言の葉の価値 | Forest

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なんか詩とか描いてます

私は此処ぞという時に

言葉を発しない

 

それは

 

大事な時ほど

大事な時ほど

 

吐き出してすぐの

言の葉のアザトさを知るから

 

 

これ見よがしの言葉をかけるくらいなら

黙って抱きしめることを選ぶ

 

でも

この手は誰にも届かないから

 

私は押し黙ってしまう

 

 

何もつかめないこの手を

オシイレのフスマが

遮ってしまうなら

 

 

いつか

本当に誰かを抱きしめたい時に

 

この身が

この手が

 

届かない時のために

 

 

私は私の直ぐ側に

 

言の葉を

 

千切っては散らし

千切っては散らし

 

いつだって

大事な大事な人達を

 

私の残した言の葉で

遠くゆったりと包むため

 

捧げた言葉のアザトさが

じっくりと揮発する時を待つ

じっくりと染み込む時を待つ

 

 

そして

 

遮るものを取り払い

 

この手で

涙を拭う時が来るまで

 

たとえその時が来ても

 

 

私が撒き散らした言の葉が

 

そっと

遠く

ゆったりと

 

大事なものを包むなら

 

 

たとえ今は届かなくとも

たとえ最後まで届かなくとも

 

いつか来たるべき時のために

今はアザトい言葉を並べ立て

 

遠い未来のため

叫び続けるんだ

 

 

いつかその時が来るから