🎥音楽の日配信決定💻
— ばってん少女隊(BATTEN GIRLS) (@battengirls_jp) 2023年8月5日
8/20(日)Zepp DiverCityにて行われる、「BATTEN 音楽の日〜隊員と作るリクエストライブ〜」の有料配信が決定しました!
アーカイブは、8/27(日)23:59まで🖐️
前売購入特典として写真データをプレゼント🎁
※8/11(金)Zepp Fukuokaの配信はありません。https://t.co/owloeAmudp pic.twitter.com/0GJHwkRm2C
ばってん少女隊 3rd Album
『ふぁん』
2020.10.28 Release
BATTEN Records
BATTEN Records
ばってん少女隊
(BATTEN GIRLS)
希山愛
上田理子
春乃きいな
瀬田さくら
星野蒼良(〜2021年3月28日脱退)
01.ふぁんtasy
02.スウィンギタイ
03.MILLION SUMMERS
04.OTOMEdeshite
05.でぃすたんす
06.OiSa
07.Dancer in the night
08.ジャン!ジャン!ジャン!
09.ありがとーと
10.Dear My Blues
11.Just mean it!
12.Over
【ボーナストラック】
<ダウンロードカード付き豪華動画盤>収録
13.Happy
2020年この年、日本では1月よりCOVID-19が席巻。前年VICTORとの契約が満了したばってん少女隊は、4月30日には西垣有彩さんがグループを脱退(今も女優として活躍中)、新たな挑戦を開始する切り札として、2019年末より水面下で準備してきたばってん少女隊の自主レーベル<BATTEN Records>を設立し(この年2020年6月1日に満を持して発表)大々的に再始動した。
この只中で疫病が蔓延していったがチームばってんはピンチをチャンスへと転化すべく全力を傾ける。その結果、世間をどよめかせたばってん少女隊起死回生の名盤が誕生した。
従来、バンドサウンドに拘り(私見では)スカコアっぽいロックンロールとアイドルポップスの二本立てだったばってん少女隊は、一曲一曲が完成された本作で、無限に音楽世界観の幅を広げたのは特筆すべきだ。
守勢から攻勢へ──6月21日に新生「BATTEN Records」から5週連続新曲リリースを開始したばってん少女隊は、間髪入れず当日You Tubeにて、「ばってん少女隊─結成5周年!!!Specialオンラインライブ」を開催し、フルアルバム制作とライブ開催を電撃的に発表した。アルバム発売直近の10月3日と10月4日には、この年オンライン開催となった「TOKYO IDOL FESTIVAL 2020」での2日間全曲新曲披露、前年末アイドル楽曲大賞3冠をかっさらったukkaと共にばっしょーの新曲パフォーマンスは鮮烈な印象を残した。
▼直後の10月5日放送
存続すら危ぶまれた「スカコアのばっしょー」がなんと!ジャズテイストを散りばめたソウルやファンク、シティーポップで真っ向勝負を挑んできた!、これは革命だ!?──アイドル界隈が激震するメガトン級のインパクトをもたらしたのだった。
COVID-19下の「不安(ふあん)」を音楽で「FUN(ふぁん)」へ変え楽しんで欲しい!、という思いをも込めて完成させたアルバムの真意は以下の意味で明らかだった。COVID-19下でも私たちはあきらめない、(来たる新体制突入に向けて)、むしろ「ファン」のみなさんにもう二度と「不安」を感じさせず、不断に「FUN」=楽しんでもらえるグループを目指します!、という熱い思いが当初から込められていたに違いない。
星野蒼良さんが参加するラストアルバムともなったこのアルバムは、レーベルをまたぎつつ2年連続3枚目のオリジナルアルバムとして、遅れてきた九州の六神童・ばってん少女隊をついに真にスターダムにのし上げた記念碑的名盤だ。
2021年に蒼井りるあさんと柳美舞さんを獲得し新体制へと移行するばってん少女隊も、このアルバムがなければその歴史に確実にピリオドが打たれていたことだろう。
ここにばってん少女隊<和製(HAKATA) Lady Soul>ととらえ返しうる基本路線の、本質的完成を見た!
