9月26日、ukka(うっか)の川瀬あやめさんが本年12月30日をもって、「卒業」並びにSTARDUSTを退所することを発表した。
 それから4日後の9月30日には、ukka 1st album(桜エビ~ず名義でのインディーズ時代から通算3枚目)を12月20日にリリースすることを発表。すでに、10月9日からアルバム先行曲「ティーンスピリット」を引っ提げてアルバムリリースイベントを開始(12月24日まで)した。

 

 ukkaの前身「桜エビ~ず」結成からukkaを支えてきた川瀬さん、村星りじゅさん、茜空さんは翌2016年に加入した芹澤もあさん、そしてukka改名後の2021年9月加入11月デビューした結城りなさん・葵るりさんと共に、現6人体制の集大成を魅せる決意でのぞんでいる。
 この只中で、10月14日に東京キネマ倶楽部で開催された、ukkaワンマンライブ「déjà-vu」では、劇場型ライブハウスの地の利を生かし、芝居や歌謡曲coverも交えたライブを実現。特にライブパートでは6人現体制の完成をみた! 最後に、新メンバーとしてスタプラ研究生として活躍中の宮沢友さんと坂井小春さんの中学生メンバーが来たる11月24日ukkaに加入することが発表された。

 

 

 こうして、現に今、ukkaは結成以来の集大成を魅せると共に、前へ前へとアクセルを踏みこんだ。


 そこで、今、僕は思うのだ。川瀬あやめさん!、君の奮闘なくしてはukkaのこれまでの成長はあり得なかった、と。数多のピンチをその都度、根底からひっくり返してきた<ukkaドラマティック・ポップス>は必ずや受け継がれることだろう! 来る日も来る日も、君が描き続けてきた青春小節=青春小説そのものが劇的だった。だから、僕は今に至るもなお、桜エビ~ず⇒ukkaに魅了されている。
 これは劇的だったと思うステージも、なんだかなあと思うステージも、それはukkaだからこそ!なのだ。今でも僕は、ukkaはあれこれを論ずるに足る、素晴らしい<小節=小説>だと思う。ばってん少女隊のステージも、ukkaのステージも、音楽パフォーマンスで心を動かされるから、観て語る。
 今はただただ、川瀬あやめさん、君にukkaで良かったと完全燃焼してほしい一心だ。

 ふり返ってみれば、結成、当初、歌が上手な快活なお嬢さんだった川瀬あやめさん、君は、いつしかステージメイカーになった。君が最後方からゆっくりとセンターポジションに移動し、股を開き気味に足腰を沈めロングトーンやフェイクやファルセットを決める時、誰もが君の歌声にゾクゾクし次の瞬間、まさに会場が激震する。ちょっぴりの自信と内心の弱気や自己嫌悪にその都度揺らめきながらも、ステージパフォーマンスでは川瀬さん!君は一度として曖昧な態度なく、常に振り切ってきた。私が、という自我が強まった時にも、けれども君はukkaとukkaを応援してくれる人々を愛していた。ももいろクローバーZに憧れハロプロも好きな君は、それ以上にukkaを愛し青春を捧げた。ももクロにはなれなかったが、君は押しも押されもせぬ唯一無二の記憶に残るアイドルとなった。
 もちろん、茜空さんも村星りじゅさんも芹澤もあさんも、結城りなさんも葵るりさんも、ukkaとukkaを応援してくれる人々を愛しているのには変わりない。もし、川瀬あやめさんが一点だけ違ったのだとしたら、あやめさん!君の状態がそのままukkaの現状を表していたことだと思う。出来て当たり前──こう思ってきてしまった事はちょっぴり申し訳ないと、今は思う。特に、桜井美里さんそして水春さんが抜けた時には、君に双肩がかけられ・プレッシャーがのしかかり・つらい思いもしたと思う。こんなに頑張っているのに分かってもらえない!と世を恨んだ瞬間もあっただろう。けれども、僕は桜エビ~ずに共感しこそすれ同情したことはただの一度もなかった。《われわれは救済の対象ではない、再生の主体であり、まさに自己解放の主体なのだ》から。
 だから、その後君は村星りじゅさん、茜空さん、芹澤もあさんを信頼し、ukkaの新たな魅力を生み出していった。さらに結城りなさんや葵るりさんが急成長されたことに誰よりも手応えを感じたに違いない。
 率直に言って、川瀬あやめさん君がももクロの4人や真山りかさんのようにukkaを土台から牽引し続けていってほしかった。けれども、君はukkaの現体制6人が桜エビ~ず結成以来最高のチームになった事でバトンタッチした。それも川瀬あやめさんらしいのかなと今思う。

 だが、川瀬あやめさん、僕は8年間の君の活躍を讃えさせてほしい。8年前に「私立恵比寿中学の研究生的存在」として出発した君たちは、それどころか今、まったくの同格にして、真山りかさん、安本彩花さん、星名美怜さん、小林歌穂さん、中山莉子さんと共に、かけがえのないアイドルだと思う。そんなukkaは今では、スタプラ研究生を昇格させ獲得するグループへと成長を遂げた。僕はまずなによりもこのことに感慨を覚えた。そんなukkaの成長には、つねにあやめさん!君の存在が欠かせなかった★

 僕は今ここに断言したい。2018年─2020年、桜エビ~ず⇒ukkaはアイドルに革命を起こしたのだ、と。一夜にして君たちのステージやワンマンを一目みたいと大勢のオーディエンスが押しかけるようになった。君たちの生命戦をなす劇的=ドラマティックなパフォーマンス、最良の音楽で劇的なパフォーマンスを目指すukkaのひたむきなステージがついにアイドル界隈の主流となった。BiSHやフィロソフィーのダンスとukkaの<アイドル革命>がなければ、(すべてを兼ね備えた超ときめき♡宣伝部は別格中の別格として)今でも2010年代型の「今会える」“かわいい”イベント型アイドルが主流となっていたことだろう。だが、君たちの情熱が時代を変えた。十二か月連続配信で勝負に打って出た君たちのアルバム『octave』がなければ、解散の危機から一転さらなるアイドルのライブパフォーマンスを完成させた<和製(HAKATA) Lady Soul>ばってん少女隊の飛躍も、AMEFURASSHIの魅せるダンスパフォーマンス路線も生まれることはなかっただろう。それは2018年─2020年に君たちがアイドルの革命の突破口を切り拓いたことでもたらされたのであり、ばってん少女隊やAMEFURASSHIはおろかそもそも誰もこんな(ポップスとして完成された)アイドルの楽曲パフォーマンスを発想することすらなかったに違いない。そして一周回って、今、ukkaは試行錯誤の末に、ついに6人現体制のステージパフォーマンス<ukkaネオ・ドラマティック・ポップス>を完成させた。パフォーマンスに散見される弱点すらも、魅力的に映る、こんなukkaを誰が想像したことだろう!
 
 かくして、川瀬あやめさん君は今も僕たちをわくわくさせてくれている。

 そんな、ukka2018年─2020年のアイドルの概念及びステージパフォーマンスの革命は、どうしてハジマったのか?、そして、いかなる?、どのような革命だったのか? この事を今、改めてふり返ってみたい。
 
 <情熱のukka2023>を最後の最後まで楽しむために!こそ★