一日目は素潜り体験。西伊豆の海を満喫し、二日目は山に入ります。
そこは森林インストラクターたる者、やはり森がフィールドです

今回はNPO法人 森の蘇り代表の大西さんにご指導いただき、皮むき間伐-きらめ樹-を体験しました。
「きらめ樹」についてはコチラ。
説明へ入る前に、日本の森についてのお話がありました。
日本は有数の森林面積を誇る国であること(森林率約7割、世界第3位

そのうちの人工林率は約4割、その蓄積量は40年間で2倍以上にもなります。
にもかかわらず、木材自給率は25%前後で、木材輸入量は世界1位

不名誉な木喰い虫の称号を返上できずにいます。
詳しくは、こちらのHPがわかりやすいです→森林林業学習館
木が売れない→手が入らない→森が荒れる まさに負のスパイラル

お手元の木製品は、どこの国の木でしょうか。
小さな選択が、大きな問題を紐解いていくための確実な一歩となること

理解できない私達では無いはずです。
さて、実際の作業の説明に入ります。
まずは伐採木の選定。
フィールドを区画し、全木調査を行って樹種・胸高直径を調査し、プロットします。
直径から幹の断面積を計算し、合計を算出して適正量との差を求めていきます。
一区画当たり、80㎠が飽和状態で、これからの成長量を鑑みると40㎠が適正量となるそうです。
さらに、十年のスパンで手を入れないようにするため、35㎠を目指して伐採量を決めていきます。
量が決まったら、樹木の診断に入ります。
劣勢木はもちろんですが、全体のバランスも考えながら、伐採木を選定していきます。
これらの調査・選木を参加者が行うのが特徴で、そのための判断基準が明確になっており、わかりやすく説明できることはとても有意義なことだと感じました。
場所をフィールドに移し、皮むきの説明です。
まずは水・米・塩を伐採木の周りに撒き、山への感謝と作業の安全を祈願します。
伐採木に鎌で筋を入れ、竹べらを差し込むようにして一周剥いていきます。
写真はありませんが、この後周りを囲むようにして、一斉に上へと剥き上げます。
剥きたての樹肌は白く滑らか。きらめ樹のネーミングはまさにそのもの。
瑞々しい内皮の甘みは、命の証。
直径の7倍を剥き上げることで、形成層を削がれた木は枯死し、ゆっくりと乾燥していきます。
巻きがらしすることで、たったまま葉枯らし乾燥をすることができ、材の艶も良くなるそうです。
伐採・搬出時も、水分が抜けることで軽くなり、作業がしやすくなります。
誰にでも作業ができ、伐出時までのタイムラグの中で緩やかに世代が交代していく。
ゆっくりと葉が落ちていき、光が差し込んで下層植生を育む時間的猶予ができる。
そんなイメージを受けました。
実際の有効性は、巻き枯らし後の林相を知り、伐採を行ってみないと実感はつかめません。
ですが、イベント性やまず現場を知っていただく入り口としては、素晴らしい方法だと感じました。
昼食後も、ツアーは続きます。
朝の雨で繰り下げられた、石部の棚田へと向かいます。
山からの栄養を含む湧水が、谷戸の棚田を潤しながら海へと流れ込んでいきます。
山に降った雨が、地下へと滲み込みながら谷筋へ集まってきます。
ジオガイド「さやさん」の解説。土の中を通った水が岩盤(不透水層)にぶつかり、谷筋から湧き出ます。
田を潤す湧水。目に見えない森の栄養がたくさん含まれています。
稲穂を育みつつ、森の恵みはやがて豊饒の海へと注ぎ込んでいきます。
山と海。
そのすべてが繋がりながら、命を受け継いでいく。
そして、小さな生業の中で自然に寄り添い暮らす、石部の人々。
忘れてはいけない何かが、ここには確かに息づいています。
伝え、守ろうとする思いが・人が、ここにはあるのです。
伝えること・選ぶこと・繋がること・行動すること…
私たちには、一体何ができるのだろうか?
大きな宿題をいただいた、今回のツアーでした。
山と海。
そのすべてが繋がりながら、命を受け継いでいく。
そして、小さな生業の中で自然に寄り添い暮らす、石部の人々。
忘れてはいけない何かが、ここには確かに息づいています。
伝え、守ろうとする思いが・人が、ここにはあるのです。
伝えること・選ぶこと・繋がること・行動すること…
私たちには、一体何ができるのだろうか?
大きな宿題をいただいた、今回のツアーでした。
石部には自然エネルギーが良く似合う。