以下、収録曲全曲をみてゆきたい。
01.ふぁんtasy
作曲:久下真音
欅坂46『サイレントマジョリティー』を編曲した、くしたまいん提供。このアルバムでは実は「OTOMEdeshite」「でぃすたんす」「Just mean it! 」の3曲を提供している。
名盤『ふぁん』のトーンを決めたと言っても過言ではない。
02.スウィンギタイ
作詞・作曲:AKIRASTAR
お馴染みのAKIRASTAR提供。スウィング(スウィンギン・タイム)と心技体をかけたヒラメキが抜群だ。
ファンクというより、Jazzyなソウルミュージック。温故知新なルーツミュージックは異様にグルーヴィーだ。
1曲目から驚くのは、楽曲の素晴らしさもさることながら、ばってん少女隊5人のメンバーの歌唱力が格段にレベルアップしたことによる、ポップミュージックとしての聴き心地良さ。
この曲の素晴らしさは、COVID-19を吹っ飛ばすばってん少女隊の気持ち良さ! 人生やればいつかなんとかなる、ばってん少女隊がここまでやれるのなら!、と勇気づけられるのは痛快極まりない。
03.MILLION SUMMERS
作詞・作曲:小野武正
2020年7月22日5週連続リリースシングル⑤
5周年ライブでも小野武正がVTR出演して喝破した通り、すこぶるファンキーでロックな一曲。サンバのリズムが印象的なラテン・ロックだ。
惚れ惚れするのは曲構成。サビのライライライのスキャットからぶちかまし、次々とラテンロックでたたみかける必殺のAメロ、トドメはBメロでマイナーに転調させて切なさと甘さを滲ませつつ、冒頭のサビに戻す名人芸。特にこの「泣いて泣いて泣いて笑ってんだ」のBメロはロッカ・バラードの風格すら漂わせる。サザンオールスターズ『C調言葉に御用心』ばりの完成度の高さ。ただのぶち上げサマーソングでしょ、とナメてかかってはいけない。このアルバムが1st2ndをのりこえた珠玉のソングライティングアルバムとして傑出している由縁。
さすがKEYTALKの小野武正! これぞバンドサウンドだ!
この曲でもばってん少女隊の歌唱力は絶好調。甘さも憂いも絶妙だ。上田理子さんの「B to da T to da D to da ばってんだ!」のパートの「ばってんだ!」はほとんど完ぺき! ばてんだーっ!と見事なロックのイントネーションは聴き手をゾクゾクさせる。
今年に入って夏なのに披露してもいないこの曲は『BATTEN 音楽の日〜隊員と作るリクエストライブ〜』で選曲されるならば、絶大な効果を発揮し、再評価されるだろう。
04.OTOMEdeshite
作詞・作曲:久下真音
ストレートなアイドル歌謡ポップス。まぁー、ともかく可愛い。
<りるみゆ>お披露目ステージでも強く印象に残った曲。
05.でぃすたんす
作詞・作曲:久下真音
2020年7月1日5週連続リリースシングル②
もしかしたら、この曲こそが新章幕開けのキーとなった曲であり、アルバム曲中の最高傑作かもしれない。
イントロで泥くさく鳴り響くホーン! 希山愛さんのホカホカしたハスキーボイスで「かもーん!」(笑)、上田理子さんがソウルの帝王「ミスター・ダイナマイト」JBことジェームズ・ブラウンばりの「ハァッー!」とソウルのシャウト(笑)、春乃きいなさんがニコニコスウィートに「一緒に遊ぼーおよっー!」(笑)、瀬田さくらさんが茶目っ気たっぷりキュートに「準備できてるぅーぅー?」(笑)、上田理子さんの「♪せーのぉ♪」星野蒼良さんの「イっクよー!」(笑)、ダメ押しは希山愛さんのハスキーボイスで「あぁ~オゥ!」(笑)、全員で「さん!ハイっ!😂」(笑)。ファンクのタメのあるリズム、モータウン調のドファンクだ。サビの圧倒的なグルーヴとタメ。無敵の一曲だ★
プリンスの『キッス』ばりのギターリフ、終盤はディラン『やせっぽちのバラッド』を彷彿とさせるアル・クーパーのハモンドオルガンばりのキーボード。間奏での上田理子さんのドヤ顔での「どぅよぉっ! ウフフ」も含めて完ぺき。
リモートの距離感を吹っ飛ばせ!がテーマの曲が、今では、ばってん少女隊はゼッタイ君を手放さないよ!、こういう曲に成長を遂げた★
06.OiSa
作詞・作曲:渡邊 忍
従来のグループのイメージを根本から覆した、革命的な一曲。
杉本陽里子音楽ディレクターがこの曲しかない!と押しに推してスタッフ全員を説得し、このアルバムの発売日に満を持してMVが公開されたアルバムリード曲。
その結果、「ありがとーと」と「でぃすたんす」を切り口にこの曲で華麗なる転進、半年後、有線で火が点き、ばってん少女隊最大のメガヒットナンバーとなった。
あの渡邊忍が打ち込み! デビュー曲「おっしょい!」が転じて「おいさ!」へ。博多祇園山笠の掛け声のように(不安や迷いをのりこえ)新章に突入したばってん少女隊の成長を願いながら、COVID-19下での悶々とした日々を肩の力を抜いて覆そうとするかの様な歌になった。私はこの曲をテクノポップタッチのリズム・アンド・ブルースととらえ返している。
絶妙なGroove! あらゆる意味で「想定の遥かナナメ上」となった最高傑作だ!
