匿名の刃~SNS暴力考 「SNSやるな」は暴論 “炎上”への対処法 実名制や罰則よりも必要なこと
毎日新聞2020年6月18日 07時00分(最終更新 6月18日 07時43分)
https://mainichi.jp/articles/20200617/k00/00m/040/301000c
会員制交流サイト(SNS)で、暴言や誹謗(ひぼう)中傷が集中する「炎上」への対処法が課題になっている。「発信内容を制限すればいい」「気にしなければいい」「SNSをそもそもやらなければいい」などの意見も一部であるが、国際大グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一准教授(ネットメディア論)は「今日のSNSが浸透した情報社会にそぐわない対処法だ」と指摘する。表現の自由を守りながら、私たちは「炎上」にどう対応していくべきなのか聞いた。【野口麗子/大阪地方部】
ネットの特徴そのものが引き起こした
「正義感」の暴走
批判をあおるテレビ
実名化など強い法規制は反対
誹謗中傷投稿前に「アラート」を
河井夫妻を18日に強制捜査 聴取を通告 現金受領側「票のとりまとめの趣旨」 広島地検
毎日新聞2020年6月18日 02時00分(最終更新 6月18日 02時00分)
https://mainichi.jp/articles/20200617/k00/00m/040/291000c
自民党の河井案里参院議員(46)=離党=が初当選した2019年参院選を巡り、夫の克行前法相(57)と案里氏から現金を受け取ったとされる複数の地元議員が、検察当局の任意の事情聴取に「票のとりまとめの趣旨だと思った」と説明していることが判明した。検察当局は公職選挙法違反(買収)の疑いが強まったとして18日以降、事情聴取に応じるよう夫妻に求めており、強制捜査に乗り出す模様だ。
関係者によると、夫妻は案里氏が党公認を得た19年3月以降、地元の首長や県議、市議ら約100人に、それぞれ数万~数十万円を配ったとされ、総額は2000万円を大きく上回っているという。広島地検は現金の提供先が記されたリストを押収している。
「河井事件の徹底捜査を」 市民団体がこぶしふりあげ抗議活動 広島
毎日新聞2020年6月18日 10時25分(最終更新 6月18日 10時26分)
https://mainichi.jp/articles/20200618/k00/00m/040/045000c
河井案里参院議員(46)の公設第2秘書が公職選挙法違反で有罪判決を言い渡され、案里氏と夫の克行前法相(57)が自民党を離党したことを受け、市民団体が17日、広島市中区の街頭で抗議活動を行った。
憲法と平和を守る広島共同センター(川后和幸代表)の呼びかけで「『河井疑惑』をただす会」など10団体23人が参加した。「河井事件徹底捜査を」などと書いた幕をかかげ、各団体の代表がリレー形式で演説し、事件の解明や安倍晋三首相の任命責任を問い、こぶしをふりあげた。
倉重篤郎のニュース最前線 安倍首相は辞任せよ! 任期前退陣勧告5つの理由 追及急先鋒緊急告発
毎日新聞 2020年6月18日 05時00分(最終更新 6月18日 09時59分) サンデー毎日
https://mainichi.jp/sunday/articles/20200616/org/00m/010/002000d
追及急先鋒 田村智子(共産)笠井亮(共産)荒井聡(立憲)…緊急告発
安倍政治を続けることは、もはや「負」を重ねることでしかない。「ニュース最前線」倉重篤郎が、野党精鋭とともに政権に任期前退陣勧告。持続化給付金事業委託問題、拉致問題への不作為、権力の私物化、歪められた経済……など五つの罪状を上げて厳しく弾劾する。
財政民主主義違反、外交破綻、政治破壊、経済弱体化、コロナ対応
あえて水に落ちた犬を打つべし
拉致被害者の生死確定をしなかった
政治への信用崩壊、官僚の劣化…
自民党に自浄能力があるかが試される
立憲離党表明の須藤元気参院議員 涙で語ったロスジェネ世代の本音
毎日新聞2020年6月18日 08時47分(最終更新 6月18日 09時10分)
https://mainichi.jp/articles/20200618/k00/00m/010/007000c
