今回は、デイサービスにおける送迎業務の基本についてご紹介します。利用者の皆様が安心してデイサービスに通えるよう、送迎の役割や具体的なルール、準備物まで詳しく見ていきましょう。
送迎業務とは?
送迎業務とは、利用者をご自宅からデイサービス事業所まで送迎する仕事です。交通手段がない方や体に不自由がある方でも、安全にかつ負担なく通えるように、一般的に車で行われます
送迎の範囲とルール
送迎の基本は「ドア・ツー・ドア」です。これは、利用者のご自宅の玄関から事業所の玄関までを指しますが、単に玄関までこだわるのではなく、利用者が安全な状態と認められるまで解除を行うことが重要です。例えば、転倒リスクが高い利用者の場合は、ベッドに座るところまで介助することもあります
【自宅外への送迎について】 原則として、送迎先は利用者のご自宅から事業所への往復のみです。しかし、以下のような場合は自宅外への送迎も可能です
送迎先が日常生活の拠点となっている場合(例:老人ホームに入居している)
送迎先が家族等の家である場合(例:娘さんの家に住んでいる)
【注意点】 利用者に「スーパーに送ってほしい」「病院に送ってほしい」と頼まれることがありますが、送迎は制度上、自宅とデイサービスの往復のみと定められているため、これらの依頼は対応できません。もし何度も繰り返し依頼される場合は、管理者へ報告し、管理者から説明してもらうようにしましょう
送迎の距離と時間
送迎の範囲は、各事業所が定めている「通常の事業の実施地域」内で行われます。利用者の負担を考慮し、片道30分程度が一般的とされています。ただし、地域によってはデイサービスが一つしかないなどの理由で、長時間の送迎になるケースもあります
【送迎時間とサービス提供時間】 送迎時間は、通所介護のサービス提供時間には含まれません
お迎えの場合:サービス開始時間までに事業所に到着している必要があります
お見送りの場合:サービス終了時間以降の出発になります
例えば、サービス提供時間が9時半から15時35分の場合、お迎えは9時半までに到着、お見送りは15時35分以降の出発となります。サービス提供時間内に早めに出発することはできません。これは個人の問題というより、デイサービスの運営上の問題が大きいため、出発時間には決まりがあることを理解しておきましょう
送迎に必要な資格
デイサービスの送迎には、介護系の資格は不要です。デイサービスの送迎は「自家用送迎」として認められているため、必要な資格は「普通自動者第1種免許」のみです。車の免許を持っている方であれば、誰でも送迎業務を行うことができます。ただし、事業所の規模が大きく、バスを運転する場合は、中型や大型の自動車運転免許が必要になります
送迎車のタイプ
介護業界は就業者の8割が女性であり、男性介護士は増加傾向にあるもののまだ少ないのが現状です。そのため、女性が運転しやすい軽自動車を採用する事業所が増えています
送迎車のタイプとしては、軽自動車、普通車ともに「車椅子が乗車できるタイプ」と「できないタイプ」があります。ハイエースのようなワンボックスカーは、車椅子が乗車できるタイプが多いです。定員の多い事業所ほど送迎する利用者も増えるため、普通車やワンボックスカーの台数が増える傾向にあります
送迎車に常備しておくべき物品
送迎車には、万が一の事態に備えて以下の物品を常備しておくと安心です
ティッシュ
マスク(利用者が忘れた際に渡せるように)
傘や雨合羽(いつ雨が降るか分からないため)
タオル
踏み台(車の乗降時に使用)
緊急時対応マニュアル(交通事故事故発生時の対応方法や119番通報の流れなどをフローチャートで分かりやすく表記したもの)
ポリ
手袋
特にティッシュ、マスク、傘は使用後に補充や元の場所に戻されていないことが多いので、誰がいつ確認するのか担当を決めておくと良いでしょう。緊急時対応マニュアルは、車内だけでなく事業所にも同じものを置いておくことで、電話連絡が来た際にもスムーズな対応が可能です
送迎時に必ず持ち込むべき物品
個人情報保護や緊急時の対応のため、以下の物品は送迎のたびに必ず持ち込み、車内に置きっぱなしにしないようにしましょう
運転免許証(忘れがちなので、カードホルダー付きのスマホケースや小さな鞄に入れておくと良いでしょう)
携帯電話
メモ帳とペン(家族やヘルパーからの伝言がある場合に、記憶に頼らず正確に記録するため)
送迎ルート
連絡先リスト
体温計
まとめ
デイサービスの送迎業務は、利用者の日常生活を支える重要な役割を担っています。安全運転はもちろんのこと、定められたルールを守り、適切な準備を行うことで、利用者の方々が安心してデイサービスを利用できるようになります。今回の情報が、日々の送迎業務の一助となれば幸いです。