07.Dancer in the night
作詞・作曲:KAKUWA
2020年7月15日5週連続リリースシングル④
この曲も最初に聴いた瞬間から驚いた。渇いたAORのタッチはシティーポップと言えるが、私にはむしろラテンタッチのミドルテンポのダンスナンバー。こういう切なくも渇いたソウルミュージックは大好きだ。
ステージ上の君はこの公演が終わったら、もうここにはいない、という余韻が歌われているが、当時、ばってん少女隊がこういうアダルトなロマンスを歌えること自体が衝撃的だった。
5指に入る傑作。
08.ジャン!ジャン!ジャン!
作詞・作曲:フジノタカフミ
この曲もJazzyなダンスミュージック、ミュージカル調。
09.ありがとーと
作詞:ヤマモトショウ 作曲:Yocke
2020年6月21日5週連続リリースシングル①
BATTEN Recordsでの再始動第一弾は、ファンへの深い感謝を捧げるラブソング。
腕を振ったり、ジャンプするダンスが印象的だ。
では、ここでクイズ
一番は、ありがとうと もうひとつ
二番は、ありがとうと もう一度
ラスト、ありがとーと もうひとつ
ある場所で、君だけにいいたいこと とは何でしょうか?
10.Dear My Blues
作詞・作曲:ANDW
ここまでの、そしてここからのばってん少女隊の道のりを噛み締めさせてくれる素晴らしい名曲。
この曲「Dear My Blues」を作詞作曲したANDWは、解散の危機をのりこえて心機一転、2020年自主レーベルを起ち上げたばってん少女隊に心からのエールを贈ってくれた(のちに新体制第一弾シングルとして手掛けられた「ばりかたプライド」はおそらくこの曲「Dear My Blues」の続編)。
「Dear My Blues」はいわゆるBLUESそのものではない。どちらかと言うとザ・ローリング・ストーンズの「ダイスをころがせ(Tumbling Dice)」に近いブルース色を滲ませたロックンロール(スワンプ・ロックおよびスワンプ・ポップ)だ。
この曲「Dear My Blues」でANDWは、これまで一方で大事に大事に育てられながら、他方で内心窮屈でくよくよしていたばってん少女隊に(脱・箱入り娘)、優しげな眼差しで語りかける。決められたレールに乗って・与えられた事の枠内でアレコレと解釈するより、気ままな旅に出て青春を駆け抜けようよ、と。ともすると、(ばってん少女隊は気立ても良いが何よりも賢いから)今はまだだめだけどいつか必ず、と先送りしてしまいがちだった。要するに、今いかにやるか?と実践論的に解明する事にささやかな苦手意識もあったのがかつての偽らざるばって
ん少女隊の姿だった。そんな彼女たちにANDWは語りかける。青春なんてやり直しの繰り返し、ちょっぴり恥ずかしかったり、時に泣きたくなったら泣けばいいじゃん、きっと笑顔になるよ。さあ、まだ見たことのない素敵な景色を見てみようよ、と。
春乃きいなさんのパートから始まり希山愛さんのパートと6人のユニゾンで終わるこの曲の最後は、こんな歌詞だ。
♪
まだ見ぬ荒野は未開拓の地図の上
巡り会う奇跡さえ 南風に託して
Ah 瞬間の輝きを捕まえて
はにかんでさ笑うだろ?
