ある土曜の夕方に師匠から「シグマが大磯に来ているので観に行こう」とお声がけをいただきました。
訪れたマツダディラーの工場内に保管されていたのは翌日の展示に備えて持ち込まれたルマン出場車のシグマMC74。サルテサーキットを走ったあの車両が整備工場の中にポロリとおいてある姿はとても不思議な感じがしました。
ストレートスピードを重視した低くてロングテール・ウイングレスのボディに夜間走行用の4灯型のライトと内照タイプのゼッケンベースの装備がルマン仕様の大きな特徴でした。
赤/白のナショナルカラーのボディにビッシリ貼られたステッカーからルマン24時間レースの挑戦に対する期待の高さが伺えました。
タイヤバーストで破損したボディを補修した跡から完走に向けた不屈の精神を感じます。
リアカウル両端のスリットはオイルクーラーとドライブシャフトの冷却力を向上するため富士のテスト後に追加されたとか。
規則では最低車両重量が3,000ccクラスと同じとなるためコンパクトなREエンジンの優位性は生かされず、ワイドボディの影響もあり直線速度が伸びなかったとのこと。決勝では飛び石の吸い込みによるエンジンオーバーホールなどのピット作業が合計9時間以上となり走行距離の不足で完走扱いとならい結果にたいへん残念な思いをしたのを覚えています。
2年連続で厳しい結果となりましたが「シグマカー」と呼ばれ日本から来たプライベーターの挑戦は現地でもたいへん話題となっていたようです。
アルファロメオとフェラーリがエントリーを取り消してマトラが優勢のままスタートしたこの年は911カレラターボの追い上げがハイライトとなりました。リンクを貼っておきます。
MC74は翌年6月のGCレースには艶消し黒色にリペイントして参戦しましたが、予選・決勝とも振るわず写真を撮る間もなくリタイア。その後は観る機会も無くなってしまいました。最近マツダからリリースされた1/43のミニカーを見てたいへん懐かしく思います。レプリカでも良いので走る姿を観てみたい車両です。
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この時一緒にディーラーに持ち込まれたRX-3。オート東京の車両でしょうかフロント/リア共に後期タイプの意匠に変更済みでした。後ろの紅白幕は昭和の展示会の定番でした。




