わからないから怖いんです。スキンシップで心のバリアフリーを体感しました。
私は保育士の専門学校に通っていました。
その学校は実際の施設への見学や実習がとっても多かったんです。
あるとき、重度の精神発達遅滞の子の収容施設で実習がありました。
私はまだ1年生で、知識もあまりなく、すごく緊張していました。
重度の男の子の部屋に配属になり、職員の方に挨拶に行くと、
「はい。ご苦労様。これから職員の引継ぎがあるから、これに着替えさせておいてね。」
といって、着替えを渡され、ガラス張りになっている部屋に入れられ....
ガチャン!!...と外から鍵を掛けられました。
えっ!!なに?鍵って...どうすればいいの?
児童福祉施設といっても、行き先がなくて20歳過ぎた子もたくさんいて...
もちろん体なんて私よりもずっと大きい。
重度の部屋だから...あきらかに普通とは様子が違う子ばかり。
何かぶつぶつとつぶやきながら壁に向かって座っていたり、短い紐を片手で振りながらずっとそれをみつめていたり...
細い窓の敷居に見事なバランスで寝転がっていたり...中には拘束服のようなものを着ている子もいました。
怖い...最初に心に浮かんだのはその言葉です。
異様な雰囲気と異様な行動を取る男性に囲まれ、その着替えを手にして、なすすべなく、とにかく怖かった。
でも私にはプライドありました。
私は保育を志すものとして、実習としてここに来ている。
逃げ出すわけにはいかない!
一人の子が私に気がついてゆっくりとこちらに向かってきました。
ニヤニヤして、何か言っているんだけど、何言っているのかぜんぜんわからなかった。
私は勇気を振り絞って、その子に声をかけました。
「はい!着替えますよ~」
その子に通じたのかどうかもわからない。
でも、何人かの子が私の声を聞いてこっちを向いて動き出しました。
私の怖さはピークに達していました。
チラッと目をやると、さっきの先生が職員室からこちらをうかがっています。
負けてたまるか!しっかりしろ!と自分に渇!を入れて私は最初にこちらへ向かってきた子の手をとって着替えを渡しました。
そのとき不思議なことが起こりました。
その子の手に触れたとたん、恐れが嘘のように消えていったのです。
何も怖がることはない。私と同じ血の通った人間なんだから...
すごく当たり前のことです。
そんな事はじめからわかっていたはずのことです。
でも、自分からその子の手を取るまでは私は怖がっていた。
完全に腰が引けていました。
その子の手を取ったときに目が合って、その子と何か通じたと感じたときに怖れはふっと消えていきました。
それまで、職員室からずっとこちらを伺っていた鍵をかけた先生が微笑んで椅子に座りなおして打ち合わせに集中し始めました。
子どもたちは自分で自分の着替えを選んで受け取り、私は着替えを手伝いました。
もうひとりでも全然怖くありませんでした。
後で先生から聞いたのですが、毎年泣き出す実習生がいるんだそうです。
泣かないにしても、完全に腰がひけちゃって、子どもたちに拒否される人も多いとか。
最初に自分から声かけて、自分からスキンシップしていったから、受け入れてもらえたんだそうです。
あと、笑顔かな。(確かに...引きつっていたかもしれないけど、笑顔だったかも。)
初めての人が入ってきたら、子どもたちだって怖いんだよ。
そう先生は言いました。
自分と違う行動をしているから、何故そんなことしているか理解できないから、わからないから怖い。
障害を持った方に出会っても、何をしたらいいのかわからないから見てみぬふりをする。
そんな気持ちが障害を持つ方の差別につながっているような気がします。
そうわかっていても、相手が男性だと特にどうしても怖いと感じてしまうことってあります。
ひとりずつ...少しずつ...地道に相手を知ることによって、信頼関係を作っていく。
遠回りのように見えて、実はこれが心のバリアフリーを実現する一番の近道なのかもしれません。
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その学校は実際の施設への見学や実習がとっても多かったんです。
あるとき、重度の精神発達遅滞の子の収容施設で実習がありました。
私はまだ1年生で、知識もあまりなく、すごく緊張していました。
重度の男の子の部屋に配属になり、職員の方に挨拶に行くと、
「はい。ご苦労様。これから職員の引継ぎがあるから、これに着替えさせておいてね。」
といって、着替えを渡され、ガラス張りになっている部屋に入れられ....
ガチャン!!...と外から鍵を掛けられました。
えっ!!なに?鍵って...どうすればいいの?
児童福祉施設といっても、行き先がなくて20歳過ぎた子もたくさんいて...
もちろん体なんて私よりもずっと大きい。
重度の部屋だから...あきらかに普通とは様子が違う子ばかり。
何かぶつぶつとつぶやきながら壁に向かって座っていたり、短い紐を片手で振りながらずっとそれをみつめていたり...
細い窓の敷居に見事なバランスで寝転がっていたり...中には拘束服のようなものを着ている子もいました。
怖い...最初に心に浮かんだのはその言葉です。
異様な雰囲気と異様な行動を取る男性に囲まれ、その着替えを手にして、なすすべなく、とにかく怖かった。
でも私にはプライドありました。
私は保育を志すものとして、実習としてここに来ている。
逃げ出すわけにはいかない!
一人の子が私に気がついてゆっくりとこちらに向かってきました。
ニヤニヤして、何か言っているんだけど、何言っているのかぜんぜんわからなかった。
私は勇気を振り絞って、その子に声をかけました。
「はい!着替えますよ~」
その子に通じたのかどうかもわからない。
でも、何人かの子が私の声を聞いてこっちを向いて動き出しました。
私の怖さはピークに達していました。
チラッと目をやると、さっきの先生が職員室からこちらをうかがっています。
負けてたまるか!しっかりしろ!と自分に渇!を入れて私は最初にこちらへ向かってきた子の手をとって着替えを渡しました。
そのとき不思議なことが起こりました。
その子の手に触れたとたん、恐れが嘘のように消えていったのです。
何も怖がることはない。私と同じ血の通った人間なんだから...
すごく当たり前のことです。
そんな事はじめからわかっていたはずのことです。
でも、自分からその子の手を取るまでは私は怖がっていた。
完全に腰が引けていました。
その子の手を取ったときに目が合って、その子と何か通じたと感じたときに怖れはふっと消えていきました。
それまで、職員室からずっとこちらを伺っていた鍵をかけた先生が微笑んで椅子に座りなおして打ち合わせに集中し始めました。
子どもたちは自分で自分の着替えを選んで受け取り、私は着替えを手伝いました。
もうひとりでも全然怖くありませんでした。
後で先生から聞いたのですが、毎年泣き出す実習生がいるんだそうです。
泣かないにしても、完全に腰がひけちゃって、子どもたちに拒否される人も多いとか。
最初に自分から声かけて、自分からスキンシップしていったから、受け入れてもらえたんだそうです。
あと、笑顔かな。(確かに...引きつっていたかもしれないけど、笑顔だったかも。)
初めての人が入ってきたら、子どもたちだって怖いんだよ。
そう先生は言いました。
自分と違う行動をしているから、何故そんなことしているか理解できないから、わからないから怖い。
障害を持った方に出会っても、何をしたらいいのかわからないから見てみぬふりをする。
そんな気持ちが障害を持つ方の差別につながっているような気がします。
そうわかっていても、相手が男性だと特にどうしても怖いと感じてしまうことってあります。
ひとりずつ...少しずつ...地道に相手を知ることによって、信頼関係を作っていく。
遠回りのように見えて、実はこれが心のバリアフリーを実現する一番の近道なのかもしれません。
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