恥ずかしくて最高!
はてない地平線はどこまでも続いてる
駆け出して気づくだろう 脈打つ高鳴りを
Ah 透明な情熱を走らせて
つまづいたら泣けばいい
くだらなすぎて最高!
♪
ホロリときて、しかるのちにさわやかな風が吹き、あたたかな余韻が残る。心地良い清新な風を感じないか。
つまり、この曲はばってん少女隊版の『クロスロード』だ、と僕は思う。
ライブの規制も解除され始めて、僕たち大勢の聴衆も様々な日常からの、ひと時の休息を求めてばってん少女隊だけのワンマン見たさにこの場所に集まって来ている。
だからこそ、今改めて「脱・箱入り娘」を成し遂げた彼女たちが、自分たちののりこえの立場を拠点として、我が身に向けてと同時に会場に駆けつけた『ふぁん』に向けて歌うのはすごく劇的だ。
だから、サウンドじゃない、この曲のすべてが5人の、いや、現体制6人の<和製(HAKATA) レディ・ソウル>ばってん少女隊のブルースなのだ、と思う。
11.Just mean it!
作詞・作曲:久下真音
フレンチエレクトロと銘打って紹介された曲だが、この曲も「Dancer in the night」と同様にラテンっぽいソウルミュージックに感じる。この2曲でこのアルバムが今までと全く異なる印象と、1曲1曲が完成された印象を受ける。
冒頭の瀬田さくらさんと上田理子さんの歌唱は抜群だ。
12.Over
作詞・作曲:金子麻友美
2020年7月8日5週連続リリースシングル③
ストンプを生かしたポップなアコースティックバラード。ソロパートで繋がれ、いつしか一つのコーラスに重なり、ささやかな感動に溢れるこの曲。7周年記念ライブのオーラスは実に素晴らしかった。新チームになって自信がなく一度も披露できなかったこの曲で締めてくれた。
チームでの話し合いの結果、最終的にオーラスに「Over」を選んだばってん少女隊。
当日、上田理子さんはチームの仲間たちの思いを受けとめ仲間を信頼し・みんなに少しでも届けたいという率直な思いで、この曲の歌い始めに声をふりしぼってこう言ってくれた。
「歌わせてください。Over」
勇気を出して、実践的に一歩前に出た瞬間だった。
6人の想いと美しいハーモニーは青春の詩を描いた。6人は喜びの涙に溢れ、無我夢中で唱和し、ついに達成感に満ち満ちて見えた。現に今、無我夢中でこの日の7周年記念ライブを準備してきた彼女たちばってん少女隊の情熱が伝わってきて、心に響いた。
もう二度とお客さんに悲しい思いをさせたくない、そんな私たちはここまで歩んでこれましただからここからさらに飛躍してゆきます──そんな想いで昼夜を分かたずリハーサルに心を砕いてきたに違いない。すべては私たちだけを観に来てくれたみんな(隊員)の笑顔が見たいから、と。僕はすごく嬉しかった。幾つもの様々なライブを観てきて、素晴らしいステージに立ち会えた時の喜びは計り知れないものだ。一瞬われを忘れるくらい、ハートをギュッとつかまれる、そういうステージというのは本当にあるのだ。感動がやまなかった。このライブ、この瞬間の「Over」新チーム初披露を、生涯忘れることはないだろう!
13.Happy
作詞・作曲:KAKUWA
「Over」とこの「Happy」は分かちがたく結びついている、杉本陽里子Dの依頼があったのだとしても、ここからのばってん少女隊の背中を押す素敵な曲が重なった。
「Over」が気持ちが一つに重なってゆく歌なら、この曲「Happy」は互いの気持ちを共有するアコースティックな曲だ。
この曲のMVを置き土産にしてくれた(最後に「Dear My Blues」も編集してくれた)星野蒼良さんの含意は、こんなに素敵な事の方が沢山あったね、だと思う。そして、このMVを見るたびに私の事もちょっぴり思い出してね、と問わず語りに語りかけてくれているような気がする。
1st2ndをこえて、このアルバムの完成度の高さは素晴らしい。そしてこのアルバムがなければ、ばってん少女隊の存続も、ポップミュージックを極めた次作『九祭(CUE-SAI)』誕生もあり得なかった。起死回生の感動を呼ぶアルバムだ
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