小さき騎士を称える詩 | Forest

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なんか詩とか描いてます

おお!

あの方を守りし騎士よ!

 

その老いた躰で

愛しきあの方を守りし騎士よ!

 

その病んだ躰で

愛しきあの方を守りし騎士よ!

 

 

騎士よ!

己が老いとの闘いが

せめて一刻とも安らかたれ!

 

騎士よ

己を蝕む病との闘いが

せめて一刻とも安らかたれ!

 

そして

一日

一週

一月

一年

 

己が愛するあの方の

心の盾となりて

 

災から

禍から

厄から

 

あの方を守り癒やす

心の盾となりて

 

老いに負けず

病に負けず

 

 

 

されど

 

苦しみを帯びた

 

死出の闘い

 

ではなく

 

 

喜びに満ちた

 

生きた日常

 

において

 

 

あの方を護りたまえ

あの方に寄り添い給え

 

 

 

騎士よ

 

そなたの愛した伴侶のことが

愛しかろう

 

そなたの愛した伴侶のことが

恋しかろう

 

 

されどまだ早い

まだ早い

 

旅立つには

まだ旅立つには早い

 

 

笑って

安らかに

 

あの方の傍に生きて寄りそいて

あの方の生きた心の盾であれ

 

 

そなたの本懐が

一刻

一瞬

一刹那

 

笑って

安らかに

 

果たされんことを

 

また一歳(ひととせ)

また一歳

 

あの方に笑って

あの方と笑って

 

 

そなたの本懐を

そなたの本懐を努めよ

 

 

そなたの老いの流れが

たおやかで

 

そなたの病の苦しみが

安らかで

 

 

一分

一秒

 

無理なく

無理なく

 

いと安らかに

 

 

己が努めを果たせ

生きて努めを果たせ

 

騎士よ!

 

小さき騎士よ!

 

 

そなたの苦しみは

あの方の苦しみ

 

そなたの嘆きは

あの方の嘆き

 

 

なれば騎士よ!

 

心の底から笑い

心の底から安らぎ

 

愛しきあの方の傍らに寄り添い

 

 

いつまでも

いついつまでも

 

あの方の騎士であれ

あの方の心の盾であれ

 

あの方の癒やしであれ

 

 

そなたの生の疲れが和らがんことを

そなたの病の苦しみが少なからんことを

 

遠い空の彼方

オシイレのフスマの中から

 

心より祈る

 

 

 

騎士よ!

優しき騎士よ!

 

一刻も長くあの方と共にあれ!

 

生きて笑って

 

共にあれ!