▲2024年1月3日現在、ローチケとイープラスは▲、ぴあはリセールあり。


 ▲12月31日  5人で新曲「スーパーガール★センセーション」披露




2023年12月20日発売

ukka(ウッカ)

メジャー1stフルアルバム

『青春小節~音楽紀行~』

【収録曲目 全12曲】
01.We are...
02.Rising dream
03.wonder little love
04.TAiLWiND
05.カノープス
06.don't say Love
07.コズミック・フロート
08.ティーンスピリット
09.スーパーガール★センセーション
10.Glow-up-Days
11.つなぐ 
12.We are...(reprise)





 昨年2023年12月20日、ukkaは本作 1st album『青春小節~音楽紀行~』をリリースした10日後、12月30日6人体制(現実的には11月24日から8人体制)で有終の美を飾った『川瀬あやめ卒業公演~次のストーリー~』を、翌日12月31日の大晦日には7人新体制で『第7回 ももいろ歌合戦』に出演した。
 12月30日の「次のストーリー」公演は<一編の、珠玉の交響詩>と呼ぶべき、感無量の公演となった。

 新作「Rising dream」から桜エビ~ず時代の「タリルリラ」まで、桜井美里さん(12月31日スターダスト退所)、水映さん(在籍時は水春)も会場に招いた中で、全20曲を披露。
 2021年9月25日に6人体制になって以来最高の、否、結成以来最高のライブパフォーマンスだった。
 元メンバー水春さんが在籍当時に振り付けを担当した「時間。光り輝く螺旋の球。」のアウトロを挟んだ「AM0805の交差点」の対比はなんとドラマティックだったことか! さらに、「おねがいよ」ではこの曲の初披露以来数えるほどのスタンド・マイクでのパフォーマンスを経て、ツーコーラス目が終わるや否やエモーショナルなダンスパフォーマンスで締めたのは圧巻だった。極めつけは、「カノープス」「リンドバーグ」「それは月曜日の9時のように」。ukka6人の成長した姿は眩しかった。
 新体制ukkaのエース芹澤もあさんの魅力的なダンス、高音をコントロールし一歩自覚を高めている姿は頼もしかった。これから押しも押されもせぬ新エースとしてますます期待が高まることだろうが、彼女ならきっとさらなるチームの飛躍を勝ち取ってくれるだろう。
 川瀬あやめさんからバトンを受ける新歌姫の結城りなさんは、リズム感抜群なダンスは元より、音程・ピッチの安定感に加えてロックンロールな歌いまわしと、落ちサビなどでの情感豊かな歌いまわしを的確に使い分けられるようになっていた。低音でどっしりと重みが出てきたこと、だが彼女は高音でも必要以上に力まない。時に切なさたっぷりの歌唱は<哀愁のりな>と呼ばれる事になってゆくだろう。
 限られた場面以外努めて涙をみせようとしなかった葵るりさんの体幹美しいダンス、ためらいがなくなり思い切りの良くなった歌唱は、目を見張る成長を感じさせた。ステージ衣装が抜群に似合う均整の取れた美しい彼女は、実は決して音程を外さない。もちろん、限りなく涙をみせる事のなかった理由は、彼女がすでに始動している新体制に並々ならぬ決意をもっているからに他ならない。それはデビュー以来決して諦めることのなかった葵るりさんの揺るぎない誇り(プライド)に他ならない。
 新体制のステージメイカー・村星りじゅさんは、ますます美香に磨きをかけ、凛とした歌唱とダンスでチームパフォーマンスの絶妙なアクセントをつけた。凛とした頼もしさながら、歌に緩急をつけようとしていた意識性の高さは決して見逃せなかった。
 新体制の大黒柱・茜空(あかね そら)さんは、ダイナミックにして艷やかな表現力が輝いた。そればかりか、大人になった彼女は歌唱スタイルをついに完成させていた。力強い歌唱と色香のある歌唱に加えて、高音パートでふわりと肩の力を抜き、優しく柔らかくあたたかみのある歌いまわしに置き換える歌唱スタイルに転換した(とりわけファルセットは見事だった)ことで、ukkaの歌唱力に厚みが増した。つまり、彼女のパートを軸として5人の誰にでもバトンを渡すことが出来るのだ。例えば、彼女から村星りじゅさんならサビを鮮明にすることが出来るし、彼女から結城りなさんならサビで決め切ることが出来る、さらに彼女自身が務めるなら優しさとあたたかみを出すことが出来る。いわゆる歌姫とは言えないが、ついに、なんの力みなく3パターン(剛・艷・柔)の歌いまわしを操るようにまで成長した彼女に、<ukkaドラマティック・ポップス>への誇りを感じたのだった。新章Ladys & Girls・ukka「New Chapter “7”」に向けた切り札中の切り札、鉄壁の<黄金パターン>が確立した瞬間をみた!
 かくして、万感の思いで30日31日を駆け抜けたukkaは、来たる1月21日LIQUIDROOMにて
『ukka新体制お披露目ワンマンライブ「New Chapter “7”」』を準備している。
 このライブは絶対に見逃せない。STARDUST PLANET研究生から獲得したゴールデンルーキー宮沢友さんと若菜こはるさんはいったいどんなハーモニーを魅せてくれるだろう? ukkaは戦力ダウンどころか、より厚みを増して、清新な春の嵐を巻き起こすだろう! まさにそのシンボルこそ、本作『青春小節~音楽紀行~』に他ならない。
 <ukkaドラマティック・センセーション>──新たなる伝説の幕開けである★

