私は
あの人があの事に
どれほど心を砕いていたか
知っていたはずなのに。
知っていたはずなのに。
浅はかな言葉を
考えなしに
むしろ意気揚々
投げかけてしまった
明日になったら
まるで何もなかったかのように
笑いかけて欲しい
わかってくれたらそれでいいなんて
許してほしい
そんな自分勝手すぎる
自分の罪を
まるで罪とも思っていないような
甘い感情が頭の中でぐるぐるしている
でも、
本当は
許してなんて言えないんだ。
私は知っていたんだから
あの人が
自分のことさえさておいて
両の手で抱きしめられるだけの
命を抱えながら
あまねく命に
背いっぱい心を運んでいたことを
でも、
わがままで一人よがりな後悔に
勝手に苛まれている私の心は
まともな思考を持っていたら
決して考えてはいけないはずの
許されることなんて
夢見ては
言えない言葉を
言ってはいけない言葉を
ぐるぐる心の中で
謝罪の言葉を繰り返しては
明日の夕刻、
あの人がどんな顔をして
現れるかなんて
救いようのない馬鹿な考えを
抑えることができずに
こうやって
たらたらと
言葉を紡いでいるのです