サービス提供管理委員会の設置(概ね6ヶ月に1回以上)、運営推進会議の開催(概ね12ヶ月に1回以上)が義務付けられています。
• 報酬: 療養通所介護費は12,785単位/月、短期利用療養通所介護費は1,335単位/日。
• 減算: 入浴介助を行わない場合(事業所の都合や利用者の事情で実施しなかった場合)は100分の95に減算。サービス提供回数が月5回未満の場合は100分の70に減算。