 以下、本作『青春小節〜音楽紀行〜』を紐解く、旅に出てみよう。





1.We are...
※overture
作曲 タケダナオキ / Lotus Leaves
編曲 高野勲

 2020年7・23「ukka 1st streaming live 2020」 で初披露されたovertureの新録版。ラストのrepriseではさらに大胆にアレンジされている。ここからukkaの「音楽紀行」が始まる!




2.Rising dream
※10月29日「スタプラアイドルフェスティバル~秋の新曲収穫祭~」で先行披露
作詞 中村彼方
作曲 賀佐泰洋
編曲 賀佐泰洋

 ukka新境地のストレートなロックンロール・ナンバーで、ためらいを吹っ飛ばす活力にみなぎっている。2022年の秋口頃から曲調によって試してきた結城りなの巻き舌ロックヴォーカル、村星りじゅの冒頭と終盤のシャウト、茜空のファルセットは抜群の出来。
 ukkaの新境地ながら、原点回帰への意味も込められており、周囲の喧騒を蹴散らしリベンジする決意が描かれている。「これは誰のためのstory 私でしょ」の歌詞にすべてが込められている。
 少女から大人への狭間を歌うこの曲から始まり、このアルバムは、大人へと羽化してゆく曲で終わる。まさしく、このアルバムはukkaの青春紀行でもあるのだ。




3.wonder little love
※6月21日リリース1st single表題曲
作詞 藤原優樹
作曲 浅田将明
編曲 浅田将明

 一転して、ビートルズの(名盤サージェントペパーズの2曲目の)ようにちょっぴりサイケでファンタジックなラブ・ソング。芹澤もあとここぞのパートで印象的な葵るりが大活躍。茜空がここでも柔らかく優しく繊細に歌うパートで良い味を出している。




4.TAiLWiND
※1st single収録曲
作詞 ペンギンス / Yuqui-lah / 澤田達成 / オーノカズナリ
作曲 ペンギンス / Yuqui-lah / 澤田達成
編曲 澤田達成

 メロウだが勇気や希望を感じさせる爽やかなポップナンバー。別々の道を歩むようになった二人の広義の友情が描かれている。追い風を意味するタイトルのこの曲は、実は久々に戸惑いや迷いなど<ukkaブルー>がキラリと光る。




5.カノープス
※12月3日「TODOROCK!! IDOL FESTIVAL」で先行披露
作詞 オーノカズナリ
作曲 八木篤史
編曲 賀佐泰洋

 これは名曲、バラード。一見、90年代のタッチだが、サビがチャゲ&飛鳥(CHAGE and ASKA)の「万里の河」のように力強く素晴らしい。 
 カノープスとは龍骨座でシリウスに次ぐ二番目に明るく煌めく星座。まるで前曲で違う道を進んだ二人の続編のような曲順(構成)。しかも、COVID-19下のウクライナやガザ(パレスチナ)ともリンクさせ、戦火の絶えない世界を憂うメッセージすらも込められている力作。様々な感情が交錯する青春の過程。アルバム用にレコーディングした新曲はすべて前述した伝家の宝刀<ukkaブルー>で勝負している。

幻じゃない(村星) 憧れの残像(ALL)
愛は紡がれてゆく(川瀬)


