祝『スーパー遠方枠』決定!
AKB劇場での公演で本格的外国人枠が設定。1公演6名。一月前からの自己申告予約制度。したがって10月から開始だろう。外国人の方の観覧は勿論あるものの、今回の設定がいかにいかされるか。なによりインターナショナリズムは素晴らしい。しかしGロッソ公演も含め日本人にも、全公演とも、もっともっと開かれてほしいものである。なにより大きな劇場はメンバーの声量・声質を飛躍的に鍛えるだろう。いつかマイクなしでもできるくらい、皆さんには上を、上を目指して頑張ってほしい。
そして、外国人のファンの方の増加による、応援のあり方の新たな"文化摩擦"が意外に愉しみなのだった。



母に捧ぐはるな愛の完走。


東欧民主化の光と陰-ゴルビーに果敢に台本(ホン)なし取材を挑んだ"国民的アイドル"嵐・桜井翔が見せた根性。広島原爆投下による日本人民の悲劇を歌にし子供たちからも「学んだ」吉川晃司。




大林信彦の傑作映画『はるかノスタルジー』を担当した久石譲が指揮し、身障者・健常者が心一つに創造した『Jupiter』、深い音楽の原点へのいざない、感動的と呼ぶには余りに陳腐な、至高の歌声・音の響き。



12歳だった少年に贈る『黒船』を熱唱したTOKIOの圧巻のステージ!!



ロックン・ローラーとして立ち現れた大友康平がはるな愛へ贈る『ffフォルティシモ』のシャウト!



牧野アンナさんの指導に応えて成長するダウン症のダンスチーム・ラブジャンクスとAKBとの友情のジョイント・ダンス。ハンディキャップと闘うみのりさんから前田敦子に託されたシュシュ。





29日夜、AKB48が番組パーソナリティーを務め、SDN48とSKE48も参戦した24時間TVが感動のフィナーレを迎えた。






一方、《2日間限定》のヘビロテTVCMで総合プロデューサーが、合計7・5秒間だけ登場する美少女「指原莉乃 改め さしこ」と、今ノリに乗るミステリアス・ビューティーを、唐突に大フューチャーする軽サプライズもあった。



A公演での彼女のヘビロテ、センター抜擢はCMの伏線だったという訳だ。ブログ閲覧数上位にくいこんだ彼女への彼なりの若干不器用なリップ・サービスというべきだろう。ファンの評価はさておき、やや「さしこ」の腰も抜かさせたきらいがあるが。






他方、28日夜のSDN481期生公演では課題が山積するパフォーマンスとなったようだ。が、日テレから徹夜で北の大地に飛んだSDN48は、札幌ドームでの合同LIVEイヴェント2公演の大成功を勝ち取った。劇場では2期生公演も一挙に同時に実現した!






余韻醒めやらぬうちに、本日はチームA公演。同時に最大のメイン・イヴェントは……AKB48TeamBのSKE48お膝元尾張・名古屋への登場だ。本日30日『AKBがやって来た!』ツアー、チームB千秋楽公演(昼夜2公演)である。さらに明日31日はツアー大トリTeamKの千秋楽公演だ。






TeamB5th《シアターの女神》公演。私は劇場公演にまだ一度も当選した事がなく、部分観覧なので、本当に申し訳ないが詳しいパフォーマンスは定かでない。




けれども、TeamB5th《シアターの女神》公演は、上質なビート・ポップスと、剛と柔を兼ね備えたヴォーカルの魅力に満ちた、気高き美の饗宴である。何と言ってもこの新チームのリズム・メロディー・ハーモニーは素晴らしい。サイモン&ガーファンクルがそうであるように、楽曲や歌声は繊細でありながら極めてソリッド! たかがアイドルとの先入観をもって行くなら、手痛いアッパー・カットを見舞われるだろう。






実体論的な最大の特徴は、結成時からのメンバーが16人中3人だけである事、さらにメンバー一人一人のスキルが極めて高い事だ。



TeamBの精神的支柱でありアイドル性とアーティスト性が尽きぬオアシス、キャプテン柏木由紀。CGレボリューションと称されるも、あらゆるタレントに秀でる、パンチの効いた美声をもつエース渡辺麻友。AKB結成時からの初期メンバーで、声量のあるなかなかのディーヴァ、そしてチームの屋台骨を支える平嶋夏海。この3名を核としつつも、チームの潜在能力が異様に高い。




実際、チームBが高いアイドル性を保ちながら、楽曲が驚くほどソリッドで唄にパンチが効いており、極上のハーモニーを奏でるのは何故か? その秘密は高音・低音で歌唱力の高いダンスにも長けたメンバーを起用したからである。




ステージに立つや否や妖艶なディーヴァにかわる河西、高音で甘い美貌と声質でありながら七色の音域を操る佐藤亜美菜、SPEEDへの憧れも納得がゆくSEXYヴォイス佐藤夏希、渡辺美里に比肩するヴォーカルの説得力をもつ"たこやき"こと増田。ミュージカルをめざしていたディープ・トーンに輝きがある宮崎。この5名が核となるハーモニーの美しさと芯の強さならびに歌声の大きさと伸びについては各チーム中、抜きんでている。




