フットハットがゆく! -78ページ目

(第111回)上昇陣

 
 僕がこの原稿を書いているのは6月8日…FIFAワールドカップの開幕前夜。これが紙面になる頃、いったいどんな展開になっているのだろう? 今回は現地に行けずテレビ観戦のみだが、あぁ、眠れない日は続きそう…。


 今日は実際に現地観戦したフランス大会(98年)の思い出を書く。
 8年前のワールドカップフランス大会は、日本が記念すべき初出場を果たした大会で、岡田監督が率いていた。カズ、北沢といったJリーグでも人気のドーハ組を外し、城、ロペス、のツートップで臨んだ。中心選手はいわずと知れた若き日の中田(英)。センターバックに井原、左サイドに相馬、突撃隊長にゴン中山、スーパーサブに野人岡野、というようなメンバー構成だった。当時18歳の小野伸二も控え選手として登録されていた。

 日本が入ったグループには優勝候補のアルゼンチン、今回も同グループのクロアチア、そしてジャマイカがいた。3戦のうちの緒戦アルゼンチン戦と、第2戦クロアチア戦を僕は現地で見た。

 アルゼンチン戦は、南フランスのトゥールーズで行われた。南フランスはとてもいい。気候がよく、街・風景が美しく、食べ物がおいしい。おまけに美人が多いときている。ぜひ、もう一度行きたい…

 さて、試合会場に行くと、『チケット問題』で観戦チケットを持たないサポーターが会場の外にあふれかえっていた。そんな中には、本来1万円程度のチケットをダフ屋から30万円で買っている人もいた…。

 ピッチに最初に選手が現れた時、アルゼンチンの選手は赤いシャツに黒いズボンを着ていた。僕は
「今日はサブユニフォームか…」
 と思ってがっかりした。ところが練習が終わり、いったんピッチから引き上げ、再度正式に入場してきた時、アルゼンチンのユニフォームは白と水色のストライプになっていた。あのマラドーナを生んだあのアルゼンチンのあのカラーである。
「あぁ、本当にワールドカップでアルゼンチンと試合するんや!!!」
 と大変感動し、異様に興奮し、その時点で泣きそうになった。
 試合内容は興奮しすぎてほとんど覚えていない。結果はバティにゴールを決められ、0-1で惜敗した。0-5で負けても不思議ではないと思っていたので、0-1は善戦だと思うけど、それでも負けは負け、とても悔しかった。

 クロアチア戦は、ナントという街で行われた。クロアチアのサポーターはめちゃめちゃ大柄で、小柄な日本人をおおいに馬鹿にしていたので、ぜひサッカーでは勝ってほしかった。
 席に着くと城彰二のファンの女の子から
「入場の際これをまいてくれ」
 と、『城彰二』と判のついた青紙をもらった。
 この日はとにかく暑かったので、相手選手たちは後半バテバテ、日本にも勝てそうなチャンスはあったのだが、あぁ残念…相手エース、スーケルにゴールを決められ、0-1で負けた。

 実際に現地でWCを見たことがあるだけに、今回ドイツ行きのチケットを手にしたサポーターが本当にうらやましい!

 常勝軍団ブラジルを撃破し、上昇していく日本陣を見たい、見たい!見たい!

2006年6月16日号掲載 


城彰二
城彰二 1975~
サッカー選手。日本のフランスW杯出場に貢献したエースストライカー。

追記・・・2006年ドイツ大会、日本の結果は一分け二敗で、僕はスポーツバーでさんざん悪酔いした記憶があります(笑)。


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(2007/12/27)
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