(結城)
あの日 見えた瞬きが
幾つの今日を紡いでる

ここの落ちサビ(特に結城の安定感と説得力ある歌唱)は素晴らしい。別々の道を進む愛の行方と世界「平和」が掛けられている、だがサウンドと歌唱に感動がある。だから、このあと全員でのサビのコーラスが生きている(『万里の河』ばりの絶妙な泣きのメロディライン)。このコーラスの終盤の終盤に、2023年以降試みてきた茜空の優しくあたたかみのある歌声が滲む。最後はデレク・アンド・ザ・ドミノス(エリック・クラプトン)の『いとしのレイラ』を彷彿とさせるピアノの調べ。
 まさに<ukkaブルー>、ukkaのバラード最高傑作と断言したい。
 これぞ<ukkaドラマティック・ポップス>の決定版だ★




6.don't say Love
※11月12日HERE presents『ハイテンションフェス2023』で先行披露
作詞 中村彼方
作曲 徳田光希
編曲 佐藤清喜 / 徳田光希


 70年代後半〜80年代(山口百恵⇒中森明菜に代表される)ラテン歌謡を今日的に落し込んだ良作。もう少しアレンジかメロディラインを洗練させれば傑作になったかな。ukkaが自立した女性像を歌うようになったという点では画期的。




7.コズミック・フロート
※1月18日リリース・メジャー3rd digital single
※第12回アイドル楽曲大賞2023「メジャーアイドル楽曲部門」2位受賞曲
作詞 藤原優樹
作曲 徳田光希 / whatsme
編曲 whatsme


 2023年12月30日明け方に投票結果が発表された第12回アイドル楽曲大賞2023「メジャーアイドル楽曲部門」2位受賞曲。ミドルテンポのEDMで始まるがサビへ向けて黒っぽくアップテンポに変わってゆくこの曲(LOVE SONG)は圧倒的だ。マドンナが『Erotica』(エロティカ)ならukkaはこの曲で<ロマンティカ>を対置できる。それくらいukka特有の焦燥感と希望とロマンが見事ドラマティックに調和し、有無を言わせず波動となって押し寄せてくる。
 桜エビ~ずから改名し今日に至るukkaの最高傑作だ。この曲でukkaは桜エビ~ず時代の名盤『octave』の呪縛から解き放たれた。





8.ティーンスピリット
※9月30日「cresc.」で先行披露
作詞 タカハシヒョウリ
作曲・編曲 Dr.Usu

 アルバム収録作品として真っ先にオンエアされたこの曲も素晴らしい。キャッチーで力強いサビ、今流行りのポップ・パンク(およびロックンロールナンバー)。
 安定感抜群の結城りなが巻き舌ロックンロールヴォーカルで蹴散らし、最初の「踊れ」で茜空がボブ・マーリーばりに黒っぽく煽り・もう一度キュートに柔らかく歌ったのちに、歌姫がキメる、ukka鉄壁の黄金パターンがこれほど小気味良いまでに決まるのは痛快至極。




9.スーパーガール★センセーション
※未発表新曲
作詞・作曲・編曲 縄田寿志

 タイトルとは裏腹にコズミック・フロートをもっとクールにしたようなソウル・ミュージックおよびシティ・ポップナンバー。ティーン・スピリットの流れとの対比も効いている。力作ぞろいのアルバム曲中でも傑出した作品で、かつてならコンペで勝ち抜いて、SMAPのレパートリーになる曲だ。
 事実上の、Ladys & Girls・ukka新体制第一弾ソングは巨弾だ! まさに、<ukkaドラマティック・センセーション>★




10.Glow-up-Days
※1st single収録曲
作詞 咲岡里奈
作曲 長谷川大介
編曲 長谷川大介


 サンバっぽいリズムが印象的な1980年代風ディスコナンバー。いい曲だよな。



11.つなぐ
※未発表新曲・アルバムリード曲
作詞 中村彼方 / オーノカズナリ
作曲 坂部 剛
編曲 坂部 剛

 卒業をイメージさせたやすらぎあるロクヨンの60年代ロッカ・バラード黄金パターン(ukkaが歌うとポップバラード)。桜エビ~ず最初のオリジナル『Believe』への返歌にもなっていて、6人のコーラスが無上に美しい。切なさを経て、終いには清々しささえ感じるのは私だけではないはずだ。
 オーノカズナリが直々に手直ししたこの曲の歌詞は、メンバーへの直接のメッセージとなっている。
 それぞれの旅は柔らかく包むようにつながりゆく。





12.We are...(reprise)
作曲 タケダナオキ / Lotus Leaves
編曲 高野勲

 完全新録版のoverture。ukkaの旅は続く。











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