キリアンです。
「40代になって、今の会社で一生を終えるのが怖い」 「何か資格を取らなきゃ、スキルを身につけなきゃと焦っている」
もしあなたが今、週末に必死でTOEICの勉強をしたり、プログラミングスクールに通ったり、あるいは「MBA取得」なんてキラキラした目標を掲げているなら、今すぐそのテキストを閉じてください。
ハッキリ言います。 40代からの「スキルの継ぎ足し」は、あなたの市場価値を1ミリも上げません。 それどころか、あなたは「替えのきく、安くて使い勝手のいい労働力」という地獄のレッドオーシャンへ、自ら飛び込もうとしているのです。
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世の中のキャリアコンサルタントは言います。 「これからはAIの時代。最新のITスキルを身につけましょう」 「英語ができれば、転職市場で有利になります」
……笑わせないでください。 20代の若者が最新スキルを身につけるのと、42歳のあなたがそれを学ぶのとでは、意味が全く違います。体力も記憶力も、そして何より「単価」が違う。あなたが必死に覚えたスキルは、翌年にはさらに安くて速いAIや若手に取って代わられる。
それが、現代の「スキル競争」という名の椅子取りゲームの正体です。
私が42歳で、一度は社長から転落し、一社員として再スタートを切った時。 私を救ったのは、MBAの知識でも、英語力でもありませんでした。
それは、音が聞こえないゆえに磨き上げられた、「組織と人間の『歪み』を読み取る観察眼」でした。
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法人営業でも、社内のマネジメントでも、本当に求められているのは「正解を出す人」ではありません。 「今、どこに問題があるのか」を、誰よりも早く、言葉以外の情報から察知できる人です。
例えば、あるプロジェクトの会議中。 誰もが「順調です」と報告し、数字上も問題がない。 でも、私はその場に流れる「不自然な沈黙」や、担当者の「視線の逃げ」から、現場の崩壊が始まっていることを察知します。
「〇〇さん、報告書には書いてありませんが、現場で相当な無理をさせていませんか?」
この一言で、数千万規模のトラブルを未然に防いだことが何度もあります。 これは、AIにも、スキルの高い若手にも、あるいは「耳」だけに頼っているベテランにも不可能な領域です。
法人という巨大な生き物は、常に「言葉にできない不安」を抱えています。 その不安を、相手の呼吸や仕草からハッキングし、言語化してあげる。 この「非言語のコンサルティング能力」こそが、40代以降の人間が唯一、競争から降りて「重用」されるためのチケットなのです。
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巷の「パクリビジネス」で溢れた世界では、「実績を作れ」「肩書きを増やせ」と煽られます。 でも、実績や肩書きは「外側」の鎧に過ぎません。鎧が重くなればなるほど、あなたは身動きが取れなくなり、市場の微細な変化に疎くなる。
私が42歳でカツカツの底辺から這い上がれたのは、鎧を全て脱ぎ捨て、 「静寂の中で、真実だけを観測する」という一点に特化したからです。
資格試験の勉強に時間を溶かすのはやめなさい。 そんなものは、誰かが作った評価軸の上で踊らされているだけです。
あなたが磨くべきは、 目の前の人間が「何を隠しているか」を見抜く、その瞳の解像度です。
次回は、より実践的な「ハッキング」の手法。 「心理テクニックを使えば使うほど、相手が離れていく『皮肉な構造』」についてお話ししましょう。
キリアン