【課題設定の方法論】


①で8・7公演の素晴らしさと、SDN48の現局面、浮かびあがった諸問題について列挙してきた。
端的に言って、残り4週間でSDN48がデビュー後にロケット・スタートが切れるかどうかが決まるだろう。そのために課題を鮮明にする必要がある。



前提として、課題とはいかに設定するべきか?



私たちは現実から提起されるたくさんの課題の中から、最もふさわしいと思うものを取捨選択しなければならない。要するに今、最も重要だと思う【課題をみずから選び取らなければならない】。適切な課題の設定と具体的な克服こそ重要である。つまり、夢をかなえる(大目標)ために当面の課題(当面の目標)に限定して、現実的に努力を積み重ねるということだ。



自分の現状とかけ離れて、いろいろな課題を設定しても、その結果起きたこと(失敗したこと、上手くいったこと)をあれこれ結果だけ解釈するから、だんだん自信を失う悪循環が繰り返される。自分なりにしっかり分析して考え、自分自身が立てた(設定した)当面の課題・目標を集中して克服してゆく、または得意分野を伸ばす不断の努力こそが大事だと思うのだ。






【課題は、これだ!!】


さて、このことを理論的武器に、今、SDN48に最も問われている課題を明確にするなら、私は一言で言うと《歌》だと思う。非難される事を承知で言わせていただくならば、《歌の力》ではないだろうか。



整理してみよう。今、SDN48が置かれている主客の場の状況を。



「国民的アイドルグループ」AKB48は今、全国的な支持拡大に地道を挙げている。7・27チームA『目撃者』公演の開催を皮切りに、全国ツアー『AKB48_AKBがやって来た!!』を8月連続的に敢行。続く9月26日奈良で大規模野外LIVE【AKB48薬師寺奉納公演『夢の花びらたち』】を開催。さらに先週、ポップティーンの女性限定公演にも参加し会場を熱狂させた。


他方、国民的グループへの飛躍を賭けてSKE48もまた、全国展開に全精力を注ぎこんでいる。大阪を皮切りに福岡・東京・名古屋で、チームSとチームKⅡ単独での『劇場外公演』を開催すると発表。しかもキャプテン制を導入したチームKⅡは、秋を目指して初のオリジナル・セットリストでの公演に踏み切る。



このAKB48ならびにSKE48の各チームの体制確立を基礎とした両グループの飛躍のために、11月マカオでのAKB・SKE合同LIVEをはじめ世界の主要都市でのAKB48の公演(現時点10月イタリア、11月シンガポールを予定)と、日本の主要都市への劇場進出が一挙に同時に始まっている。大阪では吉本劇場を拠点としたNMB48結成が着々と進行している。さらに、派生ユニット・渡り廊下走り隊の新曲をカシアス島田(島田紳助)が作詞したとの発表(9月1日発売『ギュッ』)。しかも青年層をも対象として、ノースリーブス(渡廊と共にプロダクシュン尾木所属)のアルバム発表に続き、フレンチ・キス(ワタナベガールズ所属)がデビューする。



このようなAKB・SKEの全国展開の只中で、SDN48はどうか。



8・1SDN48劇場デビュー1周年記念公演で、世界中に一流アーティストを抱えるレコード・レーベル、ユニバーサル・ミュージックからSDN48のメジャーデビューが決定。CDデビューするにふさわしい12名を選抜するための、テレビ朝日『すっぽんの女たち』が主宰する「視聴者投票」の実施。他方、メンバーを強化し支持層を一挙に拡大するために、9月からGロッソでの劇場公演開催と、それにともなうダブル・キャスト制(=実質的な1軍2軍制)の公演開催が決定した。
たとえ、現行チームを解体しても実力主義に基づく交替可能な新チームへと再編していくこと。



この核心はやはりAKB・SKEにはまかない切れない高校生以上の青年層・成人層を主要ターゲットに設定したからに他ならない。彼らはアーティストへの支持が大半。アイドルにしてもアーティスティックなアイドルや、海外アーティスト、そして男性・特に女性K‐POPグループだ!もちろんAKBも対抗するはず。しかし、SDN48こそが彼らの良きライバルとして迎えうつべきだと、多方面から白羽の矢が立ったのだと推断しうる。だからこそ、右のSDN48革命が成功すれば彼女たちの未来さえもが保証される巨大プロジェクトに違いない。(俺もその賭け乗った!)