立憲民主党の須藤元気氏(42)=参院比例代表=が17日に開いた離党表明記者会見では、1990年代末の金融危機に伴って生じた「就職氷河期」によって不本意な就職や人生を余儀なくされている「ロストジェネレーション」(失われた世代)の本音がぶちまけられた。18日告示の東京都知事選で、れいわ新選組の山本太郎代表を応援するとツイッターで表明し、執行部から「党の方針に反する」とツイートの撤回を迫られていた。党は須藤氏の離党届を受理せず、「クールダウン」を求める構えだ。須藤氏は会見で「無所属になりますけれども、気持ちは立憲民主党の元に、自分自身はあるつもりです」と語り、「未練」をにじませた。時折涙を流しながら行われた約30分間の会見で須藤氏が語った「本音」と、離党が認められたとしても須藤氏が「れいわ」に参加できない法制上の問題とは……。【宮原健太】
声詰まらせ「この30年間ずっと我慢してきた」
得票のうち85%が政党名
記者会見の主な一問一答
“子ども食堂”の時代―親と子のSOS― 新型コロナ 必要な情報共有を 可知悠子・北里大学講師
毎日新聞 2020年6月18日
https://mainichi.jp/premier/health/articles/20200611/med/00m/100/008000c
新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言は解除されましたが、雇用の厳しい状況が明らかになっています。3月に掲載した連載第13回「経済危機から命や健康を守るために」【https://mainichi.jp/premier/health/articles/20200316/med/00m/100/006000c】では、新型コロナウイルスとの闘いで経済が低迷すれば、働き盛りの人々とその子どもたちの健康が脅かされることが懸念されるとお伝えしました。3カ月前の予測が、現実味を帯びてきています。今回は、最近の雇用情勢と自殺などへの影響についてお伝えし、感染拡大を防ぎながら雇用も守るために、何が必要かを考えます。
リーマン・ショックをはるかに超える危機
多くの失業が顕在化するのはこれから
失業が健康や命を脅かす
感染拡大防止策と経済活動維持のバランスをとるには
非正規・高齢者の労働相談増加 労組や支援団体が対策を国に要望
毎日新聞2020年6月18日 10時14分(最終更新 6月18日 10時19分)
https://mainichi.jp/articles/20200618/k00/00m/040/016000c
新型コロナウイルス感染拡大の影響で労働問題や生活不安が深刻化していることを受け、労働組合や支援団体からなる「コロナ災害を乗り越える いのちとくらしを守る なんでも電話相談会実行委員会」が17日、厚生労働省(東京都千代田区)など関係省庁に対し生活困窮への対策を求める要望書を提出した。実行委が行った全国規模の電話相談の内容を受けての要請で、継続的な現金給付や解雇規制、生活保護制度の改善などを求めている。
実行委は今月6日、4月に続き2度目の電話相談会を全国各地で実施した。1217件の相談があり、うち生活費の相談が552件、解雇・雇い止めなど労働問題が346件。職業別ではパートなど非正規労働者からの相談が315件、正社員123件、無職233件など。月収10万円以下と答えた相談は189件に上り、所持金ゼロは22件だった。
都知事選が告示 コロナに五輪、どう対応?論戦スタート
朝日新聞 2020年6月18日 10時04分
https://www.asahi.com/articles/ASN6L04WZN6KUTIL04Z.html?iref=comtop_8_01
東京都知事選が18日、告示された。感染が収まらない新型コロナウイルスへの対応に加え、来夏に延期された東京五輪・パラリンピック開催の是非が大きな争点となる。コロナ禍で悪化した首都・東京の経済再生策をどう打ち出すかも焦点となる。投開票は7月5日。
2012年、14年、16年の過去3回の都知事選はいずれも任期途中の辞職によるもので、任期満了に伴う選挙は石原慎太郎氏が4選を果たした11年以来となる。
河井夫妻逮捕へ 2600万円買収容疑、東京地検特捜部
朝日新聞 2020年6月18日 5時00分
https://www.asahi.com/articles/ASN6K7JM0N6KUTIL04J.html?iref=comtop_8_02
