散々羽根を毟り取ってはばら撒き
今は片翼は風に乗れない
冷たい背中の左側
藤色のつばさは
何時だって穏やかで
かと言って私の自由を奪ったりせず
痩せ衰えたツバサを
そっと抱きしめ暖めてくれる
その温もりの中
未だ私は暴れ続けるのだ
飛べないアヒルの二枚の翼
右側はボロボロで
左側は崩れかけた右側を
ずっと暖めて
柔らかく暖かい
藤色のつばさは
黙って
何も言わず
ただ
抱きしめてくれる
ああ
この愛しい存在を
この恋しい存在を
生まれてくれたこと
出会ってくれたこと
一緒にいてくれること
ただ
それを祝って欲しかった
たったそれだけだったのにね