76年はF1の開催が決定しフォーミュラーカーの情報が多く取り上げられましたが、2座席スポーツカーとツリングカーが混走する伝統の富士1000キロレースには55台が出走する盛況で、クラス毎の順位争いが激化したとても印象に残るレースでした。
Rクラスは11台のエントリー
総合優勝に最も近いRクラスは11台が参加。マーチ、シェブロン、ローラとポルシェ910の2座席スポーツカーに対し、R仕様のツーリングカーは4台。注目されたのはL18改を搭載したサニーエクセレントと13Bを搭載したKATAYAMAサバンナの2台でどちらもこのレースで初めて観る車両で、とても新鮮で期待が高まりました。
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ドライバーの敬称略
No. 8 佐藤 文康/小笹 哲嗣 組 73S/BMW ダルメックスマーチ
記憶では黒沢選手の車両を柳田選手が購入後ローラに乗り換えのため佐藤選手に売却した車両で長期にわたり好成績を残した車両です。
No. 50 米山 二郎/鮒子田 寛 組 シェブロンB23/BDA
米山氏の車両でボディを含め数回モディファイを実施。耐久レースならBDAでも優勝は可能です。マルボロは76年の鮒子田氏のスポンサー。
No. 20 柳田 春人/舘 信秀 組 ローラT390/BMW
前年の優勝チーム。ローラT390はフロントカウルとリアサスペンションを改良して参加。写真のドライバーは舘選手。
No. 3 高原 敬武/荒牧 政美 組 ポルシェ910
前年3位を獲得したポルシェ910。いつも変わらない安定した強さはポルシェならでは。
No. 2 北野 元/高橋 国光 組 KPB210 サニーエクセレント
「ワークス入魂!210サニーのレース仕様車」の項でも紹介したL18改搭載サニーエクセレント。この車両の速さから日産ワークスの強さが伝わってきました。
No. 1 片山 義美/従野 孝司 組 S124A KATAYAMAサバンナ
13Bエンジンを搭載したこの車はTS仕様より明らかに速く最強のRE車両でした。空力効果の向上と軽量化のために開発されたフロントノーズは当時10万円くらいで市販されていました。デサントカラーもこの時初めて観ました。
No. 11 形山 寛次/堀善 信 組 ジェミニ
ボディワークとBMWのワークスカラーに「ドキッ」としたいすゞジェミニ。耐久レースではこのようなスペシャルマシンの出場が楽しみのひとつでした。
1976年から世界スポーツカー選手権が市販車をベースに大幅な改造を加えたグループ5車両に移行したことでポルシェやBMWの「シルエットフォーミュラー」の様子が伝えられてきました。このレースに出場したR仕様のツーリングカーはレギュレーションの変更を踏まえて開発の取り組みがあったのかとも思えました。
クラス1・2・3の車両は次回に紹介いたします
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