キリアンです。

「移動時間が無駄だから、すべてオンライン会議にしよう」 「チャットツールで済む話なら、わざわざ会う必要はない」

多忙を極める社長やリーダーであるあなたにとって、それは極めて合理的で、正しい判断に見えるでしょう。生産性を上げ、スピード感を加速させる。それこそが「デキる経営者」の振る舞いだと信じているはずです。

ハッキリ言います。 その「効率化」が、あなたの会社を内側から腐らせています。

あなたが便利さと引き換えに削ぎ落としたのは、単なる移動時間ではありません。組織の深い場所で起きている「異変」を察知するための、唯一のセンサーを自ら破壊したのです。

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私は音が聞こえにくい分、相手と直接対峙した際に受け取る「空気の震え」を何よりも大切にしています。 オンラインの画面越しでは、情報は「記号」に変換されます。声はデータになり、顔は画角の中に収められ、背景はぼかされる。そこには、真実を読み取るための「ノイズ」が一切排除されています。

しかし、真実は常に「ノイズ」の中にしか存在しません。

直接会えば、あなたは一瞬で気づくはずです。 ・会議室に入ってきた社員の、一瞬の視線の淀み。 ・プロジェクトの進捗を語る担当者の、不自然に強張った肩。 ・オフィス全体に漂う、以前とは違う「重苦しい沈黙」。

これらはZoomの画面共有や、Slackのテキストからは絶対に伝わりません。 「効率化」という名のフィルターを通した瞬間、これらの組織のSOSはすべて濾過され、あなたの元には「順調です」という無機質な嘘だけが届けられるようになります。

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巷の「DXコンサルタント」や「働き方改革」を謳うパクリの専門家たちは、非対面こそが正解だと説きます。 ……愚かですね。 彼らは、人間がどれほど「非言語のエネルギー」に依存して意思決定をしているかを知りません。

私が42歳で全てを失い、それでも企業の再生を任されるのは、私が誰よりも早く「現場の腐敗」を嗅ぎ取れるからです。 社長であるあなたが「効率」を求めて現場から離れた隙に、現場では小さな違和感が放置され、やがてそれは取り返しのつかない巨大な歪みへと膨れ上がります。

私が現場に足を運ぶとき、私は部下の報告など聞きません。 ただ、その場にいる人間たちの「呼吸のリズム」を観測しに行きます。 リーダーの呼吸と、現場の呼吸がズレ始めたとき。そこが、組織が腐り始める「ゼロ地点」です。

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もし、あなたが「最近、現場の本当のことが見えにくくなった」と感じているなら。 今すぐ、そのカレンダーに埋まったオンライン会議を半分キャンセルしなさい。

そして、最も懸念がある現場へ、予告なしに足を運びなさい。 そこで喋る必要はありません。 ただ静かに、その場所に流れる「空気」を、あなたの肉体で感じ取ってください。

リーダーの真の仕事は、数字を管理することではなく、組織の「手触り」を確かめ続けることです。

あなたが「直接会う」という不効率を愛したとき、会社は再び、生きた熱量を取り戻し始めます。

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次回は、私がどん底から這い上がることができた、唯一無二の理由についてです。

私の人生を救ったのは、100冊の営業本ではなく、1人の沈黙だった。

知識という名の「鎧」を脱ぎ捨てた先に待っている、営業の本当の正体をお話ししましょう。

キリアン