自民党から立候補した河井案里参院議員(46)=広島選挙区=が初当選した昨年7月の参院選をめぐり、票のとりまとめを依頼する趣旨で約2600万円の現金を地元議員ら約100人に渡した疑いが強まったとして、東京地検特捜部は、夫で衆院議員の克行前法相(57)=広島3区=と案里氏を公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕する方針を固めた。河井夫妻を18日に都内で取り調べる。
2人はこれまでの任意聴取に買収行為を否定している。自民党議員として活動を続けてきたが、16日付で離党届を提出し、17日に受理された。この日国会に姿を見せた克行氏は「法にもとるような政治活動を行ってきたことはない」と疑惑を否定。案里氏は取材に応じなかった。
ポスト安倍への動き活発化 「支持率回復する要素ない」
朝日新聞 2020年6月18日 6時00分
https://www.asahi.com/articles/ASN6K7GQXN6KUTFK016.html?iref=comtop_8_04
通常国会が閉会した。かつては「1強」とも言われた安倍政権だが、一度決めた方針が次々に転換に追い込まれるなど求心力の低下が目立つ。安倍晋三首相の自民党総裁としての任期は残り1年3カ月余り。自民党内では次を見据えた動きが活発化しつつある。
政府・与党は17日、野党が求める会期延長を拒否し、衆参それぞれ週1回、約3時間の閉会中審査と引き換えに閉会を急いだ。
疑惑ずくめ、荒れた言葉、巨額の予算…国会150日検証
朝日新聞 2020年6月17日 20時30分
https://www.asahi.com/articles/ASN6K4CYCN6JUTFK014.html?iref=comtop_list_pol_n03
通常国会が17日、閉会した。2019年度補正予算、20年度当初予算、そして新型コロナウイルス対応のための2度の補正という計四つの予算が成立。政権に向けられた数々の疑惑でも激しい議論が交わされた。異例ずくめの150日間を振り返る。(三輪さち子、斉藤太郎、蔵前勝久)
「桜」で幕開け 定年延長、森友文書改ざん…
矛先、立ち消えの「あの問題」に
「北朝鮮、戦時に近い状態」 韓国の融和政策は正念場
朝日新聞 2020年6月18日 6時00分
https://www.asahi.com/articles/ASN6K6VV5N6KUHBI01N.html?iref=comtop_list_int_n05
北朝鮮が開城(ケソン)の南北共同連絡事務所を爆破した問題に絡み、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の実妹の金与正(キムヨジョン)党第1副部長は17日、韓国が2018年に合意した南北の経済協力を果たしていないことを非難した。北朝鮮軍は開城工業団地と金剛山観光地区に部隊を展開すると表明。相次ぐ挑発に韓国政府は融和政策の修正を迫られつつある。
朝鮮中央通信は17日、北朝鮮が、韓国の文在寅(ムンジェイン)政権が15日に鄭義溶(チョンウィヨン)・国家安保室長と徐薫(ソフン)・国家情報院長を特使として派遣するとした提案を、「荒唐無稽」として拒んだと伝えた。
「トランプ氏は習氏に再選支援を要請」…ボルトン前補佐官の回顧録、日本に関する記述も
読売新聞 2020/06/18 10:37
https://www.yomiuri.co.jp/world/20200618-OYT1T50153/
【ワシントン=横堀裕也】ワシントン・ポスト紙など米主要メディアは17日、ジョン・ボルトン前国家安全保障担当大統領補佐官が近く出版予定の回顧録の内容を報じた。それによると、トランプ米大統領が昨年6月に中国の習近平国家主席と会談した際、今年11月の大統領選での再選に向けて習氏に支援を要請したという。
会談は、大阪市で開かれた主要20か国・地域(G20)首脳会議に合わせて行われたもので、トランプ氏は大統領選に向けて農家にアピールするため、習氏に米国の農産物の購入を加速するよう求めた。習氏が優先事項として協議する考えを示すと、トランプ氏は「あなたは中国史上、最も偉大な指導者だ」とたたえたとされる。
正体不明の浮遊する白い球状物体、東北の広範囲で目撃
読売新聞 2020/06/18 10:11
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200617-OYT1T50252/
