キリアンです。
「部下が思うように動いてくれない」 「会議でどれだけ熱弁を振るっても、チームの士気が上がらない」
リーダーという立場にいるあなたは、そんな悩みを抱えていませんか? そして、もっと分かりやすく、もっと情熱的に「言葉」を尽くせば、人は変わってくれると信じていませんか。
ハッキリ言います。 リーダーが喋れば喋るほど、組織の自律性は死んでいきます。 あなたが放つ「正解」という名の弾丸が、部下たちの「自分で考える力」を奪い、彼らをただの「指示待ちの受動体」に変えているのです。
本当のリーダーシップとは、力強い演説の中にはありません。 それは、あなたの「圧倒的な観察」と「沈黙」から生まれる、逃れられない空気のことです。
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私は音が聞こえにくい分、リーダーとしてチームを率いる際、言葉での指示を最小限に抑えます。 その代わりに、私が徹底しているのは「誰よりも早く、組織の淀み(非言語の変化)を観測し、それを突きつけること」です。
例えば、新しいプロジェクトのキックオフ。 メンバーが「頑張ります!」と威勢のいい声を上げている中、私は彼らの「声」は聞き流し、一人ひとりの「視線」と「手の動き」をハックします。
・覚悟が決まっていない者は、視線が宙を彷徨う。 ・不安を抱えている者は、無意識に喉元や腕を触る。
私は、彼らが「さあ、リーダー、指示をくれ」と待ち構えている沈黙の中で、あえてこう問いかけます。 「〇〇さん、君は今、本当はこの計画に無理があると感じているね。……なぜ、そう思う?」
その瞬間、場に戦慄が走ります。 自分の内面を、言葉を発する前に見透かされたという驚き。 そこから生まれるのは、恐怖ではなく「この人の前では嘘はつけない。本気で向き合わなければならない」という静かな覚悟です。
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巷の「パクリのリーダーシップ論」では、褒め方やモチベーション管理のテクニックを説きます。 ……浅いですね。 そんな外側からの刺激で動く人間は、刺激がなくなればすぐに止まります。
私が42歳で社長を解任され、どん底から再び人を動かす立場に戻って確信したこと。 それは、「人は、自分が観測されている(理解されている)と感じたとき、初めて自律的に動き出す」という真実です。
私が何も言わずに背中で見せるのは、 「お前の1ミリの変化も、私は見逃さない」という圧倒的な洞察の構え。
この「観測されている感覚」が、部下の中に「自分はこの仕事にどう向き合っているのか?」という内省を生み、彼らを自ずと行動へと駆り立てるのです。
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もし、あなたが「もっと強いリーダーになりたい」と思うなら、今日から「伝えること」を半分に減らしてください。
その代わりに、部下の呼吸を読み、彼らが言葉にできない葛藤を、あなたの瞳で受け止めてください。
リーダーの仕事は、正解を与えることではありません。 「真実から逃げられない場」を、その沈黙で創り上げることです。
あなたが口を閉ざしたとき、組織は初めて、自らの足で歩き始めます。
次回は、冒頭のテーマ。 「パクリの営業台本を売っている人たちの末路。なぜあなたの言葉は、顧客の心を素通りするのか」をお伝えします。
キリアン