キリアンです。
 
あなたは商談に臨む際、
どのような準備をしていますか?
 
「聞くべき質問リスト」をまとめ、
ヒアリングシートを用意し、
相手の回答を漏らさずメモする……。
 
もし、それがあなたの「営業スタイル」だとしたら、
残念ながらあなたは一生、
顧客の本音に辿り着くことはできません。
 
なぜなら、メモを取るために下を向いたその瞬間、
あなたは「答え」が置いてある場所を
見逃しているからです。
 
ハッキリ言います。
 
ビジネスの正解は、顧客の「口」から出る
言葉の中にはありません。
 
顧客が質問に対して「言葉を発する直前」と
「発した直後」の、わずかな身体の反応の中にしか
存在しないのです。
 
=・=・=
 
私は音が聞こえにくい分、
相手が喋っている間、
その表情や仕草を「凝視」しています。
 
それは、耳が聞こえる営業マンからすれば、
異様なほど執拗な観察かもしれません。
 
でも、だからこそ見える世界があります。
 
例えば、あなたが
「ご予算はどの程度でお考えですか?」
と尋ねたとしましょう。
 
相手が「そうですね、300万くらいかな」
と答える。
 
このとき、普通の営業マンは
「300万」とメモに書き込みます。
 
しかし、私はメモを取りません。
相手の「目」を見ています。
 
・「300万」と言う直前、一瞬だけ左上に
視線を泳がせなかったか?
(=嘘や、その場しのぎの数字を作っていないか?)
 
・答えた後、喉の仏が小さく動かなかったか?
(=無理な数字を言って、緊張やストレスを感じていないか?)
 
・机の下で、組んでいた足を
組み替えなかったか?
(=拒絶や、話題を変えたいサインではないか?)
 
「耳」で聞いている人は
「300万」という偽の情報を掴まされますが、
「目」で聞いている私は
「あ、この数字は本音じゃないな」
という真実を掴みます。
 
=・=・=
 
巷の営業ノウハウでは
「アクティブ・リスニング」や
「おうむ返し」が推奨されます。
 
「〇〇でお悩みなんですね」と
優しく相槌を打つ。
 
……反吐が出ます。
 
そんなマニュアル通りの「聞き上手」を
演じたところで、相手は心の中で
こう思っています。
 
「ああ、またこのパターンか。
私のことなんて見ちゃいない」
 
私が社長として、
あるいは一人の戦略家として
信頼を勝ち取ってきたのは、
相手の言葉を繰り返したからではありません。
 
相手が隠したかった「違和感」を、
目ざとく見つけたからです。
 
「今、予算のお話をされた時、
少しだけ表情が曇りましたね。
本当はもっと別の懸念が
あるのではないですか?」
 
こう切り出した時、顧客は一瞬、息を呑みます。
 
そして、「……実は、予算以前に
現場の反対が強くてね」と、
「ヒアリングシートには絶対に書かれない真実」を
話し始めるのです。
 
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あなたが手に入れるべきは、
淀みのないトークスキルでも、
完璧な質問リストでもありません。
 
目の前の人間という「市場」を、
一瞬たりとも逃さず観測し続ける
「洞察の執念」です。
 
42歳。挫折を知り、音を失った私が、
今もなお法人営業の最前線で
重用される理由。
 
それは、私が誰よりも「目」を使って、
相手の魂の揺れを
聞き取っているからです。
 
もしあなたが成約率を上げたいなら、
今日からメモを取るのをやめてください。
 
手元の資料を見るのをやめてください。
 
相手の瞳の揺れ、

呼吸の深さ、

指先の震え。
 
そこに、あなたの提案を「Yes」に変える
全てのヒントが隠されています。
 
次回は、より具体的な現場の「破壊」について。
 
「資料が綺麗でも不採用。
相手の眉間が動いた瞬間に『プラン』を捨てなさい」

という、即興の戦略についてお話しします。
 
キリアン