火論 「イージス騒動」と沖縄=大治朋子
毎日新聞2020年6月23日 東京朝刊
https://mainichi.jp/articles/20200623/ddm/002/070/095000c
<ka-ron>
「サンクコスト(埋没費用)の呪縛」という経済学の言葉がある。
埋没費用とは回収不能になったお金や時間、労力を指す。それを気にするあまりさらに投資して後に引けなくなるのを「サンクコストの呪縛」と呼ぶ。意思決定ではそうしたコストをあえて無視しましょう、という意味で使われる。
もともとは、英仏両政府が共同開発した超音速旅客機コンコルドの採算が取れないと途中で分かったのに開発を続行して大赤字になったことから生まれた表現。「コンコルド効果」とも呼ばれる。
この言葉を久しぶりに思い起こしたのは先日、防衛省が陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」について事実上の白紙撤回を決めたから。ミサイルを発射すると途中で切り離される装置を安全な場所に落下させられないと最近分かり、追加で必要になる費用や時間を考えて判断したという。
小池氏独走に「参った」 「タフな憎まれ役」自認するボクサー西村担当相の嘆き
毎日新聞2020年6月22日 20時53分(最終更新 6月22日 21時13分)
https://mainichi.jp/articles/20200622/k00/00m/040/236000c
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の運用を担った西村康稔経済再生担当相が、毎日新聞のインタビューに応じた。初めて適用した改正新型インフルエンザ等対策特別措置法を巡り、東京都の小池百合子知事による「ロックダウン(都市封鎖)」発言に翻弄(ほんろう)され、休業要請のあり方などで小池氏と直接調整をしたのが西村氏だった。「小池氏VS西村氏」の構図で綱引きが繰り広げられたが、担当閣僚として振り返る本音とは――。【聞き手・竹地広憲】
「どうすれば国民に8割接触削減受け入れてもらえるかすごく悩んだ」
小池氏「天の声が聞こえた」、それは「法律の声、めげずに毎日発信」
検査を「何日も待たせたケースは反省」
「休業命令や罰則を設ける法改正は、憲法の範囲内で可能」
実践!感染症講義 -命を救う5分の知識- 新型コロナ 低い陽性率「二つの点で要注意」 谷口恭・太融寺町谷口医院院長
毎日新聞 2020年6月23日
https://mainichi.jp/premier/health/articles/20200622/med/00m/100/007000c
2020年6月16日、厚生労働省は、新型コロナウイルスの抗体保有率を大規模に調査した結果を発表しました。6月1~7日にかけて東京都、大阪府、宮城県で、それぞれ1971人、2970人、3009人に抗体検査を行い、陽性者はそれぞれ2人、5人、1人、陽性率は0.10%、0.17%、0.03%だったと説明しています(※編集部注1)。このように陽性率が比較的低かったのは、誇らしく喜ばしい面がありますが、一方で心配なこともあります。今回は低い陽性率の良い点と今後の課題を、私見を交えて述べたいと思います。
2大学の結果より1けた低い厚労省調査の陽性率
日本の感染者は欧米よりずっと少ない
ニューヨークでは20%超も
喜んでばかりでよいか
気がかりな「少数派」への差別
ブラジル、インフル予防接種を強化 コロナとの「二重苦」回避へ
毎日新聞2020年6月23日 09時06分(最終更新 6月23日 09時06分)
https://mainichi.jp/articles/20200623/k00/00m/030/038000c
新型コロナウイルスの感染者数が世界で2番目に多いブラジルの保健当局が、インフルエンザの予防接種キャンペーンを強化している。「密集」を避けるため屋外で実施し、期間も延長した。南半球にあるブラジルではこれからが冬本番。インフルエンザ流行の時期も重なるため、「二重苦」を避ける狙いがある。
6月3日、最大都市サンパウロにある屋外の仮設会場で、看護師が訪れた市民に次々とワクチンを打っていた。配達員のガブリエウさん(23)は「自分や家族を守り、医療現場の負担を増やさないためにやって来た」と話した。朝晩の冷え込みが厳しくなり始めたサンパウロでは、7月ごろに最も寒い時期を迎える。