宮城や福島、山形県で17日、上空を白い球状の物体が浮遊しているとの目撃情報が県警や気象台などに多数寄せられた。国土交通省仙台空港事務所によると、周辺の県で目撃情報と合致する気球の飛行申請は出ておらず、正体はわかっていない。
物体は、風船のようなものに十字形の部品がぶら下がっている。目撃情報は福島県北部や宮城県南部、中部、山形県東部など広範囲に及び、宮城県警には、午前5時頃から同9時頃までに約30件の110番があった。山形県東根市の山形空港事務所でも午前8時半頃、職員が南の空に物体が漂っているのを目撃した。
相次ぐ黒人首つりで波紋 捜査要求の声強まる―米国
時事通信 2020年06月18日07時09分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020061700775&g=int&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit
24歳の黒人男性が首をつった状態で見つかったとされる木に風船をくくりつけ、自殺と即断した警察に抗議する人々=13日、米カリフォルニア州パームデール(AFP時事)
【ニューヨーク時事】米カリフォルニア州で、黒人男性2人が相次いで木の枝から首をつった状態で死亡しているのが見つかり、波紋を呼んでいる。警察当局は初期捜査で、自殺と判断したが、全米で人種差別に反対する抗議デモが続く中、徹底捜査を求める声が強まっている。
米国ではかつて、白人が黒人を木の枝にぶら下げて私刑(リンチ)殺害する事件が多発し、人種差別の象徴と見なされている。
北朝鮮、文政権は「敵」 軍事圧力強化へ―背景に経済苦境も
時事通信 2020年06月18日07時14分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020061701140&g=int&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit
南北軍事境界線を挟んで対峙(たいじ)する北朝鮮軍(向こう側)と韓国軍の監視所=17日、韓国京畿道坡州(EPA時事)
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の特使として訪韓し、文在寅大統領(左)と会談する金与正党第1副部長(右)=2018年2月、ソウル(AFP時事)
【ソウル時事】北朝鮮が韓国との対決姿勢を一段と鮮明にしている。金正恩朝鮮労働党委員長を非難するビラを散布したとして南北共同連絡事務所を爆破。朝鮮人民軍総参謀部は17日、南北協力の象徴とされる開城工業地区に軍部隊を展開する方針を明らかにした。北朝鮮国内では経済苦境に不満が高まっており、文在寅政権を「敵」とすることで引き締める狙いがあるとみられる。
批判攻勢の口火を切ったのは、南北関係改善を主導してきた正恩氏の妹、金与正党第1副部長。17日の談話で「北南関係のあらゆる問題をいちいち(米国の)ホワイトハウスにお伺いを立ててきたことが今日の残酷な結果となった」と、経済制裁の枠内でしか協力を進められない文氏へのいらだちを隠さなかった。
トランプ米大統領のめい、暴露本出版へ 「破滅的人間関係」回顧
時事通信 2020年06月17日10時55分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020061700458&g=int
トランプ米大統領=15日、ワシントン(EPA時事)
【ニューヨークAFP時事】トランプ米大統領のめいで心理学者のメアリー・トランプさん(55)が来月、大統領と過ごした過去や家族関係の内幕をつまびらかにする暴露本を出版することが16日、明らかになった。これまで大統領をめぐる書籍は、側近やジャーナリストが出してきたが、親族が著すのは初めて。
コンビニ、脱プラ加速 弁当や飲料、紙製容器に
時事通信 2020年06月18日07時15分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020061701119&g=eco
セブン―イレブン・ジャパンがチルド弁当に採用した紙製容器(同社提供)
