たったそれだけ私から言わせればわがままばっかり言ってるあの子の足を治したくてこんな所まで来たあんた。いろんな寂しさをいろんな楽しみに置き換えたフリして。足が悪くて長く歩けないあの子といろんな街を散歩したかったたったそれだけ。あんたにとってはやっぱり五人より六人なんだね。私にとっては五人で十分。あの子にとっては二人で十分。きっとあんたの願いはかなわないよでも。途切れそうになる思いを力尽きそうになる背中をあんたら二人が歩いているのを後ろから眺めて歩くその日が来るまで