疑惑の案里氏から届いたメール 記者は1人で追いかけた
朝日新聞 2020年6月23日 10時00分
https://www.asahi.com/articles/ASN6Q3S9MN6MUUPI004.html?iref=comtop_8_01
買収容疑で18日に逮捕された河井案里参院議員から昨年7月16日、メールで近況を尋ねると、携帯電話にこんな返信が届いた。
「もう、死にそうだよ!」
参院選の投開票は同月21日。当時、東京で外務省取材を担当していた私は、「さぞ疲れているんだろう」くらいにしか思わなかった。
中国「重大な挑発行為」と抗議 尖閣諸島の字名変更受け
朝日新聞 2020年6月22日 18時47分
https://www.asahi.com/articles/ASN6Q63TYN6QUHBI01G.html?iref=comtop_list_int_n08
沖縄県石垣市議会が尖閣諸島の字名変更についての議案を可決したことについて、中国外務省の趙立堅副報道局長は22日の定例会見で「中国の領土や主権への重大な挑発行為だ。断固反対する」と述べ、外交ルートを通じ日本に抗議したことを明らかにした。
尖閣諸島周辺では中国海警局が活動を活発化させ、接続水域での連続航行日数は過去最長を更新し続けている。趙氏は「(中国は)さらに一歩進んだ措置を行う権利を留保する」とも語り、日本側の対応によってはさらに強い対応をとる可能性を示唆した。
その消毒、ちょっと待って メーカーが注意呼びかけ
朝日新聞 2020年6月23日 9時00分
https://www.asahi.com/articles/ASN6Q6DFTN6QUTQP00L.html?iref=comtop_8_02
地域によって差はあるが、中学、高校では運動系の部活動が徐々に再開している。コロナ禍にあって、スポーツ用品にウイルスが付着しているかどうかは気になるところだ。しかし、アルコールなどでの消毒は品質劣化につながりかねないと、メーカーが注意を呼びかけている。
ミズノ(大阪市)は野球用具に関する公式ツイッターで19日、こうつぶやいた。
「ご注意ください!! 弊社製の野球用具へのアルコール系、塩素系消毒液での消毒はされないようお願いします。樹脂材料に対して強度低下、白化、劣化等影響が出る可能性があります。洗浄等をされる場合は、中性洗剤を薄めて行うようお願いします」
世界の感染者、新たに18万人超 1日当たりで過去最高
朝日新聞 2020年6月23日 10時11分
https://www.asahi.com/articles/ASN6R365SN6RUHBI00C.html?iref=comtop_8_03
世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は22日の記者会見で、前日にWHOへ報告された新型コロナウイルスの新たな感染者が1日当たりで過去最高の18万3千人超に上ったと述べた。いったん封じ込めに成功した国で社会・経済活動の再開に伴って感染の増加が見られるとも指摘した。米ジョンズ・ホプキンス大学の集計で世界の感染者は累計900万人を超えた。
テドロス氏は現状について「全ての国が、社会・経済への被害を最小限に抑えつつ、人々を守るという微妙なバランスに直面している」と説明。感染対策と社会・経済活動は「どちらかの選択でなく、両方をできる」と述べ、工夫して両立するよう呼びかけた。
河井前法相、現金提供一部認める 買収目的は否定
朝日新聞 2020年6月23日 5時00分
https://www.asahi.com/articles/ASN6Q6JN5N6QUTIL02G.html?iref=comtop_list_nat_n07
参院議員の河井案里容疑者(46)=自民党を離党=が初当選した昨年7月の参院選をめぐり、公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕された夫で前法相の衆院議員、克行容疑者(57)=同=が、東京地検特捜部の調べに対し、地元議員らに現金を渡したことを一部認める供述をしていることが関係者の話で分かった。ただ、票の取りまとめを依頼する趣旨はなかったとして、買収容疑を否認しているという。
