安倍前首相は「ヒットメーカー」 選挙に強い現実主義者 脇雅史・元自民党参院幹事長
毎日新聞 2020年10月9日
https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20201008/pol/00m/010/003000c
安倍晋三前首相が長期政権を築くことができたのは、選挙が非常に強かったことが大きい。国政選挙6戦6勝。国民の人気が高かった小泉政権ですら国政選挙は4戦2勝2敗だ。これだけでも政治家として極めて優秀といえる。では、どうしてここまで選挙に強いのか。それは、安倍氏が徹底した現実主義者だからだ。
安倍氏は、そのときの時流に乗ってキャッチーな政策の打ち出し方をした。「女性活躍」「地方創生」「1億総活躍」「働き方改革」「人生100年時代構想」などと毎年のように看板を掛け替え、「やってる感」を出し、国民の支持を得た。どのように打ち出せば国民に響くか、世論の雰囲気をつかむのが上手だったのだろう。世の中の流れに乗ってヒット曲を作る「ヒットメーカー」と同じだ。
ドイツ、少女像の設置許可取り消し 日韓間で中立必要と判断
毎日新聞2020年10月9日 01時08分(最終更新 10月9日 01時08分)
https://mainichi.jp/articles/20201009/k00/00m/030/002000c
ドイツの首都ベルリン市のミッテ区は8日、区内の公有地に9月末に設置された元従軍慰安婦の被害を象徴する少女像について、設置許可を取り消したと発表した。14日までの撤去を求めている。戦時下の女性への性暴力に反対するとの観点で許可したが、旧日本軍の行為に焦点を当てていると指摘。区として、日本と韓国の間で中立性を保つべきだと判断した。
官邸、前学術会議会長を門前払い 選出根拠の説明要望に「会う必要ない」
毎日新聞2020年10月8日 21時18分(最終更新 10月9日 00時29分)
https://mainichi.jp/articles/20201008/k00/00m/040/273000c
日本学術会議が推薦した会員候補6人を菅義偉首相が任命しなかった問題で、2018年の補充人事でも、学術会議が事前報告した候補者に官邸側が難色を示していたことが関係者への取材で判明した。官邸は理由を明かさず、学術会議は当時の山極寿一会長が直接、候補選出の根拠を説明したいと約1年にわたって再三申し入れたが、拒まれ続けたという。最終的に補充を見送った。
8月の給与総額1・3%減 残業代に当たる所定外の14%減が響く 厚労省
毎日新聞2020年10月9日 11時56分(最終更新 10月9日 11時56分)
https://mainichi.jp/articles/20201009/k00/00m/020/092000c
厚生労働省が9日発表した8月の毎月勤労統計調査(速報値、従業員5人以上)によると、基本給や残業代を合わせた1人当たりの現金給与総額(名目賃金)は前年同月比1・3%減の27万3263円だった。残業代に当たる所定外給与が14・0%減だったことが響いた。厚労省の担当者は「依然として新型コロナウイルス感染拡大の影響が出ている」と分析した。
でたらめ申請、6日後200万円 元税理士「手貸した」
朝日新聞 2020年10月9日 11時00分
https://www.asahi.com/articles/ASNB87VV5N9XPTIL007.html?iref=comtop_7_01
新型コロナウイルスのあおりで収入が減った事業者らに、国が現金を支給する持続化給付金制度をめぐり、「不正受給に手を貸した」という元税理士の60代男性が朝日新聞の取材に応じた。稼働実態のないペーパーカンパニーを使う「でたらめな申請」だったが、国側からの問い合わせは一切なかったという。(国方萌乃、茶井祐輝)
「どうせはねられる」 押し切られた元税理士
介護事業所の倒産94件、過去最多ペース 利用控え響く
朝日新聞 2020年10月9日 6時30分
https://www.asahi.com/articles/ASNB862T5NB8UTFL008.html?iref=comtop_Life_02
今年1~9月に倒産した介護事業所は94件で、前年同期を9件上回って過去最多を更新した。民間調査会社・東京商工リサーチが8日公表した。新型コロナウイルスの感染拡大で、重症化しやすい高齢者が利用を控えたことなどが影響しているとみられ、年間でも過去最高の倒産件数となる公算が大きくなっている。
説明しない菅政権と絶対王政の共通点 任命拒否の科学史
朝日新聞 2020年10月9日 10時00分
