週間ポスト5月9・16日GW合併特大号
(緊急特別寄稿)カレル・ヴァン・ウォルフレン
この国の権力が今突き進む「日本人を幸福にしない新システム」
安部政権「4つの不幸」より引用(長いので要約)
http://shlonger.com/2232e7010f42d133587ad90c704aa2a6
(要約)
安部晋三は、国民の幸福より、「総理としての幸福」を追い求めている
①祖父を超えようとするほど逆に遠ざかる総理自身の不幸
②愚かな坊ちゃんリーダー・ブッシュJrと相似形の不幸
③改憲論者すら違和感を持つ「軽薄すぎる解釈改憲」の不幸
④「日本人を不幸にするシステム」をさらに強化する不幸
【岸信介と正反対】
国民を不幸にする「日本というシステム」が完成度を一層高めている。それが、安部首相の再登板一年半で私が感じた率直な日本の姿だ。
それをもたらしているのは、安部首相が抱える「4つの不幸」であり、彼が政策を推し進めるほど、不幸が日本と日本人にのしかかる。
「4つの不幸」
第一は、祖父・岸信介に憧れながら、その行動が祖父の政治思想から遠ざかっている矛盾に気付かない安部氏本人の不幸だ。
「偉大な祖父を超えたい」という政治的野心が悪いのではない。
私は過去に、日本には責任を負う政治がなく、ただアメリカに追随するだけで、政治的意思も哲学もないと論じた。だが、岸の功績は高く評価している。
岸は、”アメリカ追従政治家”というイメージが強い。戦前に、大日本帝国の植民地政策を主導した人物でもある。しかし、戦後は過ちを反省し、アジアの友好関係を重視した。アメリカと信頼関係を結び、中国との関係改善を模索し、日韓国交正常化に尽力したのが岸信介だ。
一方、安部氏はどうか。日本国内では、中韓に対する強硬姿勢が「主張する外交」として持てはやされるが、それは岸の外交とは真逆である。彼に「戦略」はなく、あるのは、戦後の憲法や教育によって失われたという日本を昔に戻そうとする後ろ向きの「幻想」だけだ。
象徴的なのが、「靖国参拝」のてん末である。安部氏は米国の後ろ盾を頼みに参拝に踏み切り、中韓への強烈なメッセージとしたものの、”味方”と思っていた米国からとがめられ、思考停止になった。「私は強いリーダーであり、中韓にも物おじしない」という強硬姿勢が、実は「米国頼みのただの虚勢」だったことが露呈してしまった。
先の日米首脳会談でも、安部氏がやるべきは、オバマ大統領に、「日本の国益」をきちんと主張することだった。しかし、「日米同盟強化」の言葉と引き換えに、TPPや基地問題で、日本の国益を次々と米国に差し出し、中韓から「米国の召使い」と見なされる結果に終わった。
安部氏が、中韓、そして米国との関係冷却を招いたことは、外交、経済の両面で、日本の将来に影を落とすだろう。
【ブッシュの失敗をくり返す】
安部氏は、共和党議員から「日本のロナルド・レーガン」と呼ばれたことを非常に喜んだという。だが、彼にふさわしいのは”坊ちゃん政治家”を体現した「ブッシュJr」の方である。
二人は政治手法も似ている。
ブッシュは、9.11以降、「テロとの戦い」を揚げ、アフガンやイラクで軍事力を行使した。米国内の社会問題(貧富の格差)から国民の目をそらす格好の材料として「9.11の悲劇」を利用したのだ。冷戦崩壊で冷え込む軍事、石油産業、ウォール街は戦争を歓迎し、多くの米国民も「強いアメリカ」を熱烈に支持した。しかし、その結果、新たなテロを招き、イラクやアフガンは混乱した。また「世界の警察・アメリカ」の威信と信頼を大きく失墜させてしまった。
スケールが違うものの、安部氏の中韓に対する強硬姿勢は、ブッシュの失敗と重なって見える。
民主党時代の日本は、不況の中で震災復興が進まず、原発もなし崩しになり、国民の間に閉塞感が募っていた。そこに登場した安部氏は、”タカ派”発言で中韓を挑発し、国民は「強いアベ」を歓迎した。私には、ブッシュと同じ手法で国民の不満の矛先を中韓に向けさせたように思える。そして高い支持率の中、増税、軍備増強、原発推進をしている。
しかし、米国民がブッシュの戦争が米国に何の利益ももたらさなかったことに気付いたように、日本国民もいずれ、「安部政権が国民に安全も利益ももたらさなかった」と気付く日が来るだろう。
【改憲で対米依存が強まるという矛盾】
第三の不幸は、安部氏の憲法改正の姿勢だ。
私は日本が憲法改正することは賛成の立場だ。
例えば、9条は”自衛”に限定すれば変えても問題はない。
自衛隊は世界有数の軍隊であり、「軍隊ではない」と誤魔化し続けるのは責任ある国家とは言えない。
だが、それでも安部氏の憲法改正論には懸念がある。彼は、自国が他国より優れているというナショナリズムを持ち込み、時計の針を巻き戻そうとしているからだ。それは憲法を進化させる「改憲」とは全く意味が違う。
また、安部氏らが「米国の押し付け憲法だから変えるべき」と主張するなら、改憲の目的を「米国からの独立」にしなければ非論理的だ。
ところが、改憲に先立ち取り組んでいる「集団的自衛権行使」は、世界展開する「米軍の補助」が目的であり、米国依存をより強めるものだ。
日本の(官僚)システムは、米国従属により成り立っている。独立を目指すなら、本来は反米になるべきところだが、そのシステムを崩せない。そういう屈折したナショナリズムが、はけ口として中韓への優越心として向けられている。
【誰のためのアベノミクスか】
現在の日本人にとっての最大の不幸は、安部政権の「国民を不幸にするシステム」がさらに強固になっていることだ。
日本の強固な官僚機構こそ、”日本”の「管理者」であり、政財界を束ねる「支配者」である。官僚と族議員らの推進で日本の原発は増え続けたが、福島第一原発事故が起きると、彼らは情報を隠蔽し、国民は危険に晒された。これは、政官財の既得権維持や責任回避のために、政治が国民を犠牲にした代表的な出来事だ。
そして、今まさに安部政権が推進するアベノミクスも、それと同じ構図である。
この一年半の成果を、いくら安部氏が自画自賛し、メディアが礼賛しようと、アベノミクスが日本の経済的、政治的停滞から脱却できる政策でないことを、私は断言できる。
金融緩和は、株価上昇につながったが、そのカネは大衆ではなく、大企業や投資家に集まったに過ぎず、その結果、日本システムの管理者である、官僚機構の影響力がますます強まり、国民はますます不幸になる。
アベノミクスの目的は、政治家、財界、メディアの利益を守ることであり、「既得権の打破」でも、「一般大衆の幸福」でもない。
「戦後レジーム(戦後の不幸なシステム)」に縛られてきた日本人を救うはずが、むしろ、それを強化し、官僚システム(利権構造)との共存共栄を図るのが、「安部政権の実体」なのだ。
つまり、安部首相は、「総理としての個人的幸福」のために、国民を踏み台にしているとさえ言えるだろう。
引用、要約 終わり~
NHKや各種メディアが、安部政権をいくら持ち上げようと、実体はこの提言そのまんまです。
「日本の国家システム(対米追従)が大事なのか」
それとも、
「(日本の)国民の生命、財産を守るのか」
安部政権がどちらを重視し、
これからどのような国を目指しているかが分かるでしょう。
日本の未来のため、
一刻も早く、安部政権を倒さなければならない。
その思いをさらに強くしました。以上。