プリミティブななにかから
練り上げられた
私っぽい何かは
何故か竹の葉のような
私の髪を模した成り損ないを
ゆらゆらと揺らしたり
我が胸を背中から貫通してみたり
私っぽい何かは
私ではなく
そこに宿るのだとしたら
それなりに愛着も有り
でも
私が人の姿を真似し始めた頃から
拘りにコダワッた
髪だけが
あまりに異質で
練り上げるべく用意された
プリミティブな髪の元は
人の形とはまるで作りが違っていて
人の形を作るために用意されたそれは
人形にすら劣る構造だけれども
練っては消し
練っては消し
どんなに練っても竹の葉の域を出ず
でも
時が来れば私は
そのプリミティブな
私に似せるべく
造った器に宿る
髪を練り
時を練り
クリックひとつで笑ってみせる
私っぽい
どんどん
私っぽくなっていく
逆説的に
私が【それ】っぽくなっていく
ミドリイロノナニカ
ウツワメイタモノ
それすら
愛しいあの方を喜ばせるためなら
私には愛しい器であって
偽りの仮面で
じっとあの人を見やり
あの人の興味を引くために
ウィンクをしてみる
器の揺らし方に慣れ
器が私達を見る【目】の
扱いに慣れ
そして
ミドリノウツワ
肉と言うには
あまりに灰色の
ナニカ
…に
私の魂を預ける日が
近い