https://www.asahi.com/articles/ASNB74K3YNB2UCVL01B.html?iref=comtop_7_02
日本学術会議が推薦した会員候補105人のうち6人が任命されなかった問題は、研究者から厳しい批判が起きている。学術会議とはどのような存在で、今回の問題点は何か。欧米の研究者組織に詳しい科学史家の隠岐さや香・名古屋大学大学院教授に聞いた。
おき・さやか 1975年生まれ。科学史家、名古屋大学大学院教授。専攻は18世紀フランス科学史、科学技術論。著書に『科学アカデミーと「有用な科学」』『文系と理系はなぜ分かれたのか』など。
アベノマスクは「失敗」 官邸内の混乱と対立浮き彫りに
朝日新聞 2020年10月8日 22時11分
https://www.asahi.com/articles/ASNB86WWYNB8ULBJ00L.html?iref=comtop_7_03
世界的に収束がみえない新型コロナウイルス感染症に日本政府はどう対応したのか。8日、政府から独立した立場で対応を検証した「民間臨時調査会」がまとめた報告書からは、初期に突き当たった一つ一つの政策判断をめぐり、政府と専門家の対立や、政治家同士の意思疎通の齟齬(そご)があったことが浮き彫りとなった。
静岡で工事進まぬリニア 愛知知事「JR、折り合いを」
朝日新聞 2020年10月9日 11時00分
https://www.asahi.com/articles/ASN9Y5X2YN9TUTPB00S.html?iref=pc_extlink
リニアを読み解く【上】
リニア中央新幹線の静岡工区が未着工になっている問題で、品川―名古屋間の2027年開業が困難になった。静岡県とJR東海の対立をめぐっては、早期の開通に期待する声と、「水や環境問題が解決されなければ工事は認められない」との慎重論がぶつかる。「夢の超特急」を取り巻く議論を、どう読み解けばいいのか。リニア沿線や大井川流域を歩き、当事者や専門家の意見を聞いていく。まずは開業に期待を寄せる愛知県や岐阜県と、仲介役の国土交通省の計5人の意見を紹介する。
①「27年開業は9都府県の総意」愛知県知事・大村秀章さん
「水一滴たりとも譲らぬ」リニア工事反発 静岡の真意は
朝日新聞 2020年10月9日 11時00分
https://www.asahi.com/articles/ASNB25SY8N9TUTPB00D.html?iref=comtop_National_03
リニアを読み解く【中】
JR東海のリニア中央新幹線で、静岡工区の工事が足踏みをしている。静岡県や山梨県の人たちが「トンネル工事の影響で大井川の水量が減ったり、自然環境が壊れたりしないか」と心配し、声を上げ始めている。「水を一滴たりとも譲らない」と激しい言葉も出る。その真意を7人に聞いた。
①染谷絹代・静岡県島田市長「水守るため論理的主張を」
静岡リニア工事、かみ合わぬ議論 決着へ「信頼関係を」
朝日新聞 2020年10月9日 11時00分
https://www.asahi.com/articles/ASNB272QLNB1UTPB01Y.html?iref=pc_extlink
リニアを読み解く【下】
水資源や生態系に関する問題で膠着(こうちゃく)状態に陥っているJR東海のリニア中央新幹線の静岡工区。専門家からは、JR側に反省を求める声が出ている。そのうえで地元への補償で決着するしかない、との指摘もある。国会議員や静岡県議、地元の静岡市長、大学教授に解決策を聞いた。
①岸博幸・慶大教授「県側の主張、明確に提案して」
強い台風14号、11日にかけ東日本接近…本州上陸の恐れは低く
読売新聞 2020/10/09 12:58
https://www.yomiuri.co.jp/national/20201009-OYT1T50133/
強い台風14号は9日、暴風域を伴って西日本の南海上を北上した。今後は勢力を維持したまま10日にかけて西日本に、11日にかけて東日本に接近する見通しだ。当初の予測より南寄りに進路を変えたため、本州へ上陸する恐れは低くなったが、気象庁は「台風が接近する地域では高波、暴風、河川の氾濫などに警戒する必要がある」としている。
気象庁によると、台風14号は9日正午現在、高知県・足摺岬の南南東約250キロをゆっくりと北北東へ進んだ。中心気圧は970ヘクト・パスカル。中心付近の最大風速は35メートル。
慰安婦象徴の少女像、ベルリンの区当局が撤去要請…韓国系の市民団体設置
読売新聞 2020/10/09 09:56
https://www.yomiuri.co.jp/world/20201009-OYT1T50105/
