ううん。
違うの。
心配するのは嫌じゃない。
むしろ、
心配できないまま、あなたが苦しんでいたことを気づけないまま
そんなのは嫌じゃない?
あなただってそうでしょう?
でもね。
心配したってどうにもならないなら、
心配させたくないって気持ちもわかる。
ううん。
そういう意味じゃない。
わかるよ。
私はね。
知っているの。
これだけは。
傍にいないことは無力。
たぶん私が、あなたの傍にいたって
きっと何にも出来やしない。
何の役にも立たない。
むしろ足を引っ張るかも。
でも
傍にいないことは無力なんだ。
私はそれを知っている。
傍にいて上げられなかった。
目の前で見て
この耳で聞いて
痛いほど嘆いている
目に触れることは無い
声が聞こえない
どんなに一緒に嘆いても
励ましても
私は無力だった。
またあの時を繰り返す。