【ばってん少女隊ツアーファイナル】

 今日はGuruConnectとDaokoに尽きる。GuruConnectのリミックスは真っ黒! これにDaokoが真っ向から挑み、多彩な歌唱表現を魅せたのは圧巻だった。今流行りの「オルタナティヴR&B」とはまさにコレ。GuruConnectの漆黒のグルーヴが闇を切り裂き、Daokoが会場を激震させた。
 GuruConnectのBLACKで和をモチーフとしたSEは現下のばってん少女隊の路線・音楽世界観を鮮明にしていたそこから「和・華・蘭」、そしてDJがPARKGOLFにバトンタッチしカラフルでテクノ・ポップなミックスの「あんたがたどこさ」へ。一部対バン公演に関して、たとえ曲目数が限られていようとも、現時点の<和製(HAKATA) レディ・ソウル>としてはほぼ完璧なセットリストだった。PARKGOLFのカラフルで予測不能な音色でこれだけオルタナティヴR&Bとソウル・ミュージックを惜しみなく投入するなら、否が応でもばってん少女隊のパフォーマンス力をいよいよ引き立てる。
 YOIMIYA⇒『水星』⇒でんでらりゅーば!では全員が合流し、さながら異種格音技★

【二部公演】
 二部公演でも光ったのはPARKGOLFがDJを担当したブロック。楽曲の繋ぎ、R&Bアレンジと音色は見事! さらには御祭sawagiでは、この曲を提供してくれたPARKGOLFに加えてASOBOiSMがゲスト出演。同じ曲でもこれほどまでに違うのは、それは精度の高い魅せるダンスで楽曲を引っ張るばってん少女隊とは異なり、ASOBOiSMとPARKGOLFが自らの体内から魂の音楽(リズム)を発信しているから。
 しかしながら、最終盤はこのツアーで何を一番魅せたかったのか、的が絞り切れていない印象も受けた。もちろんかつてから成長したばってん少女隊のパフォーマンス力は伝わってくるのだが、今一番魅せたいのは懐かしい過去の想い出のヴァージョン・アップ? この辺がここ一番のライブ以外では、ついにリンドバーグとそれ9を封印したukkaとの意識性の違いだろう。もちろん、過去の曲をやることが間違いなのではない。むしろ、過去の曲をセットリストのどのタイミングでやるか?、現在的にばってん少女隊がいかなる音楽を聴かせ・魅せ・心躍らすかが重要なのだ。とりわけ、最終盤はそのアーティストが今このライブで一番魅せたい楽曲パフォーマンスをやるべきなのだ。こうした観点から、最近のばってん少女隊の弱点とも言える、最終盤のセットリストに関しては課題が残った。
 その点、Blu-rayが発売されたばかりの『今宵はヒナタのジングルベル』公演での、PARKGOLFリミックス「無敵のビーナス」バラードver.は、たとえ過去の曲だろうとも感動的だった。この一曲に今のばってん少女隊のすべてが凝縮されていた。
 おそらく、9周年ライブは『九祭』の総決算とばってん少女隊結成以来の歩みと10年目突入=2025年の10周年に向けた決意表明がメインとなるだろう(おそらく秋のツアーはニュー・アルバムからの先行披露がメインとなると推断する。そして年末ライブと来春10周年ツアーはニュー・アルバムと新録最新サウンドのベスト・アルバムを引っ提げたライブとなることは間違いない。)。その意味では序盤以上に終盤に揺るぎない今のばってん少女隊のすべてを、惜しみなく投入する必要がある。アップテンポの楽曲かバラードかという問題でもない。厳しいようだが、聴衆の心に刻まれるライブができたかどうかがいっさいの基準となる。

 「努力に見合った成功を収めた2度目の武道館に比べると、努力を超えた領域に、ニコはこのライブで足を踏み入れた。もちろん技術を習得する努力は必要である。しかしそうした技術や知識を使って、オーディエンスにどんな音楽を提供するのかが最大の価値なのである。ニコはビルボードで、そのビジョンをはっきりつかんだ。だから、僕は、これがバンドの運命を決定づけたライブだったと断言する。」


【ヒント】

(SUMMER SONIC2022に出演した時のことを思い出し、もしばってん少女隊がブルーノート東京、ビルボードライブ東京で初見の音楽ファンを前にLIVEをするならと想定して、セットリストを組んでパフォーマンスをするつもりで、考えてみてごらん。絶対に上手くゆくから。)


 その意味で、ばってん少女隊ツアーファイナル一部公演・二部公演は、現下のばってん少女隊の組織戦術のすべてが赤裸々に明らかとなったライブだった。すべてを観ることが出来て嬉しかった★

🟩希山愛
ダンスに歌にずば抜けた安定感と安心感 ザ・職人芸

🟥上田理子
歌唱ではかなり楽曲世界に入り込もうとしている 歌唱に艶が増し、きめ細やか

🟨春乃きいな
ナチュラルに声量が増した感じ 凛として歌唱が響く ダンスでも感情表現が増した

🟪瀬田さくら
クールな声質と可愛らしい声質を自在に操る 会場の雰囲気を一変させるエースの業 けっこうクールでロックフェス調の煽り

💟蒼井りるあ
ともかく身体表現はピカ一。オートチューン向きの歌唱は絶品。歌詞のワンフレーズにも歌にダンスに様々な感情を湧かせてくれるメンバーになってくれた

🟦柳美舞
声質が太くなり歌唱がどっしりするようになった 月間偶像第三弾でのレコーディングの成果だろうか びっくりするくらい聴かせるようになった 理子美舞ダブル歌姫体制の確立が秒読みに入った感!!