【ベルリン=石崎伸生】ベルリン市中心部のミッテ区当局は8日、ドイツの韓国系市民団体が区内の歩道に設置した、慰安婦を象徴する少女像の設置許可を取り消すと発表した。14日までに撤去するよう求めている。
当局は、少女像の設置に対し日本国内で反発が起きていることなどを指摘し、「歴史を巡る対立について、どちらかの立場を取ることは控えなければならない」と説明している。
日本学術会議、行革対象に 予算・事務局の在り方―河野担当相
時事通信 2020年10月09日12時19分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020100900474&g=pol&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit
閣議後記者会見に臨む河野太郎規制改革担当相=9日午前、東京・永田町
河野太郎行政・規制改革担当相は9日の記者会見で、日本学術会議を行政改革の対象とする考えを示した。具体的には、内閣府に設置されている日本学術会議事務局の国の予算や人員の年末までの見直しを想定。学術会議の定員には踏み込まない見通しだ。
少女像撤去指示を評価 加藤官房長官
時事通信 2020年10月09日12時29分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020100900589&g=pol&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit
加藤勝信官房長官は9日午前の記者会見で、ベルリンに設置された慰安婦を象徴する少女像の撤去を地元自治体が指示したことについて、「前向きな動きとして受け止めている」と評価した。少女像は在ドイツの韓国系市民団体が設置した。
加藤官房長官が「チャーハン論法」? 学術会議の説明めぐり
時事通信 2020年10月08日18時07分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020100801010&g=pol
閣僚や官僚の意図的な論点のすり替えを「ご飯論法」と名付けた法政大の上西充子教授は8日、自身のツイッターで、菅義偉首相が日本学術会議の会員候補の任命を拒否した問題をめぐり、過去の国会答弁との食い違いはないとする加藤勝信官房長官の説明をチャーハンに例えて批判した。
上西氏は、加藤氏の記者会見の動画と並べて「『エビチャーハンを作っていたのを玉子チャーハンに変えましたよね』という質問に『同じシェフが作っており、その点においてなんら変わりはない』と言っているようなもの」と表現し、「ご飯論法」と同じ論理を展開した。
トランプ氏、週末に戦線復帰 専属医がお墨付き―米大統領選
時事通信 2020年10月09日11時46分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020100900388&g=int
陽性診断を受けたとされる日のトランプ米大統領=1日、ワシントン(AFP時事)
【ワシントン時事】トランプ米大統領は8日、新型コロナウイルス感染で中断している選挙集会を10日に再開する可能性があると明らかにした。大統領専属医のコンリー医師が「大統領が10日に安全な形で『国民との交流』に復帰できると期待する」と楽観的な見解を示したことを受け、投票まで4週間を切った大統領選をにらんだ活動を本格化させる。
強い台風14号、紀伊半島沖へ 週末、東海・関東に接近
共同通信 2020/10/9 12:54 (JST)
https://this.kiji.is/687075831134667873?c=39546741839462401
強い台風14号は9日、勢力を維持したまま四国沖に達し、紀伊半島沖に向かって進んだ。10日にかけて西日本に近づき、10~11日にかけて東海、関東に接近する見通し。気象庁は高波、暴風、土砂災害、低地の浸水、河川の増水・氾濫に厳重な警戒を呼び掛けた。
気象庁は「台風が本州に上陸する可能性は低くなった」としている。
空自の緊急発進、371回 上半期、対中国が最多
共同通信 2020/10/9 12:46 (JST)10/9 13:03 (JST)updated
https://this.kiji.is/687144654215513185?c=39546741839462401
防衛省は9日、領空侵犯の恐れがある外国機に対し、航空自衛隊の戦闘機が4~9月に緊急発進(スクランブル)した回数は371回だったと明らかにした。前年同期に比べ99回減った。対象は中国の234回が最多で、同98回の減少。ロシアは134回で1回減った。領空侵犯されたケースはなかった。
