『日本で暮らすチャイニーズガールを専門家が物語にしちゃいました』
■ 外国人雇用時の税務手続き(前編)
私、WB会計事務所の税理士 高橋ちぐさは、
月に一度の巡回監査で、
㈱サムライEXトレーディングに来ています。
入力データと帳簿・証票のチェックを終えて、
社長との打合せに向かおうとしたとき、
経理部の古参、大根さくらに呼び止められました。
彼女は、とても仕事が早くしかも正確で、
経理社員としてはとても優秀。
でも、自分にも他人にも相当厳しいので、
若手社員にとっては、煙たい存在です。
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さくら「先生、今ちょっとお時間よろしいですか」
高 橋「さくらさん、お疲れ様です。大丈夫ですよ。」
さくら「実はうちの会社、
4月から新卒で、中国籍の女性を入れたのですが、
外国人を雇うのは初めてで、よくわからなくて。
給与計算などで、日本人と違うところがあったら
教えて頂きたいのですが…」
高 橋「その方は、日本の大学を出たのですか?」
さくら「はい。留学生で4年前からこちらに来ていたようです。」
高 橋「そうですか。
それなら、日本人の社員と同じで大丈夫ですよ。」
さくら「そうなんですか?」
高 橋「所得税では、原則として国籍ではなく
居住者か非居住者かで課税方法を違えているのです。」
さくら「はあ…。先生、詳しく教えて下さい!」
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こんにちは。税理士の高橋ちぐさです。
外国人を雇用したときに税務上注意すべき点をご説明します
■ 会社は源泉徴収義務者
わが国において従業員を雇い入れ、給与を支払う場合、
支払い者である会社には源泉徴収義務が課せられます。
(所得税法6条)
下記の源泉徴収の方法の区分に応じた源泉徴収を行い、
原則として、支払日の翌月10日までに源泉徴収した所得税額を
国に納付しなければなりません。
所得税法では、日本人か外国人であるかを問わず
納税義務者を分類し、
課税所得の範囲を定めていますが、
日本国内を発生源とする所得は、
すべての個人を課税対象としています。
会社の従業員は、
日本国内を発生源とする給与所得を得ているので、
日本人、外国人を問わず納税義務者となるのです。
ただし、居住形態の区分の違いにより
源泉徴収の方法が異なります。
[源泉徴収の方法]
(1)居住者
月額表・日額表により支払う給与の総額に応じて
定められた 源泉徴収額を使用する。
(2)非居住者
支払う給与の総額の20%を源泉徴収する。
注)「租税条約に関する届出書」を会社を通じて
税務署長に提出することにより、
居住地国と日本との間で締結している租税条約に基づき、
課税の免除、源泉徴収税率の減免を受けることができます。
(詳しくは、後編をご参照ください。)
■ 居住者とは
日本国内に「住所」を有しているか
または現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人をいいます。
居住者以外の個人が、非居住者に区分されます。
なお、職業に就くため来日した外国人は、
日本における在留期間が会社等の契約により
1年未満であることが明らかな場合を除いて、
日本に住所を有するものと推定され居住者と区分されます。
(所得税法施行令14、同法基本通達3-3)
■ 居住者はさらに二つに区分
「非永住者」 居住者のうち、日本国籍がなく、
かつ過去10年以内の間に
国内に住所または居所を有する期間の合計が、
5年以下である個人をいいます。
「非永住者以外の居住者」 非永住者に該当しない者で、
一般的日本人はこれに該当します。
李さんは、現在日本の国籍はありませんし、
大学入学のため来日してから
居住期間は4年間ですので、現在は非永住者です。
入社後居住期間が5年を超えた時点で
非永住者以外の居住者となり、
一般的日本人と同じ課税区分となります。
■ 区分ごとの課税対象
(1)居住者
非永住者→
国内で発生した所得(国内源泉所得)
のうち国内で支払われたもの
および国外から国内に送金されたもののみ。
李さんは、会社から給与をもらう給与所得者で、
これは国内源泉所得に当たりますから、
他の日本人と同様に課税されます。
非永住者以外→
すべての所得(全世界所得)
(2)非居住者
国内源泉所得のみ