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外国人雇用のいろは

若手士業が集まるビジネス研究会『サムライEX』から派生した『外国人支援SIG』のブログ。行政書士、社会保険労務士、税理士、弁護士等のメンバーが、外国人の雇用、在留、トラブル解決、生活に関する情報を発信します。毎週水曜更新!

第7話 外国人雇用に関する税務手続き(後編)

李さんは、廊下で経理部の大根さくらに呼び止められました。
 李さんは、この厳しい先輩社員が怖くてビクビクしています。
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  さくら「李さん、この間渡した「給与所得者の扶養控除等申告書。」
 李 「あ、はい、いえ…。ちょっとわからなくて、まだ…」
 さくら「李さん、わらないことがあるなら、聞きに来なくてはだめ よ。 
  李 「す、すみません。」
 さくら「で、どこがわからないの」
  李 「あの、私は一人で日本に来ていて、家族は中国にいて、
    扶養家族とかいないのですが、 
    それでも出さないとだめですか。」

 さくら「もちろん!あれを出さないと、
     お給料から引かれる源泉税が高くなるわよ」

 チーリン「(ひえ~)すぐにお持ちします!」
 
チーリンがそそくさとその場を去ろうとすると、

さくら「あ、李さん、そういえば、あなたの大学の後輩でアルバイト してく     れる子いないかしら。
中国語が堪能な子を人事で探しているみたいなんだけど。
 

李「はい…、あの…同じ留学生の後輩にあたってみます。」
 さくら「よろしくね!」
 
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■入社後の具体的な手続き

 新規に従業員を雇い入れたら「給与所得者の扶養控除等申告書」
を記入させなければなりません。
これは、当該従業員の入社後最初の給与を支払うまでに行います。

扶養控除等申告書は、当該従業員に扶養控除の対象となる
扶養家族がいない場合も提出させなければなりません。
ただし実際に税務署や市区町村に提出する必要はなく、
会社で保存します。
 李さん には扶養している家族はいないのですが、
それでも氏名住所を記載して会社に提出します。
扶養控除等申告書の提出がない場合は、
給与から控除する源泉税は
源泉税額表から算出するのではなく、
20%の税率による源泉徴収となりますので注意が必要です。

なお、外国人従業員に、母国で扶養している家族がいる場合、
日本国内にいる親族同様、扶養控除の対象になるのでしょうか。

母国にいる扶養親族に生活費を送金していれば、原則として
扶養控除の対象となります。
扶養しているかどうかの判断は、
「生計を一にしている」かどうかで決まります。
「生計を一」とは、日常の起居を共にしているだけでなく、
「親族間で、常に生活費・学資金・療養費等の送金がある場合」も含まれます。
送金については、
金融機関等正規のルートで送金していることを証明できることが
必要です。税務調、査で問題になることがあるので、
銀行の国外送金依頼書の控えなどを保存しておいたほうがよいでしょう。

扶養親族として控除の対象となるかどうかは
日本人と同様で下記のとおりです。

①納税者の本人である
②納税者と生計を共にする者
③年間の所得金額が38万円以下の者
④他の者の扶養親族になっていない者
 

■ 社宅に住まわせるときの課税

 李さん は、大学時代は寮で暮らしていましたが、入社後は
会社が用意した社宅に住む予定です。
この場合、会社が税務上注意すべき点はあるでしょうか。

会社が借り上げた社宅の費用は福利厚生費となります。
ただし、全額を会社負担にし、無償で従業員に貸与した場合は、
福利厚生費ではなく、給与とみなされ源泉徴収の対象となりますの
以下の方法で算定した「賃料相当額」の最低50%を従業員負担と
給与から天引きするようにすれば、
給与とはみなされません

[賃料相当額の計算]
賃料相当額とは、次の(1)~(3)の合計額をいいます。
(1)(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%

(2) 12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/3.3(平方メートル))

(3) (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22

 従業員に無償で貸与する場合には、
 この「賃貸料相当額」が給与として課税されます。
 使用人から賃貸料相当額より低い家賃を受け取っている場合には
 受け取っている家賃と賃貸料相当額との差額が、給与として課税されます。
 しかし、使用人から受け取っている家賃が、
 賃貸料相当額の50%以上であれば、
 受け取っている家賃と賃貸料相当額との差額は、
 給与として課税されません。


(所得税法9、36、同法施行令21、同法基本通達9-9、36)
 
租税条約による免

 日本は世界の主要56カ国との間に2国間租税条約を締結しています。
租税条約による取り決めは、国内法に優先して適用されます

中国人留学生をアルバイトとして雇い入れた場合、
日中租税条約2
1条により
所得税の全額を免除することができます。
留学生に支払う給与は、生計、教育等に当てられると解釈し、
「租税条約に関する届出書」を会社の管轄税務署長に
提出すること
によって、 会社は給与の支払いに際して
所得税の源泉徴収義務がなくなります


ただし、この免税を受けることができるのは、
日本の学校教育法第
1条の 学生に限られており、
日本語学校のようないわゆる専門学校の就学
生には、
免税条項は適用されません。