ただの一指標なのに、まるでテレビ番組の
絶対的存在 の如く取り沙汰される不思議な数値 「視聴率」 。
マスコミや政府発表に騙されやすいという日本人的感覚の典型例の一つ。
このブログでも何度も採り上げ、その信憑性に疑問を投げかけてきた。
参照:
だが、いまだに「絶対的根拠」として振りかざす人が多いことに驚かされる。
視聴率の仕組みを知らないのか?あるいは、知らない振りをしているだけなのか?
いずれにしても、「時代遅れ」。説得力に乏しい事を認識すべきだ。
以前、「視聴率に代わる指標を」と提案した。
ネット環境が整備された現代。その双方向性、即時性を利用すべきだと言った。
放送局側に”やる気があれば、すぐにでも実現するだろう”と予測した。
どうやら先に、アメリカで実現しそうです。
ある雑誌記事によると、今秋からアメリカで、
「ニールセン・ツイッター・テレビ・レイティング」が開始されるそうだ。
ニールセン社は、’00年まで日本でのテレビ視聴率調査を行っていた米国企業。
当時は、ニールセン社とビデオリサーチ社の両社の数値が発表され、
同じ番組で最大5%もの違いがあったという。
今回のニールセン社の新サービスは、番組放送中に寄せられたツイッターを解析し、
視聴者の満足度をリアルタイムに計測できるということ。
これは、まさに「視聴率の弱点」を補完するシステムだろう。
日本でも、これまで、視聴率偏重による弊害が度々指摘されてきた。
視聴率=番組の質 ではないことは勿論、癒着ややらせといった公平性を欠く行為を
第三者がチェックできないシステム上の問題がその理由だ。
いずれ「黒船」によって、日本のシステムも米国式に変更されるだろう。
私のような素人が指摘できるほどのことを、テレビのプロ達が長年放置してきたのは一体何故なのか?
理由はただひとつ。「都合が良いから」。
例えば、『梅ドラ』では、開始数週間は、全国の毎日の視聴率が発表されていた。
しかし、次第に虫食いのように発表がない「空白日」が増え、関東以外のエリアでは、
週一回(最高視聴率を記録した日のみ)になってしまった。
なぜか?それは「視聴率が低い」という不都合な実態を隠すためだ。
では、なぜ公平であるはずのVR社が、意図的に「隠そうとする」のか?
NHKの意向を受けた(あるいは汲んだ)としか考えられない。
VR社独占の視聴率を過大評価する時代はもう終わった。
これからは、番組内容、いわゆる「視聴質」が問われる時代になるのは間違いない。
NHKが自主的にやるのか、民放各社に追い立てられる形でやるのかは分からない。
(ニュース番組で、すでにツイッターを取り入れているNHKなら先行して導入できると思う)
だが、これまで視聴者軽視だった公共放送は、いずれ長年のツケを払う事になるだろう。