コンビニエンスストア大手3社が、プラスチックの削減に向けた取り組みを加速させている。いずれも「2050年までに自社商品の容器で環境配慮型素材100%使用」の目標を掲げており、紙やバイオマス素材の採用が広がっている。
セブン―イレブン・ジャパンは今月から定番のチルド弁当4品を順次、紙製容器に変更。これにより、プラ削減効果は年約800トンと見積もる。また、カフェラテの包装フィルムやカップ総菜のふたを廃止し、プラ使用量を従来品から10~25%カットした。
花火業界、存続の危機 新型コロナで大会中止―伝統継承にも黄信号
時事通信 2020年06月18日07時08分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020061700734&g=soc
倉庫いっぱいに積まれた4尺玉の打ち上げ花火を見詰める磯谷煙火店の磯谷尚孝社長=4日、愛知県岡崎市
打ち上げ花火の写真の前に立つ磯谷煙火店の磯谷尚孝社長=4日、愛知県岡崎市
「ドーン」という音とともに、夜空をきらびやかに彩る夏の風物詩、花火。しかし、今年は新型コロナウイルスの影響で各地の花火大会が次々と中止され、業界に危機感が広がっている。来年以降の開催も不透明で、伝統文化の継承も不安視される。
愛知県岡崎市の「磯谷煙火店」は、4月下旬から休業に入った。年間売り上げの9割を占める9月までの花火大会は相次いで中止になり、昨秋から生産してきた花火10トンが倉庫に眠る。明治時代からの家業を受け継ぐ4代目社長の磯谷尚孝さん(61)は「ここまで落ち込むのは戦後初めて」と肩を落とす。
コロナと五輪論戦、都知事選告示 感染防止、オンライン活用
共同通信 2020/6/18 10:38 (JST)
https://rd.kyodo-d.info/np/2020061801000691?c=39546741839462401
任期満了に伴う7月5日投開票の東京都知事選が18日告示され、午前10時現在で無所属現職の小池百合子氏(67)と新人10人の計11人が立候補を届け出た。主な争点は新型コロナ対策や五輪・パラリンピックの対応。各陣営には感染防止対策で密集回避の動きが広がり、7月5日の投開票に向けてオンラインを活用した選挙戦が展開されそうだ。
JR東、車両部品に損傷相次ぐ 特急25本運休
共同通信 2020/6/18 08:51 (JST)6/18 10:44 (JST)updated
https://rd.kyodo-d.info/np/2020061801000644?c=39546741839462401
JR東日本八王子支社は18日、特急7編成の車両でパンタグラフの損傷が相次ぎ見つかり、「あずさ」「かいじ」など上下25本を運休すると発表した。各列車はいずれも2017年に運行を始めたE353系。原因のほか、他の車両に同じ損傷がないかを調べている。
<金口木舌>ジョン万次郎を物語る古文書
琉球新報 2020年6月18日 06:00
https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1140384.html
初めて出合ったのは小学校の教科書だったか。今の高知県、土佐の国生まれ。漁で遭難したところを捕鯨船に救助されて米国に渡り、日本に戻って日米の懸け橋となった。ジョン万次郎だ
▼勝海舟や福沢諭吉らと共に「日米修好通商条約」批准のための幕府の海外使節団に随行した。海外事情の見識は坂本龍馬や中江兆民にも影響を与えたとされる
▼万次郎が米国から日本に戻った際、最初に上陸したのは沖縄本島南部の大度海岸だった。この漂着事件についてまとめた琉球王国時代の文書「土佐人漂着日記」の現代語訳がこのほど「豊見城市史だより」に掲載された(13日付本紙)
▼西洋の装いの万次郎たちに日本の着物を支給すべきかなど、首里王府にさまざまな伺いを立てていることが見て取れる。酒も提供するなど、万次郎らの帰国後の報告で琉球人の「思いやり」精神が伝わるかもしれないとの思惑も記されていて興味深い
▼古文書は地域史や学校教材にも取り上げられ、いにしえを知る上で重要な史料だ。「椿井文書(つばいもんじょ)―日本最大級の偽文書」(中公新書)が地元で波紋を広げているという。京都府山城地域の自治体史にも引用されている史料が創作だったと指摘している
▼漂着日記はもちろん本物だ。歴史を読む楽しさと記録する重要性を教えてくれる。後世の人が今の公文書のありさまを知ったら何と言うだろう。