したがって、SDN48はアイドルやアジアのアーティスト、なかんづく男女K‐POPグループをのりこえてゆくべきである。その成果が彼女たちの生き残りにも直結するのだから。



もはや明らかだろう。ダンスや歌やパフォーマンスに高水準を誇る、わがSDN48に問われる課題が。《歌のパワフルさ》が決定的に足りないと思うのだ!


中国人、とりわけ韓国人は相当に歌がソウルフルだ。BoA、BIGBANG、古くはテレサ・テンや桂銀淑。厳しいようだが、今の中途半端なスタンス(アイドルという位置づけの曖昧さ。いかなるアイドルか?)こそがネックなのだ。


もちろん、トークやバラエティーでは今までと一向に構わないと思う。あらかじめアーティスト然としてファン層を狭める必要は全くない。問題はCDやステージでいかに。



まず現状は、楽曲が多彩でレヴェルも高い。ユニットや一人一人の歌は力強く、全体曲でもパワーがある。しかし、あくまで従来の歌謡曲ではとの限定がつく。同じユニバーサルのアーティストのレヴェルの高さを思いだしてほしい。



あえて言います。最も気になるのは1フレーズごとの歌の語尾が弱く、アイドルのように抜けていく。尻すぼまる傾向があること。リズムや曲調に関係なく、フレーズとフレーズの間のタメがやや弱いからだろう。



覚えた歌詞に心をこめて歌うのではない。心や体がミュージックに反応して、身体の深奥から感情が歌詞=歌として湧きあがり、しぼりだされる感覚がFUNK!。



かつて桑田佳祐でさえ海外のプロデューサーから言われた事。楽器がおとなしい、歌がおとなしい、弱いと。その後サザンが完成させたのが『人気者で行こう』と当時2年かけた前人未踏の『KAMAKURA』。思いきり楽器を弾き、腹の底から歌いこむ。力まかせに力む事とは別である。
以下、具体的をあげる。参考になれば嬉しい。



ユニバーサルからはレディー・ガガ、エイミー・ワインハウス。

ノラ・ジョーンズ1stアルバム。マドンナ。レイ・チャールズ、映画『レイ』と共に。映画『エディット・ピアフ愛の讃歌』。アレサ・フランクリン。

ユニバーサルの邦楽では鬼束ちひろ『DOROTHY』からX、ストーリーテーラー。
aiko『小さな丸い好日』『桜の木の下』『夏服』。椎名林檎のセクシーさ。
Superfly『BoxEmotions』からMy Best of My Life、やさしい気持ちで アイデンティティの行方

以上、なるべく近い曲調を選びました。真似ではなく生かしてほしい。


例えばレイ・チヤールズならソウルミュージックの最高傑作『ホワッド・アイ・セイ』の盛り上げ方、高揚感。『メス・アラウンド』のサビ。特に『アイ・ビリーヴ・トゥ・マイ・ソウル』の感情移入のしかた……。




パワフルに繊細に、しかし力強く心から思いを歌にこめ。



《曲調について》


ペットやサックスが曲調によっては必要では。
パーカッション。


ラテン系が絶対ほしい。口元に薔薇をくわえて飛ばす『カルメン』の世界。
例えばサザンの『稲村ジェーン』や『愛は花のように』のようなラテン調。色っぽいと思われる。
振り付けも含めて。



モーニングにも動きがあるようだ。

一月後には次々とサプライズがあろう。人気投票の只中で頑張ってほしい。より情熱をこめて美しく。華麗に。心の底から。
SDNのパフォーマンスは国内アイドルにはひけをとらない。
問題は誰を・いかにのりこえるかである。
そして投票結果にかかわらず、期間中努力したメンバーは将来報われるだろう。元々タフなメンバーばかりのはず。後悔しないよう攻め、チャンスを掴め。

元AKB・SKEメンバーの野呂、浦野、大堀、小原、佐藤、手束はむちゃぶりの修羅場をかい潜ってきた。闘うチームづくりは託された。目標にとって年齢の上下は関係ない!!


SDNの仲間たち! デビューという夢まではすぐそこだ。もっともっと大きな目標のために37名が《真のパイオニア》たれ!


ガンガンガン ガンバリーナ
ヤンヤンヤン ヤッチャリーナ