静かな夜に読む本は、少し重いテーマでも心にやさしく届くものがあります。

鎌仲ひとみさんの『小さき声のカノン』は、原発事故後の福島を見つめたドキュメンタリーをもとにした一冊。

現実を突きつけるよりも、“生きる声”を拾い上げるような本でした。

今日はその中の一行と、自分の中で残った余韻について書いてみます。
 

  1. 本との出会い方
  2. 印象に残った一行
  3. 「語らない勇気」と向き合う時間
  4. 読むことで静けさを取り戻す
 
1. 本との出会い方
 この本は、出張の帰りに立ち寄った本屋で偶然見つけました。
派手な帯もなく、静かな装丁。ページをめくると、記録映像のように淡々とした文体が続いていました。
けれど、その中に生きる人の息づかいが感じられた。
読んでいるうちに、これは「記録」ではなく「祈り」に近い本だと思うようになりました。

2. 印象に残った一行
 「声をあげることより、声を失わないことのほうが難しい」
 この一行を読んだ瞬間、胸の奥が静かに熱くなりました。
仕事でも日常でも、“言葉を発し続ける”ことばかり意識していた自分に、立ち止まるきっかけをくれた言葉です。
黙ることにも、意味がある。
沈黙の中にも、意志がある。そんなことを思いました。

3. 「語らない勇気」と向き合う時間
 読後、しばらく机の上に本を伏せて置いていました。
すぐ感想を書かず、時間をおいてもう一度手に取る。
考えを急がず、余白を残すことがこの本への礼儀のように思えたからです。
仕事で人の話を聞く立場にいると、「語らない勇気」を持つことの難しさを痛感します。
言葉にしないまま伝わる何かを、この本は教えてくれました。

4.読むことで静けさを取り戻す
 本を読むという行為は、心の中に“静けさの層”をつくることだと思います。
現実のざらつきをそのままに、少しずつ受け止める力をくれる。
『小さき声のカノン』は、そんな“やさしい重さ”を持った本でした。
 

今日のメモ
 ・午前:本の印象をノートに書き留める
 ・午後:次に読む候補を三冊ピックアップ
 ・夜:静かな音楽を流しながら再読