【独自】河井克行容疑者、後援会関係者らに現金と妻のポスター渡す…参院選1~2か月前
読売新聞 2020/06/23 05:00
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200623-OYT1T50051/
昨年7月の参院選を巡る大規模買収事件で、衆院議員の河井克行・前法相(57)(自民党を離党)が現金を提供したとされる94人の中に、後援会関係者や地域の有力者、陣営関係者が数十人含まれていることが関係者の話でわかった。後援会関係者や有力者については、投開票日の1~2か月前頃に妻の案里・参院議員(46)(同)のポスターとともに渡され、克行容疑者から「掲示の手間賃」などと説明されたケースもあったという。
「戻ってきたぞ!」と乾杯…NY市で3か月ぶり外食解禁
読売新聞 2020/06/23 10:10
https://www.yomiuri.co.jp/world/20200623-OYT1T50125/
【ニューヨーク=村山誠】新型コロナウイルス感染が米国内で最も深刻だった米ニューヨーク市で22日、飲食店のテラス席など屋外での飲食が可能となった。経済活動の再開が第2段階に入ったことに伴うもので、ニューヨーカーたちは約3か月ぶりの外食を楽しんだ。
市内の飲食店は3月16日夜から、持ち帰りや配達以外の営業が禁じられていた。市内の各所では22日、店の前の歩道にテーブル席が設置され、「おかえりなさい!」などと書かれたメニュー板が並んだ。夕方から客が続々と集まり、「おめでとう」「ついに戻ってきたぞ!」と喜びの声を上げながら乾杯をしていた。
東芝、迫られた株主還元 「物言う株主」に対応―キオクシア株売却
時事通信 2020年06月23日07時10分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020062200854&g=eco&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit
インターネット会見で株主還元の考え方を説明する東芝の車谷暢昭社長=22日午前
東芝が22日、約40%を出資する半導体大手のキオクシアホールディングス(HD)株式の一部を売却し、売却益の過半を株主還元に充てる方針を明らかにした。旧村上ファンド系など「物言う株主」の要求や圧力に対応を迫られた形だ。投資ファンドの影響力は一段と強まっており、さらなる対話が求められそうだ。
自民から「年内解散」発言相次ぐ 政権逆風で「困難」との見方も
時事通信 2020年06月23日07時06分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020062200869&g=pol
安倍晋三首相が年内の衆院解散・総選挙に踏み切る可能性があるとの発言が、自民党幹部から相次いだ。新型コロナウイルス対応の迷走や、河井克行前法相らの逮捕で政権が厳しい逆風にさらされる中、求心力を保つ思惑もありそうだ。実際には、コロナ禍で傷ついた経済の立て直しは容易ではなく、政権浮揚の材料も見当たらない。こうした現状を踏まえ、早期解散は困難との見方が強い。
◇盟友甘利氏「秋解散も」
◇「首相不信が充満」
きょう、沖縄「慰霊の日」 75年前、20万人超犠牲
共同通信 2020/6/23 00:02 (JST)6/23 00:13 (JST)updated
https://rd.kyodo-d.info/np/2020062201001883?c=39546741839462401
沖縄県は23日、太平洋戦争末期の沖縄戦で組織的な戦いが終わったとされる「慰霊の日」を迎えた。75年前、最後の激戦地となった糸満市摩文仁の平和祈念公園では22日、沖縄全戦没者追悼式の前夜祭があり、遺族らが日米双方で計20万人以上の犠牲者を悼んだ。
韓国、脱北者団体がビラ散布か 真偽確認中、北朝鮮反発も
共同通信 2020/6/23 10:45 (JST)
https://rd.kyodo-d.info/np/2020062301001717?c=39546741839462401