さらに、中堅メンバーがハーモニーとダンスに厚みをもたらす。準センターとして多彩な能力・魅力をもつアジアン・ヴィーナス北原。キュートかつセクシーでステージでのぶれがない小林香菜。卓越したダンス力とスレンダーなスタイルに抜きんでた近野。14歳にしてベテラン、日本人離れした美少女ダンスが美しい"まぁちゃん"こと奥。




しかも昇格組もまたこぞって次期エース候補である。柔道部出身、あどけなさと落ち着きでステージ・パフォーマンスに揺るぎなし、柔よく剛を制す石田。天然とされながらスレンダーでSEXY、"ゆきりん"まゆゆ"を猛追する、"きたりえ"と同郷の名古屋嬢・小森。渡辺と毎回ユニットを組む、つねに全力投球を忘れない佐藤すみれ。7期生19歳ながらヴィーナスの輝きを放ち、唄・振りとオールラウンドのタレントの持ち主"まりやんぬ"こと鈴木まりや。






このヴァラエティーに富んだ平均最年少の布陣に与えられたセットリストが多彩で艶があり素晴らしい。ただのアイドルではない。最大の特徴は初期の渡辺美里のアルバムのようにパンクポップからソウルナンバー、テクノ、ダンスナンバーに至るまで、全くジャンル分け不能な事である。女の子の気持ちを唄う事、共通点はただこの一点のみ。






多彩さと楽曲のクオリティーの高さで言えば、あえて言うと渡辺美里が、当時10代初の2枚組として話題をかっさらった歴史的名盤2nd『Lovin’ you』、佐野元春から影響を受けた若者の叫び3rd『BREATH』、「戦後最大のポップアルバム」と称し前編がエルヴィス・コステロのように畳みかけるメロディー・ワーク4th『ribbon』。






B公演最大のテーマ。それはおにゃん子をやすやすとこえる分厚いハーモニーと、もがきながら壁を突き破ろうとする若者の叫び、その女子的表現である。研究生の『ロマンスかくれんぼ』を含む17曲が全くだれる所がない。






オープニングはビリー・ジョエルの『アレンタウン』のようなパンク・ポップナンバー。全員がヘルメットとハンマーを所持し、作務衣のドカチンスタイルでアナーキーに舞う『勇気のハンマー』。1曲目からアイドルの常識を「ぶち壊せ」と唄う。




一目惚れの唄だが楽曲のメロディー・ラインが凄まじい『隕石の確率』。途中でガラッと転調してからサビまで畳みかける素晴らしい楽曲。




ソウルフルなダンスナンバー『愛のストリッパー』。チームBの多彩な音域でのハーモニーは全チーム中NO.1である。さらにタイトル曲『シアターの女神』は劇場公演にやっと当選したファン心理を唄う骨太なPOPS。




つづくユニット曲。
麻友をはじめ3人の歌唱力が高い、せつな系王道アイドルソング『初恋よ こんにちは』。(佐藤すみれ、渡辺、奥)




シビアだがパンチの効いたディスコナンバーで、高音と低音の使い分けが宮崎はじめ小森・鈴木みな素晴らしい『嵐の夜には』。佐藤夏希の大人の歌声は群を抜いてSEXYかつクリア。(鈴木まりや、小森、宮崎、佐藤)




初期の渡辺美里『やるじゃん女の子』へのオマージュ・ナンバー。めざしているのはブラック・コンテンポラリー。歌唱力ベスト3の3人のフルコーラスは素晴らしい。甘く色気ある歌声の河西、美里やEPOに匹敵する増田、高音でキュートかつ丁寧な佐藤亜美菜の『キャンディー』。(増田、河西、佐藤)




『初恋』のような『ロッカールームボーイ』(小林、石田、北原、近野、平嶋)。この曲も5人のハーモニーがせつなく美しい。




キャプテン柏木由紀のソロ曲『夜風の仕業』。一人多重唱和もしくはエコーをきかせて唄う。柏木の凄い所はやさしく美声で色気があるが、誰にも似ていない事。あえて言うとチームAの小嶋と似た声質。やすらぎを感じる逸品。




全体曲『100メートルコンビニ』は渡辺はじめパンチが効いていて素晴らしい。12曲目『好き 好き 好き』のリズム、メロディー。極上のソウルナンバーは完成度が高くジャジーなファンクに仕上がった『サヨナラのカナシバリ』。せつないバラードの名曲『潮風の招待』。




唯一のリズム&ブルース『オネストマン』。なんとブルースとラップで『ワッショイB』に挑んだのが『チームB推し』。つまりロックなのだ!! 個人的にはキタリエの「まだワカンネェーのか!?」が傑作。
そしてラストナンバー『僕たちの紙飛行機』は爽快感に満ちている。






このようにTeamB 5th『シアターの女神』公演は、メロディー・リズムそして難易度の高いハーモニーを全てかねそなえ、チームの力が遺憾無く発揮された、平成最大のJポップSET RISTなのである。