早起組と、遅寝組 【ブログ限定作品】 | Forest

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なんか詩とか描いてます

深夜どころか夜明けまで

働いているおっさんと

 

早朝どころか深夜には

目を覚ましてくるおばあさん

 

早起組と遅寝組

 

その細い細い一本道で二人は

たった一言挨拶を交わす。

 

おばあさんは

夜が明けてそこを通る

みんなに。

 

おっさんはおばあさんに。

 

たった一言挨拶を交わす。

 

夜も夜中の三時前

たった一言挨拶を交わす。

 

ある日。

 

おっさんは急にその道を通れなくなった。

おっさんには急に道を塞がれた。

 

深夜どころか夜明けまで

働いてたおっさんは

 

たった一言の挨拶が

もう出来ない。

 

早朝どころか深夜には

目を覚ましてくるおばあさん。

 

きっと今日も挨拶をしているのか。

 

もう誰もいないその道で挨拶をしているのか。

誰ともない誰かに向かって挨拶をしているのか。

 

もうおっさんに確かめるすべはない。

 

道は塞がれてしまったのだから。

 

 

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早起組のおばあさん

はじめまして。

 

遅寝組のおっさんは

たいそう寂しがっておりますよ。

 

どうかいつまでもお元気で。

100歳までも長生きをして

毎朝挨拶続けてください。

 

そう申しておりました。