<社説>ヤンバルクイナ回復 生物多様性保全の好例に
琉球新報 2020年10月9日 06:01
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1204833.html
国指定の天然記念物ヤンバルクイナが新種記載されてから40年目を迎えた。一時は推定個体数が700羽程度まで減り絶滅が危惧されたが、徹底した外来種対策で個体数は1500羽程度に回復した。
今年は国連が定めた「生物多様性の10年」の最終年に当たる。国連報告書によると、目標20項目のうち完全に達成できたものはなかった。
外来種対策を柱とした生息環境の改善、ヤンバルクイナを守る飼育繁殖の両輪による沖縄の保護活動は、生物多様性保全の好例である。広くノウハウを共有したい。
ヤンバルクイナにとって大きな脅威は、マングースやネコによる捕食だ。マングースが高密度に分布する中南部からやんばる地域への北上を防ぐため、県と環境省は大宜味村塩屋から東村福地ダムにかけてマングース北上防止柵を設置した。この柵の北側でわなや探査犬によるマングースの捕獲を続けてきた。
野生生物を捕食するネコは、国頭村安田区が2002年に飼養規則を作った。05年には国頭、大宜味、東の3村が条例を制定し、飼い主が分かるマイクロチップの埋め込みや避妊・去勢手術を定めた。
ヤンバルクイナ保護活動のもう一つの柱が飼育繁殖だ。飼育下での知見がほとんどなく、保護した卵のふ化など試行錯誤を繰り返した。野性に戻すために野外で生き抜く術を教えた。人工餌から、カタツムリやミミズなど自然の餌に慣れさせ、フェンスで囲われた森の中の広いシェルターで野に暮らす訓練も導入した。
地域の理解やボランティアなどの協力も欠かせない。こうした地道な取り組みが個体数増につながったのだろう。
一方、10年前に名古屋市で開かれた生物多様性条約の締約国会議で、具体的ルールが採択された。開催地にちなんで「愛知目標」と呼ばれる。今年がその期限だ。国連によると、20項目の目標のうち14項目は達成できず、外来種対策や保護区の設定など6項目が一部達成にとどまった。
サンゴ礁は温暖化と海洋酸性化の影響を受け「約6割は破壊的な漁業などの脅威に直面している」という。世界で過去10年に森林が年470万ヘクタールのペースで失われた。野生動物の生息数は1970年以降、3分の1に減少した。約12万の生物種の27%に絶滅の恐れがある。
今年9月30日に開催された「生物多様性サミット」で国連のグテレス事務総長は、新型コロナウイルスなど動物由来の感染症が広がるのは、人間が自然を損ない生態系との間のバランスを崩したからだと指摘している。
「春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。春だというのに自然は沈黙している」(レイチェル・カーソン)。そんな事態を招かないため、時間はかかるだろうが個人や企業、地域社会が行動を起こし、それぞれの役割を果たさなければならない。
<金口木舌>困窮する子育て世代
琉球新報 2020年10月9日 06:00
https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1204839.html
「L(レズビアン)やG(ゲイ)が足立区に完全に広がったら子どもは1人も生まれない」「法律で守られているという話になれば足立区は滅んでしまう」。東京都足立区の白石正輝区議が、性的少数者(LGBT)に関して区議会で発言した
▼区には批判的な内容を中心に220件以上の意見が寄せられた。当事者団体からも批判されている
▼白石氏は自民党会派に所属している。LGBTを巡っては杉田水脈衆院議員が2018年に「生産性がない」と月刊誌に寄稿した。昨年は平沢勝栄衆院議員が集会で「性的少数者ばかりになったら国はつぶれる」との趣旨の発言をした。いずれも自民党だ
▼少子化の責任はLGBTの人々にあるのか。国の少子化対策が効果を上げていないことを棚に上げ、問題をすり替えている。少数者に責任転嫁していては何も解決しない
▼厚生労働省の国民生活基礎調査で子どもの貧困率は13・5%だった。00年以降13~16%台で推移し、先進7カ国(G7)の中で高水準だ。とりわけ母子家庭など1人親世帯の貧困率は48・1%と深刻だ
▼経済協力開発機構(OECD)によると教育に関する公的支出の割合(GDP比)は17年、日本は比較可能な38カ国中でワースト2位。政府が取り組む不妊治療への助成拡大なども必要な施策だ。ただ急ぐべきは困窮する子育て世帯の救済だろう。