『日本で暮らすチャイニーズガールを専門家が物語にしちゃいました』
■第3話 在留変更手続
プルルルルルル・・・(電話の音)
行政書士東:はい、H&T行政書士事務所です。
鈴木:先生、エール株式会社人事担当の鈴木です。ちょっとお尋ねしたいのですが。
行政書士東:はい、もちろんです。どのようなことでしょうか。
鈴木:4月から李さんという中国人の女性を入社させることになったのですが、何かビザの手続きが必要ですよね。会社でやってあげたいのですが、どうもよく分からなくて、どんな手続きが必要ですか?何を用意すればいいかも教えてほしいのですが。
行政書士東:李さんの現在の在留資格はお分かりですか?
鈴木:はい、もちろんです。先生から以前お伺いしていたので、採用時にパスポートと在留カードは確認しています。現在の在留資格は「留学」で、日本の大学を3月に卒業する予定です。
行政書士東:それでしたら、管轄の入国管理局に在留資格変更許可申請をする必要がありますね。李さんは今、どちらにお住まいですか?
鈴木:三鷹の学生寮ですので、東京入国管理局で大丈夫ですよね。
行政書士東:そうですね。李さんはどのような業務をする予定なのでしょうか?
鈴木:李さんは大学の文学部日本語学科に在籍していて、日本語がとても上手なんですよ。うちも中国の会社との取引が急激に増えているので、そちらの部署に入ってもらって、翻訳・通訳を含む営業一般をしてもらおうと思っているんです。
行政書士東:そうですか。それなら、在留資格「人文知識・国際業務に該当しそうですね。詳しいお話をお伺いしたいので、李さんと一緒に事務所にお越し頂けますか?
鈴木:はい。李さんに予定を確認して、またご連絡します。
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【解説】(行政書士 東 麻未)
1.在日外国人雇用に必要な手続き
有する在留資格に対応する活動以外の就労活動を行おうとする場合には、在留資格変更手続きが必要です。李さんのように、日本の大学に留学していて、翻訳・通訳として日本企業に採用された場合は、在留資格「留学」から在留資格「人文知識・国際業務」に変更する必要があります。この手続きを怠って、外国人が有する在留資格に対応する活動以外の就労活動を行った場合、退去強制事由に該当するほか、資格外活動罪として刑罰規定が適用されます。
本人が手続きを行うにしても、会社が手続きを行ってあげるにしても、雇用する会社側も、上記の点については、十分に考慮してあげた方がよいでしょう。
2.留学生を雇用する際の注意点
「留学」から「人文知識・国際業務」、「技術」等への在留資格変更申請の際には、「留学」の在留資格をもって在留していた期間に係る在留状況を審査されます。大学や専門学校の成績が著しく不良、欠席が多い、資格外活動許可を得ずにアルバイトしていた、風俗業務に従事していた等の事情があると、不許可となることがあります。外国人を雇用する際には、日本における在留状況に問題がないかについても、採用時にヒアリングしておいた方がよいでしょう。
3.大学等での専攻科目と業務内容
在留資格変更の場面において、就職先の職務内容と大学等における修得内容に関連性があることが必要です。とはいっても、現在の企業には広範な知識を必要とする業務がありますので、大卒者による「留学」から「人文知識・国際業務」への在留資格変更の場面においては、この関連性の程度が緩和されてきており、直結していなくとも、許可の可能性があります。しかし、関連性が全くなくても許可されるというレベルには至っていませんので、申請の際、関連性については十分に説明できる書類を提出することが必要です。