【ソウル共同】韓国の脱北者団体「自由北韓運動連合」は23日、ソウル北方の南北軍事境界線に近い京畿道坡州で22日深夜に北朝鮮を批判するビラ50万枚を大型風船で北朝鮮側に飛ばしたと明らかにした。聯合ニュースによると、周辺を警備している韓国警察や軍は散布を確認しておらず、真偽を調べている。
声を上げる大切さ 安保闘争、今も胸に 当時札南高生・高岡さん SNSの力に希望
北海道新聞 06/23 10:26 更新
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/433365/
日米安全保障条約の改定から、23日で60年。反対運動が高まった当時、札幌でも不戦と平和を求め、条約にあらがった高校生たちがいた。その一人、札幌南高2年だった高岡(旧姓・綿谷)美智子さん(76)=横浜市在住=は学校や家族の反対を受けながら、友人とデモなどに参加。翌年にはその日々を小説にし、ガリ版刷りで出版した。高岡さんは「60年闘争は、今も社会に影を落としている」と語る。
置賜農高、国際認証を取得 花き生産「MPS」、環境に配慮し育成・川西
山形新聞 2020年06月22日 11:24
https://www.yamagata-np.jp/news/202006/22/kj_2020062200492.php
MPS認定証(手前)とペチュニアの花の手入れをする園芸福祉科の生徒たち=川西町・置賜農高
川西町の置賜農業高(吉田直史校長)は、環境に配慮した花の生産者に与えられる国際的な認証「MPS」を取得した。全国の農業高校で2番目で、東北では大学など高等教育機関を含めて初めて。
「こう聴くからこう答えて」 リハーサルして「自白」動画<検察捜査の内幕 河井夫妻逮捕(下)>
東京新聞 2020年6月22日 07時52分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/37070
広島地検が入る総合庁舎=広島市で
今年四月、広島地検に出向いた自民党の広島県議は任意聴取の終わり際、東京地検特捜部の検事から笑顔でこう言われたという。
「あなたの説明は正しかった。行動履歴と一致していましたよ」
県議はこの一カ月前、自身のスマートフォンを検察に任意提出。数回にわたった聴取では、前法相の河井克行容疑者(57)=衆院広島3区=から現金を受け取った場所や日時を聴かれ、覚えているままに答えた。
検事が県議の説明を「正しい」と言い切ったのは、スマホの解析で得た衛星利用測位システム(GPS)情報と一致していたから。そのことを検事から明かされた県議は「丸裸にされている」と驚いたという。
<金口木舌>平和のいしずえ
琉球新報 2020年6月23日 06:00
https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1143139.html
紀元前のギリシャで始まった競技会は戦乱の中でも、4年に一度のこのときだけは争いをやめて開催された。選手は安心して出場し、民衆も観戦できたという
▼憎しみを超えて連帯するスポーツの祭典。意義をよみがえらせようとクーベルタン男爵の提唱で国際オリンピック委員会が1894年6月23日に発足した。きょうはこれを記念するオリンピックデーだ
▼戦後50年の節目に沖縄県が最重要事業として建立したのが平和の礎(いしじ)だった。25年前の6月23日の除幕式典で県は「悲惨な体験をいしずえとして私たちは世界の人びとへ訴える」と非核・平和を宣言した
▼礎は戦争体験を風化させず、教訓を伝える継承の場である。平和の尊さを学ぶ場でもある。建立によって、恒久平和を永遠に世界に訴える沖縄の役割を確認した
▼図らずも「場」の意味が問われたことしの慰霊の日である。全戦没者追悼式の会場を国立沖縄戦没者墓苑とした県は批判を受け、例年通りに平和祈念公園の式典広場に戻した。戦争を肯定せず、美化せず、後世に語り継ぐ意義を思い起こしたい
▼オリンピックデーは第2次世界大戦後に制定された。平和に寄与する五輪の理念を広めるのが狙いだった。きょうは75年前を改めて思い返す日だ。平和を希求する沖縄の原点に立ち戻ることで、心の中の平和のいしずえも、より強くすることができる。