メリークリスマス。
街中のあちこちで見かけるクリスマスツリー、この季節の風物詩ですね。
さて、このツリーに使われる木ですが、モミの木が一般的です。実はこれ、日本だけの話。
ヨーロッパでは、トウヒ(唐桧)の仲間であるスプルースが用いられます。
よく似ていますが、葉先が二裂(二つに割れている)しているので分かります。
ま、ともあれ何でツリーはモミの木なんでしょう?ちょこっと調べてみました。
諸説あるようですが、代表的なものを挙げてみます。
1.宗教的なもの
アダムとイブの話はご存知だと思います。この話をクリスマスの時期に劇として公演していたのですが、冬の時期の為リンゴの木は葉を落としてしまいます。
そこで、常緑樹にリンゴを付けて飾り、代用したのが始まりと言うことです。
2.伝承によるもの
ドイツの伝承で、モミの木には小人が住んでおり、村を守り幸せを運んでくれると信じられていました。この小人が逃げ出してしまわないように、木に食べ物や飾りをしたのがクリスマスツリーになった、という説。
どちらにしても、冬にも緑の葉を蓄える常緑樹に強い生命力を感じ、長寿や豊穣を祈る気持ちがあったのではないでしょうか。
これって、日本の風習にも見られますね。
もうすぐ飾りつけが始まる門松。
年の初めに「歳神様」をお迎えする依り代として飾られるものですが、常緑の松・成長の早い竹と、どちらも長寿の象徴です。
そして、樹木そのものが神聖なものとして、信仰の対象になりうることを示しています。
私も経験がありますが、巨樹を目の前にすると人知を超えた偉大なものを感じ、思わず頭が下がる思いでした。そこには、生命の歴史そのものがあり、小さな宇宙すらも感じられます。
年の瀬を迎え、古き伝統に触れる機会も多くなる時期です。
文化の底流にある、自然を畏れ敬う気持ちを今一度確認してみるのも、良いかもしれませんね。