キャロウ・ロードで衝撃的なシーズン幕開け テーム・プッキがダブルで大金星の立役者に


Premier League Match Day 1


Norwich City 4(Giannoulis 9, Pukki 23,83, Rupp 30)

Liverpool 1(Thiago 58)


カナリーズは開幕戦でリバプールを本拠地キャロウ・ロードに迎え、なんと4-1で勝利して3ポイントを獲得した。


下馬評ではリバプール圧倒的有利との見方が大半だったが、大方の予想に反してホームのカナリーズが大勝している。


カナリーズは新加入のロブ・ホールディング、アシュリー・ウェストウッド、シェーン・ロングが先発。

リバプールはGKアリソン・ベッケルやDFフィルジル・ファン・ダイク、FWモー・サラーとサディオ・マネのコンビといった完全なフルメンバーで開幕戦に臨んだ。





立ち上がりからリバプールが得意のハイプレスをかけ、カナリーズはそれをショートパスで掻い潜るという展開になる。

リバプールのプレッシングの強度は高かったが、タケシ・タツミのカナリーズは、あくまでもショートパスを主体としたフットボールで立ち向かう。チームのアイデンティティがレジェンドのダニエル・ファルケ前監督の時代から変わっていないことをキャロウ・ロードのファンに見せつけた。


プレッシングを紙一重で掻い潜ったことでカナリーズにチャンスが生まれる。中盤に落ちてボールを引き出したプッキのスルーパスにディミトリス・ヤヌリスが反応して二列目から抜け出すと、ラインが高くなっていたリバプールの最終ラインを一気に置き去りにする。リバプールDFジョー・ゴメスを振り切って、そのまま左足でネットを揺らした。


これで勢いに乗ったカナリーズは、ポジションチェンジとパス&ゴーを組み合わせたプレーでリバプールのプレッシングを逆手に取り、疑似カウンターを炸裂させていく。

同じような形から23分にテーム・プッキ、30分にルーカス・ルップがゴールネットを揺らし、前半のうちに3-0とした。


しかし前半の終了間際からリバプールが本格的にボールを支配し始める。カナリーズは自陣ゴール前での素早いパス回しに対応できず、徐々に自陣に押し込まれる時間が増える。


後半に入って、ディエゴ・ジョタとの素早いパス交換からチアゴ・アルカンタラが抜け出し、ティム・クルルのニアを抜く強烈なシュートを決めた。


こうなると勢い付くのはリバプールであり、前半はハマらなかったプレッシングが機能し始め、カナリーズはチャンスはおろか前進もままならない時間帯が続いた。


しかし2トップ以外の8人が自陣に引いた上でしっかりと連動したカナリーズは、サラーやマネといったスター選手に決定的な仕事を許さなかった。

ファビーニョがミドルレンジから際どいシュートを放ったものの、クルルが素晴らしい反応を見せてボールを弾き出し、チームを救った。


両チームが交代カードを切った後、功を奏したのはカナリーズだった。

交代出場したマティアス・ノルマンが、ジョーダン・ヘンダーソンをかわして左に展開する。抜け出したヤヌリスのシュートのこぼれ球を、最後はプッキが押し込んで試合を決めるゴールを奪う。リバプールはこぼれ球に対してアリソンとファン・ダイクが交錯してしまい、その隙を見逃さずにプッキがボールを蹴り込んだ。


そのまま試合終了のホイッスルが鳴り、2021/22シーズンのプレミアリーグは、昇格組のカナリーズがリバプールを破るという「ジャイアントキリング」からスタートすることとなった。


■試合後のタケシ・タツミのコメント

「これぞジャイアントキリング、これぞフットボールだ。最高だね。このために俺はここにきた。


リバプールはリスペクトしているし素晴らしいチームだけど、戦う前から負けてるわけじゃない。ゲームは常に0-0から始まる。90分間で何ができるかなんだ。今日はそういう大事なものをみんなに見せられたと思う。


そしてそれは来週のマンチェスター・シティに対しても同じことが言えるし、自分達にもだ。今日勝ったからって来週勝つわけじゃない。またトレーニングに戻るよ。


とにかくやり続けることだ。今日は早く寝るよ(絶対寝ない)(どうせ徹夜でサッカー見る)」