1. 出発前の確認事項:プロの送迎はここから始まる!
利用者のご自宅に到着したら、まず丁寧な確認から始めましょう。
• 利用者の健康状態の把握
◦ 体調の変化がないか、転倒していないか、歩行に異常がないかなど、動きや様子を細かく確認します。
◦ 体温測定が必要な場合は実施し、例えば37.5℃以上は利用を控えるなど、施設の基準に従います。
• 忘れ物・施錠の確認
◦ 朝の薬、メガネ、上着などの忘れ物がないか、声かけで確認します。
◦ 特に独居の方の場合、家電や電気の消し忘れ、家の鍵をかけたかどうかも確認しましょう。
◦ 利用者が車に乗った後に「鍵かけたかな?」「電気消したかな?」と不安になることは多々あります。確認していれば、自信を持って答えられ、利用者の不安解消にも繋がります。
2. 準備が遅れる利用者への対応
利用者の準備に時間がかかると、送迎スタッフも焦ってしまう原因になります。
• 焦りを防ぐ工夫
◦ 乗車人数を少なくして、時間にゆとりを持つことは有効です。
◦ その利用者の送迎の順番を最後にすることで、遅く迎えに行く方法も良いでしょう。
◦ 出発前に電話で「これから出発します」と伝え、準備を促すことも解決策になります。
◦ それでも難しい場合は、ヘルパーに入ってもらうことも検討が必要です。
3. 細やかな情報共有と家族とのコミュニケーション
送迎スタッフは日頃から家族と交流があるため、利用者の微妙な変化に気づきやすい立場にあります。
• 申し送りは必ずメモを!
◦ 「病院受診で来週火曜は休み」「薬が増えた」「書類にサイン済み」「数日前から右膝が痛い」「14時頃家族が迎えに来る」など、家族やヘルパーからの重要な申し送りは、必ずメモ帳とペンを持参して記録しましょう。
• 家族の様子にも気を配る
◦ 家族の様子がいつもと違う、元気がない、表情が暗い、口調が普段よりきついと感じたら、送迎時間を調整して3分でも良いので話を聞く機会を設けましょう。
4. 車内の座席位置を有効活用!
利用者の状態に合わせて、乗車位置を工夫することは非常に重要です。
• 乗車位置は「頭」を使う!
• 助手席のメリット・デメリット
◦ メリット:乗り降りがしやすく、座席での横移動が難しい方に適しています。利用者の見守りがしやすく、他の利用者と距離を取れる点もメリットです。
◦ デメリット:ハイエースなどの大きい車では、助手席の高さが出るため、かえって乗り降りがしにくくなることがあります。
◦ 【注目!】飛び出すタイプの助手席:通常必要なまたぎ動作が不要になり、乗り降りが非常に楽になります。また、座席の高さも調整できるため、立ち座りもしやすくなります。
• 後部座席の活用法
◦ 2列目・3列目:隣同士の距離が近いため、会話がしやすいという特徴があります。気の合う利用者同士を隣に座ってもらい、楽しい時間を過ごしてもらうこともできます。
◦ 2列目:ドアの近くに座ることで、乗り降りがしやすくなります。
• 車酔い対策
◦ 車酔いをする方は3列目に座るとより酔いやすい傾向があるため、2列目または助手席に座ってもらうと良いでしょう。
5. 安全な乗降介助とシートベルトの徹底
介助方法とシートベルトの適切な使用は、利用者の安全を直接守る行動です。
• 乗降介助の基本
◦ 手すりや吊り革を持つように促します。
◦ 基本は、乗り口に近い足から乗車します。
◦ 麻痺がある場合は、乗車時は健側から、降車時は患側から行うとスムーズです。
◦ 必要に応じて踏み台を使用しましょう。
• シートベルトの重要性
◦ 3点式シートベルトを推奨!:腰の部分だけを固定する2点式シートベルトでは、万が一の際に上半身が激しく揺さぶられ、重大な被害に繋がる恐れがあります。ペースメーカー装着者など、どうしても2点式でなければならない人を除き、可能な限り3点式シートベルトを使用し、急ブレーキや急発進を避けた安全運転に努めましょう。
◦ 後部座席も必ず着用!:シートベルトをしていないと、事故発生時に体が前に飛び出し、前の席の人に危害を加える可能性もあります。
◦ 正しい装着方法:ベルトをあらかじめ十分に引き出し、肩から通すようにします(脇の下から通さない)。バックルにカチッと音がするまで差し込みます。装着後は、ベルトのねじれやたるみがないか、鞄や杖をベルトで挟んでいないかを必ず確認しましょう。
• 特別な配慮
◦ 失禁の恐れがある利用者:革製品の座布団を準備しておき、その上に座ってもらうと良いでしょう。
◦ 車椅子の利用者:乗降時にはスロープやリフトを利用する必要があります。
▪ 固定の徹底:固定フックの使用方法や手順を正しく理解し、固定後は緩みやズレがないか、必ず安全確認を行いましょう。
▪ 最終チェックの習慣:「シートベルトよし、固定よし!」と声に出したり、扉を閉める前に少し車椅子を押してみて、しっかり固定されているか確認する癖をつけましょう。
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送迎業務は、利用者の日常生活を支える大切な「橋渡し役」です。これらのポイントを実践し、安全で快適な送迎を提供していきましょう!